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仲のいい友達が「もう顔も見たくない」仲に!?林真理子さんが振り返る旅の失敗

  • 2026.9.10

仲のいい友達が「もう顔も見たくない」仲に!?林真理子さんが振り返る旅の失敗

「80代になるとたいていボケるか死ぬ」——思わず二度見してしまうようなタイトルの本が、いま話題です。著者は、作家の林真理子さん。刺激的な言葉の裏側にあるのは、70代をどう生きるかという、実に現実的な思いです。『80代になるとたいていボケるか死ぬ。70代は神様から与えられた特別な時間』(幻冬舎刊)から抜粋して、林さんの本音をご紹介します。第4回は、旅のお供について。

本当に気の合う人以外と、旅に出てはいけない

ある有名な女優さんと対談をした時、よくヨーロッパにひとり旅をすると言っていた。

「今度、一緒に行かない」
と誘われ、お世辞とわかっていたがかなり心が動いた。憧れのとても素敵な人。この人とパリかロンドンを三日一緒に歩くだけで、どんなに幸せな気分になるだろう。

しかしそんなことは幻想に過ぎない。過去に旅でも失敗を何度もしているからだ。

仲のいい友だちと出かけても、
「もう顔も見たくない」
というほどの事態になったことがある。

言うまでもなく、旅は日常がギュッと凝縮される。ふつうの五年分の付き合いが、一週間の旅となる。

私は若い時、幼なじみと、よくヨーロッパを旅行した。当時JALのCAをしていた彼女は、当然のことながら英語がペラペラ。非常に旅慣れていた。

「こんな私と旅行するんだから、割り勘はおかしいでしょ」

彼女が言って、ホテル代・食事代は私が払うことにした。そうすると彼女は、通訳・コーディネーターをしっかりやってくれ、非常に楽しい旅行であった。

が、あれから三十年近く時はたった。以前のように気兼ねなく旅をすることは出来るのであろうか。

私は最近まで、可愛がっている姪といろんなところに出かけた。娘は何かにつけてブーブー文句をたれるし、仕事が本当に忙しいらしい。そこへいくと姪はこちらの都合に合わせてくれるし、英語も中国語もペラペラ。通訳もやってくれて海外でも本当に頼りになった。しかし彼女も結婚してもう連れ出すことはむずかしい。

それならば夫と行けばいいではないかと言われそうであるが、年とってからの夫婦旅というのは、二人の人生の総決算。うちはそういう道を辿ってこなかったとつくづく思うのである。

私の友人たちに問うても、
「夫と行くより、仲のいい友だちと行った方がずっといい」
という意見が圧倒的だ。私もそちらを選ぶ。仲のいいご夫妻はどうぞ二人で。

気をつけなくてはいけないのは、何かの流れで、
「みんなで行きましょうよ」
「いいねー」
などとノってしまうこと。

これで何度後悔したことか。旅をするチャンスはあと何回あるかないか。心して出かけなくてはならない。

※この記事は『80代になるとたいていボケるか死ぬ。70代は神様から与えられた特別な時間』林真理子著(幻冬舎刊)の内容を、ウェブ記事用に再構成したものです。

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