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女性「なんだか、尿のにおいがキツい気が…」→気になって泌尿器科を受診したところ…医師から告げられた“予想外の原因”とは?

  • 2026.10.18
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。泌尿器科専門医の小内友紀子です。

「最近なんだか、尿のにおいがキツい気がする」

トイレでふと気づいても、人には相談しにくいことのひとつですよね。痛みもないし、そのうち治るだろうと様子を見ている方は少なくありません。でも、においが何日も続くと「もしかして病気?」と不安になるものです。

今回は、尿のにおいが気になって泌尿器科を受診された女性のエピソードをご紹介します。

※本エピソードは複数の患者さんの経験をもとに再構成した架空のものです。特定の個人を指すものではありません。

「ツンとしたきついにおい」が続いて

Aさん(35歳・女性)がにおいに気づいたのは、ある朝のトイレでした。尿から、どこかツンとした生臭いようなきついにおいがしたのです。

「最初は気のせいかなと思ったんです。痛みもないし、血も混じっていない。でも、何日たってもにおいが消えなくて」

排尿時の痛みも、残尿感もありません。前の日に食べたもののせいかもしれないと、水分を多めにとってみたものの、においは2週間ほど続きました。

「膀胱炎なのかな。でも、症状がないし……」とひとりで悩んでいたAさん。背中を押したのは、一緒に暮らすお母さまの一言でした。

「気になるなら診てもらえばいいじゃない。何もなければ、それで安心でしょう」

検査の結果は「少し菌が混じっています」

泌尿器科では、まず尿検査(尿に含まれる成分や細胞、細菌を調べる検査)を行いました。必要に応じて、菌の種類を調べる尿培養検査や、腎臓・膀胱の超音波検査を行うこともあります。

医師は、尿に空気や便のようなものが混じることはないかも確認したうえで、こう説明しました。

「炎症のときに増える白血球は目立たず、膀胱炎の所見はありません。ただ、尿に少し菌が混じっているようですね。症状がない場合は『無症候性細菌尿』といって、多くは治療の必要はありませんよ」

菌がいても「膀胱炎」とは限らない

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

無症候性細菌尿(むしょうこうせいさいきんにょう)とは、尿の中に細菌がいるものの、痛みや発熱などの症状がない状態のことです。混じっている菌は、腸の中にいる大腸菌であることが多いとされています。

女性は尿道が短く、肛門との距離も近いため、腸の菌が尿道から入りこみやすい体のつくりです。症状のない女性の尿から菌が見つかることは、決して珍しくありません。

大切なのは、「菌がいる=膀胱炎」ではないということ——ここが、多くの方が誤解しやすいポイントです。膀胱炎は、菌が膀胱の粘膜に炎症を起こし、排尿時の痛みや頻尿、残尿感などが出ている状態です。症状のない細菌尿に抗菌薬(抗生物質)を使っても得られるメリットは少なく、かえって薬の効きにくい菌(耐性菌)を生むおそれもあります。そのため、妊娠中の方や泌尿器科の処置を控えている方などを除き、基本的には薬を使わずに経過をみることが勧められています。

ただし例外として、妊娠中の方は症状がなくても腎盂腎炎(じんうじんえん)や早産のリスクを高めるため、必ず抗菌薬による治療が行われます。また、泌尿器科の手術や処置を控えている方も治療の対象となります。

また、「尿から便そのもののにおいがする」「尿にプツプツと空気(泡やガス)が混じる」「便のようなカスが混じる」という場合は、無症候性細菌尿ではなく、大腸憩室炎や大腸がんなどによって腸と膀胱がつながってしまう『膀胱腸瘻(ぼうこうちょうろう)』という重大な病気が疑われます。このような変化があるときは、決して放置せず直ちに専門的な検査を受けてください。

また医師からは、「食べ物や飲み物で尿ににおいがつくこともありますが、心配はいりません」との説明もありました。水分不足で尿が濃くなっているとき、にんにくやアスパラガス、コーヒーなどをとったあと、ビタミン剤を飲んでいるときなどにも、尿のにおいは変わります。

「原因がわかって、気持ちが楽に」

Aさんは薬を飲むことなく、経過をみることになりました。

医師のアドバイスは、水分をしっかりとること、トイレを我慢しすぎないこと。しばらくすると、においも気にならなくなったそうです。

「膀胱炎じゃないとわかって、本当にほっとしました。原因がわかっただけで、気持ちがずいぶん楽になったんです」と話してくださいました。

においが続くとき、ほかの症状があるときは受診を

尿のにおいは食事や水分量でも変わるため、一時的なものであれば心配いらないことがほとんどです。一方で、濁りや排尿時の痛みを伴う場合は膀胱炎などの可能性もあります。

においが1〜2週間以上続く、排尿時に痛む、尿が濁る・血が混じる、悪寒を伴う高熱や背中・腰の痛みがある(菌が腎臓まで達して腎盂腎炎を起こしている疑いがあります)——そんなときは、我慢せずに速やかに泌尿器科を受診してください。尿検査は痛みもなく、短時間で済みます。

「なんとなく気になる」をそのままにしないこと。それが、体からの小さなサインを見逃さないいちばんの近道です。


執筆・監修:小内友紀子
公益財団法人ときわ会 常磐病院 泌尿器科 診療副部長、東京女子医科大学病院 泌尿器科 講師、医師、医学博士 女性泌尿器科医師として、普段は女性によくある尿もれから、男性の前立腺癌をはじめとする泌尿器科領域の癌診療まで診療しております。 【資格】医師 / 医学博士 / 泌尿器科専門医・指導医 / 透析医学会専門医・指導医 / 排尿機能学会専門医


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