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2006年はシネコン開館ラッシュ!開業20年、いまも愛され続ける映画館たちと映画業界の“あの頃”を振り返ろう

  • 2026.9.18

昨年、映画ファンから大好評を集めたTOHOシネマズの「アニバーサリーキャンペーン」が2026年も好評開催中。劇場オープンから5年単位で周年を迎えるTOHOシネマズ15劇場限定で、毎月14日(トウ<10>フォー<4>の日)に1,300円で映画が観られるTOHOシネマズデイが復活するなど、おトクなキャンペーンやワクワクする企画が年末まで実施されている。

【写真を見る】『ダヴィンチ・コード』『プラダを着た悪魔』…2006年に流行った映画、何本覚えてる?

それにあわせてMOVIE WALKER PRESSでは、アニバーサリーを迎える各劇場のオープン当時の社会の動きや映画界のトレンドなどを振り返りながら、スタッフの声をもとにそれぞれの劇場の特色や魅力などを紹介するコラムを不定期で連載中。全6回で展開する当コラムの第4回は、今年でオープン「20周年」を迎える5劇場にスポットライトを当てていこう。

“ハンカチ王子vsマー君”が盛り上がった2006年、映画界ではどんな出来事が?

【写真を見る】『ダヴィンチ・コード』『プラダを着た悪魔』…2006年に流行った映画、何本覚えてる? [c]Everett Collection/AFLO
【写真を見る】『ダヴィンチ・コード』『プラダを着た悪魔』…2006年に流行った映画、何本覚えてる? [c]Everett Collection/AFLO

「20周年」を迎える5劇場(「TOHOシネマズ 八千代緑が丘」「TOHOシネマズ モレラ岐阜」「TOHOシネマズ なんば」「TOHOシネマズ 岡南」「TOHOシネマズ はません」)がオープンした2006年は、今年と同じように冬季オリンピックと野球のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)、サッカーのFIFAワールドカップが開催され、スポーツが大いに盛り上がった一年だった。2月のトリノオリンピックでは、フィギュアスケート女子シングルに出場した荒川静香が金メダルを獲得。その際に披露した「イナバウアー」は、ユーキャン新語・流行語大賞の年間大賞に選ばれるほどの大ブームに。

3月にはWBCが第1回開催を迎え、日本代表が見事初代王者に。また野球といえば、8月に行われた夏の甲子園では、早稲田実業高校の“ハンカチ王子”こと斎藤佑樹投手と駒大苫小牧高校の“マー君”こと田中将大投手のエース対決と、37年ぶりの決勝再試合に日本中が釘付け。そしてFIFAワールドカップでは、日本代表のグループリーグ初戦となったオーストラリア戦のパブリック・ビューイングを映画館で実施。映画館の活用の幅が広がるきっかけのひとつとなったことでも知られている。

年間No. 1ヒット作は『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』 [c]Everett Collection/AFLO
年間No. 1ヒット作は『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』 [c]Everett Collection/AFLO

この年の映画界を振り返ってみると、『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』(05)と『パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト』(06)が興収100億円を超える大ヒットを記録し、邦画ではスタジオジブリの『ゲド戦記』(06)が年間No.1のヒット作に。ほかにも『ダ・ヴィンチ・コード』(06)や、今年20年ぶりの続編が公開され大ヒットを記録した『プラダを着た悪魔』(06)、「デスノート」の前後編に『フラガール』(06)など、当時社会現象を巻き起こした話題作が次々と公開された。

一方、2004年ごろから本格的に始まった全国各地のシネコン開館ラッシュがピークを迎え、国内のシネコンのスクリーン数はついに2000を突破。さらにシネコンを含む国内の全映画館のスクリーン数も1970年以来36年ぶりに3000を突破することになった。劇場数の増加が後押しとなったのか、年間の公開本数も1955年の統計後初めて800本を突破する821本を記録。そして興収シェアでは、邦画が53.2%を記録し21年ぶりに洋画を上回る結果となっていた。

続編の大ヒットも記憶に新しい『プラダを着た悪魔』が公開されたのも2006年! [c]Everett Collection/AFLO
続編の大ヒットも記憶に新しい『プラダを着た悪魔』が公開されたのも2006年! [c]Everett Collection/AFLO

地元を愛し、地元に愛される「TOHOシネマズ はません」

2006年3月11日に熊本市内にオープンした「TOHOシネマズ はません」
2006年3月11日に熊本市内にオープンした「TOHOシネマズ はません」

2006年3月11日に熊本市内にオープンしたのが「TOHOシネマズ はません」。 地元では常に渋滞している道路として知られている“浜線バイパス”こと国道266号線と、“東バイパス”こと国道57号線が交差する場所に位置する大型商業施設「ゆめタウンはません」内にある同劇場。熊本市の新市街にあった熊本東宝プラザ3・4(旧熊本東宝会館)と入れ替わるように開業した、市内2軒目の本格的シネコンだ。

全9スクリーンで総座席数は1583席(車椅子用スペース18席を含む)。これらがワンフロアに収まるほどの広大な敷地が特徴のひとつであり、劇場担当者は「ロビーが広いのはもちろんのこと、シアター内の座席もゆったり座れる幅の広いワイドシートを全スクリーンで採用しています。リラックスした状態で映画を楽しんでいただけるのが魅力です」とアピールする。また、館内の床に敷かれている絨毯は熊本の名産であるイ草をイメージしたデザイン。見方によっては立体的に見えるとか見えないとか…と劇場スタッフたちの間でも話題になっているそうなので、地元愛にあふれ、地元民からも愛される劇場として親しまれる「TOHOシネマズ はません」を訪れて、確かめてみてはいかがだろうか?

“新しい街”に生まれた、地元密着型の「TOHOシネマズ 八千代緑が丘」

都心から直通で行ける「TOHOシネマズ 八千代緑が丘」
都心から直通で行ける「TOHOシネマズ 八千代緑が丘」

都心を走る東京メトロ東西線からも乗り入れしている東葉高速鉄道の八千代緑が丘駅から直結した「公園都市プラザ」内に2006年3月17日にオープンしたのが「TOHOシネマズ 八千代緑が丘」。1996年に東葉高速鉄道が開業するのにあわせて整備された八千代緑が丘の街は、都市機能と自然環境の両面を携えた美しい街並みが特徴であり、特に子育て世代から人気を集める住宅地として知られている。

そんな場所に「この街にシネマライフの幕が開く」のキャッチコピーと共に開業した同劇場。「地域のエンタテインメント拠点としての役割を担っています」と劇場担当者が語るように、街ができたばかりのころは商業施設も少なく、映画を観るためには船橋や津田沼、都内まで出かけるのが当たり前だったのだとか。「それまでは遠出して楽しむものだった映画が、TOHOシネマズのオープンによって買い物や食事のついでに立ち寄ることができる身近な娯楽へと変わっていきました」と、地域の人々の生活をより豊かにしただけでなく、ほかの地域から映画を観に訪れる人も増え、街全体が活性化するきっかけに。

全10スクリーンで総座席数は1908席(車椅子用スペース19席を含む)。劇場の推しポイントとして担当者が挙げるのは「駅直結の利便性」と「上質な映画体験」、そして東葉高速鉄道との連携サービス“東葉シネマチケット”を利用した「お得なサービス」。なかでも、2000年代にオープンしたTOHOシネマズの特徴ともいえる全席リクライニングシート&専用サイドテーブル付きの「プレミアスクリーン」が現役で残っている全国でも数少ない劇場のひとつであり、「ゆったりとくつろぎながら映画鑑賞をお楽しみいただけるため、いつもより少し特別な時間を過ごしたい方にもおすすめです」とスタッフもアピール。映画館好きなら一度は足を運んでみてほしい。

IMAXレーザー導入ほやほや!巨大モールの大劇場「TOHOシネマズ モレラ岐阜」

TOHOシネマズ屈指の綜座席数を誇る「TOHOシネマズ モレラ岐阜」
TOHOシネマズ屈指の綜座席数を誇る「TOHOシネマズ モレラ岐阜」

岐阜県本巣市に2006年4月27日にオープンした「TOHOシネマズ モレラ岐阜」は、全12スクリーンで総座席数2447席(車椅子用スペース25席を含む)というTOHOシネマズ屈指の大劇場。敷地面積18.5万平方キロメートル、店舗数約240を誇る日本最大級のショッピングモールで、最寄り駅の名称にもなっている「モレラ岐阜」のグランドオープンと共に開業。モールのオープン時には、8日間で約58万人(本巣市の人口は当時約3万5000人)が訪れる大盛況となったのだとか。

「長年、地域の産業を支えてきた旧都築紡績糸貫工場の跡地が巨大ショッピングモールとして生まれ変わり、その中心に映画館ができたことは、地域の文化的転換点になりました」と劇場担当者は語る。隣接する山県市や北方町、大野町にはかつて映画館が点在していたが、いずれも1970年代までに閉館。同市内にあった別のシネコンも、2011年に閉館を迎えている。「単なる娯楽施設ではなく、かつて映画館が消えた地域にふたたび映画文化を根付かせた場所として、地域の生活・思い出・家族の時間を豊かにする役割を担い続けています」。

そんな同劇場の最大の推しポイントは、やはり今年3月に導入したばかりのIMAXレーザー。「都市部に匹敵する高品質な映像体験を、本巣市で楽しんでいただけるようになりました」。また、全シアターのすべての座席に前後110センチメートルの空間が設けられており、幅60cmのハイバックシートも導入。「長時間の鑑賞でも疲れにくいゆったり設計です。体を包み込んでくれる安定感があり、隣席との距離感も適度。IMAXレーザー導入後は前方の視界がより開き、姿勢を崩さずに没入できたと多くのお客様から喜びの声が寄せられています」。

“空白地帯”に映画体験とおいしいポップコーンを届ける「TOHOシネマズ 岡南」

岡山市南区にある「TOHOシネマズ 岡南」も今年で開業20周年!
岡山市南区にある「TOHOシネマズ 岡南」も今年で開業20周年!

2006年7月15日に岡山市(2009年より岡山市南区)に誕生したのが「TOHOシネマズ 岡南」。岡山市内は、商業エリアが広がる岡山駅周辺に現在も複数の映画館がある一方、それ以外の地域には長年映画館がなかった空白地帯。そんななかでオープンした岡山市内初の本格シネコンである同劇場が、市民の映画体験の幅をより一層広げてくれたことはいうまでもないだろう。

「TOHOシネマズ 岡南のあるシネマタウン岡南は、食事やショッピングも楽しめる地域のレジャースポットとして親しまれています」と劇場担当者は語る。「近年では、開業以来、親子二世代で利用されているというお客様も増えてきました。子どものころから当館で映画を楽しみ、大人になってからご自身の子どもを連れて来場される方も珍しくはありません。地域の映画文化を長年にわたって支える存在として、多くのお客様の思い出と共に歩んでこられたことをとてもうれしく思っています」。

“推しポイント”は美味しいポップコーン!(TOHOシネマズ 岡南)
“推しポイント”は美味しいポップコーン!(TOHOシネマズ 岡南)

全10スクリーンで総座席数は1629席(車椅子用スペース20席を含む)で、全席に幅60センチワイド&ハイバック仕様のシートを導入。座席間隔もゆったりなスタジアム形式のシアターで、リラックスして映画を楽しめるのが魅力のひとつ。さらに劇場担当者は「当劇場の推しポイントはポップコーンです」と豪語する。「お客さまからは『ここのポップコーンが美味しいから来る』とよく言っていただきます。わざわざ遠方からポップコーンのために来てくださるお客さまもいるんです」。全国どこの劇場で食べても美味しいTOHOシネマズのポップコーンだが、岡南は一味違うのかも?実際に食べて確かめてみよう!

“映画興行発祥の地”で、130年の歴史を味わう「TOHOシネマズ なんば」

大阪有数の繁華街なんばに、2006年9月22日にオープンしたのが「TOHOシネマズ なんば」。戎橋筋商店街に面した「なんばマルイ」内にある本館にスクリーン1からスクリーン9、千日前商店街の「敷島ビル」内の別館にスクリーン10からスクリーン12(旧「敷島シネポップ」。2011年に「TOHOシネマズ なんば」と統合)があり、全12スクリーンで総座席数は2220席(車椅子用スペース24席を含む)。同劇場の最大の魅力といえるのは、やはり劇場のある土地の歴史にほかならない。

大阪を代表する繁華街に位置する「TOHOシネマズなんば」
大阪を代表する繁華街に位置する「TOHOシネマズなんば」

「日本の映画興行発祥地で映画を観る。それがTOHOシネマズ なんばでしか味わえない特別な映画体験です」と劇場担当者は語る。本館のある場所は、1897年に日本で初めてシネマトグラフが上映された南地演舞場があった記念すべき場所。1938年に南街映画劇場となり、1953年には大阪を代表する大劇場の南街劇場、その後、複数の映画館が入居した南街会館と形を変えながら大阪の人々に映画を届けてきた。また別館のある場所も、前身である敷島倶楽部の開業が1911年。幾度も改築を重ねながら、100年以上の歴史を紡いできた。

「なんばマルイのある東宝南街ビルの1階には、東宝の創業者である小林一三が設置した『映画興行発祥の地』の記念銘板が残されており、映画ファンにとってはまさに聖地と呼べる場所です。名称が変わった現在でも、昔からこの地で映画を鑑賞されてきたお客さまが数多く来場されています。最新鋭の設備を備え、姿は変わっていますが、地域に深く根付いた運営によっていまも変わらず愛される劇場となっております」。

歴史豊かななんばの街で、最新鋭の映画設備を堪能できる(TOHOシネマズなんば)
歴史豊かななんばの街で、最新鋭の映画設備を堪能できる(TOHOシネマズなんば)

IMAXやMX4D、轟音シアターなど、あらゆる特殊なスペックを積極的に導入しているのも同劇場の特色のひとつ。さらに劇場担当者が“推しポイント”としてプッシュするのは、ずばり“なんばの街”。「この周辺は映画だけでなく、演劇や芸能の文化が長年育まれてきた場所。全国屈指のエンタテインメントエリアでもあり、オムライスや焼肉の発祥の店もある食文化の発信地でもあります。『TOHOシネマズ なんば』にお越しの際は、映画鑑賞だけでなく、ぜひ街歩きもお楽しみください」。

TOHOシネマズの「アニバーサリーキャンペーン」は、3月から12月にわたって展開。対象劇場は、今回紹介したはません、八千代緑が丘、モレラ岐阜、岡南、なんばのほか、5周年のセブンパーク天美、10周年の柏、仙台、15周年の甲府、上田、25周年の南大沢、おいらせ下田、秋田、東浦、35周年の渋谷だ。本連載をきっかけに最寄りの劇場の思い出に浸ったり、気になっていた劇場情報をチェックして、いまだけの特別な催しを楽しもう!

文/久保田 和馬

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