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「そのうち落ちるはず」“前歯の裏のザラつき”を放置した40代男性→半年後、歯医者を受診したところ…判明した“驚きの異変”とは?

  • 2026.10.20
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、歯科医師の鷹巣多紀です。

歯磨きをした後、舌で歯に触れたときに「なんだか前歯の裏がザラザラする」と感じたことはありませんか? もう一度磨いてみても取れず、翌日になっても同じ場所が気になってしまう……。

今回は、そんな「歯のザラつき」を放置してしまった48歳男性の事例をご紹介します。

「毎日磨いていれば、そのうち汚れは落ちるはず」。男性はそう考えていましたが、ザラつきに気づいてから半年後、歯茎の腫れと出血をきっかけに受診することに。ご本人は単なる「歯石取り」のつもりでしたが、検査の結果、すでに歯を支える骨にまで変化が起きていることが判明したのです。

毎日しっかり歯磨きをしている人ほど、「汚れならいつか落ちる」と自己判断してしまいがちです。今回はこの事例を通して、歯石を放置することのリスクについてお伝えします。

※登場する事例は、実際の症例をもとにプライバシーに配慮して構成したものです

歯石を取るつもりが、歯周炎の治療へ

会社勤めの48歳男性Aさんも、朝晩の歯磨きは欠かしていませんでした。下の前歯の裏にザラつきを感じてからは、その部分をいつもより念入りに磨いています。

それでも、舌に触れる硬いものは残ります。やがて同じ場所から血が出るようになりましたが、気になって強く磨いたせいだと考え、今度は歯ブラシを当てる時間を短くしました。

最初にザラつきを感じてから半年ほどが過ぎ、出血に加えて歯茎の腫れも気になり始めます。ようやく歯医者を予約したときも、男性は歯石を取ってもらえば済むつもりでした。

ところが、歯茎の検査とエックス線撮影で、歯を支える骨の減少が見つかりました。歯周ポケット(歯と歯茎の間の深くなった溝)もあり、歯周炎と診断されたのです。

歯石を取るだけではなく、歯茎の下まで清掃し、その後の腫れや出血も診ていく必要がありました。「血が出たときに相談していればよかったです」と、男性は口にします。

気にしていたのは、舌に当たる汚れでした。歯を支える骨まで変化していたとは思わず、「歯石を取れば骨も元に戻りますか」と尋ねました。

毎日磨いても歯石が取れない理由

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

歯石は、歯垢(プラーク)という細菌の塊に、唾液中のカルシウムなどが沈着して硬くなったものです。下の前歯の裏は唾液の出口に近く、毛先も届きにくいため、歯石がつきやすい場所とされています。

硬く付着した歯石は、普段の歯磨きでは取り除けません。表面が粗く、さらに歯垢がたまりやすくなります。

歯垢中の細菌による炎症が歯茎にとどまる状態を歯肉炎、歯を支える骨などに及ぶ状態を歯周炎と呼びます。歯石そのものが直接骨を溶かすわけではなく、歯石を取れば減った骨も元に戻るとはいえないのです。

男性がザラつきに気づいたのは半年前ですが、歯周炎がいつ始まったかは分かりません。半年で骨が減ったと決めつけることはできず、痛みの有無からも進み具合を判断することはできません。

歯石を取った後に必要なケア

男性は歯石や歯垢を取り除く処置を受け、普段の歯ブラシを使って磨き方を確認しました。下の前歯の裏へ縦に毛先を当て、鏡を見ながら届く場所を確かめます。

処置後は、腫れや出血、歯周ポケットの状態を調べ直す予定です。見た目の汚れが取れても、歯茎の状態によっては追加の処置が必要になります。

自分で爪や市販の器具を使って削るのは避けてください。歯や歯茎を傷つけるおそれがあるうえ、歯茎の下の付着物や骨の状態は、自分では確認できないからです。

落ちないザラつきと出血を放置しない

歯のザラつきには、歯石のほかに詰め物の段差などの原因もあります。舌で触れた感覚だけでは区別できないため、歯医者で確認しましょう。

受診時は、気づいた時期と場所、歯磨きで血が出るかを伝えてください。何度磨いても同じ場所がザラつく、同じ場所から出血するという場合は、さらに強く磨く前に相談してほしいと思います。


執筆・監修:鷹巣 多紀
大学病院口腔外科にて研修後、一般歯科にて勤務。現在は1児の母として子育てと仕事に奮闘しています。


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