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「ちょっと一言いいですか」披露宴で突然立ち上がった親戚。止められても話し続けようとする姿を新郎の父が止めた

  • 2026.9.20

乾杯のあと、親族席から突然声が上がった

数年前、いとこの結婚式に出席したときのことです。

新郎がそのいとこで、私は新郎側の親族席の端に座っていました。

披露宴には80人ほどが集まり、乾杯が終わって前菜の皿が下げられたころでした。

同じ親族席にいた男性が、突然椅子を引いて立ち上がりました。

新郎の父方の遠い親戚で、私も法事で何度か顔を合わせたことがある人です。

「あの、ちょっと一言いいですか」

マイクはありませんでしたが、よく通る声でした。司会者も新郎新婦もそちらを見ます。

男性は少し嬉しそうに笑いました。

「いやあ、立派になったなあ。学生のころなんて、遅刻ばっかりしてたのに」

会場から小さな笑い声が起きましたが、すぐに静かになりました。

昔話で場を盛り上げようとしているのだろうとは思いました。

ただ、新郎が困ったように笑っているのが見えて、私も少し落ち着かない気持ちになりました。

司会者が穏やかに声をかけます。

「ありがとうございます。続きはぜひ、歓談のお時間に聞かせてくださいね」

「ああ、そうですか。じゃあ…」

男性は少し名残惜しそうにしながらも、いったん席に戻りました。

ところが次の料理を待っていると、再び椅子を引く音がしました。

「すみません、やっぱりもう一つだけ言わせてもらっていいですか」

隣にいた叔母が、小さく息を吐きます。

男性は新郎のほうを見ながら、そのまま話し始めました。

「こんな立派な式を挙げるなんてなあ。正直、びっくりしたよ」

今度は笑い声が起きませんでした。

新婦側の親族席からも何人かがこちらを見ていて、新郎も返事に困っているように見えました。

司会者がもう一度声をかけます。

「お気持ちは十分伝わりました。ありがとうございます。お話の続きは、このあとの歓談でお願いします」

「いや、もうちょっとだけだから」

新郎の父が席を立ち、静かに声をかけた

そのとき、新郎側の親族席から新郎の父が立ち上がりました。

急ぐ様子はありませんでしたが、そのまま男性のところまで歩いてきました。

そして男性の横で少しかがむと、周囲にはほとんど聞こえないくらいの声で言いました。

「祝ってくれるのはありがたいよ。でも今日は、あの二人が主役だからさ。続きはあとで俺がゆっくり聞くよ」

男性は何か言いかけましたが、新郎の父の顔を見て口を閉じました。

「…そうか。悪かったな」

「いや、来てくれただけで十分だから」

新郎の父がそう返すと、男性はゆっくり椅子に座りました。

新郎の父は男性の肩に軽く手を置き、新郎新婦のほうへ小さく頭を下げてから、自分の席へ戻っていきました。

「それでは皆さま、引き続きお食事をお楽しみください」

司会者が進行を戻し、スタッフが次の料理を運び始めると、会場にも少しずつ会話が戻ってきました。

隣の叔母が、ほっとしたようにつぶやきました。

「びっくりしたね。どうなるかと思った」

私も小さくうなずきました。

男性もそれからは静かに料理を楽しみ、最後の両家代表の挨拶では長く拍手を送っていました。

せっかくのお祝いだから、自分も何か話したい。男性にもそんな気持ちはあったのだと思います。

ただ、悪気がなくても、話すタイミングを間違えてしまうことはあります。

声を荒らげず、相手の気持ちまで否定せずにその場を収めた新郎の父の言葉が、今でも印象に残っています。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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