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『口腔がんになりやすい人』には“共通点”があった。当てはまったら要注意な、「2つのNG生活習慣」とは?【歯科医が解説】

  • 2026.10.17
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

歯ぐきの腫れや出血に気づいたとき、「いつもの歯周病かな?」と放置していませんか?実は、歯ぐきにできる「歯肉がん」は初期症状が歯周病とよく似ており、痛みが目立たないことも多いため見落とされがちです。

なぜ歯肉がんが発生するのか、歯周病とはどう違うのか、そして早期発見のために私たちができるセルフチェックとは?

歯科医師の鷹巣多紀さんに、歯肉がんの原因や受診のタイミングについて詳しくお伺いしました。

歯肉がんは歯周病が悪化したもの?発症の原因と初期症状の罠

---歯ぐきにできるがん(歯肉がん)は、歯周病の悪化や歯磨き不足が原因なのでしょうか?発症に関わる要因について教えてください。

鷹巣 多紀さん:

「歯ぐきにできる歯肉がんを含め、口の中にできるがんを『口腔がん』と呼びます。

その発症に関わる代表的な生活習慣は、喫煙と飲酒です。たばこの煙に含まれる発がん物質や、お酒が分解される過程でできるアセトアルデヒドは、細胞の遺伝子を傷つける物質です。両方の習慣が重なるとリスクがさらに高まるため、たばこを吸わないこと、お酒の量を減らすことが予防につながります。

また、生活習慣に加えて見逃せないのが、合わない入れ歯や、虫歯などで欠けて尖った歯が、長期間同じ場所の粘膜を傷つけ続ける『慢性的機械刺激』です。喫煙や飲酒の習慣がない方であっても、こうした物理的な刺激がきっかけとなって発症することがあります。

口の中では、歯周病や清掃状態の悪さと口腔がんとの関連も指摘されています。ただし、歯肉がんは歯周病が重症化したものではありません。両者には喫煙などの共通した要因もあり、歯周病が直接がんを引き起こすかどうかは、まだはっきりしていないのです。歯磨き不足だけを原因と考えることもできません。

一方、病気の進行に関して気をつけたいのは、異変をいつもの歯ぐきのトラブルと思い込んでしまうことです。歯肉がんは、腫れや出血、歯のぐらつきなど、歯周病に似た症状で気づく場合があり、初期には痛みが目立たないこともあります。『痛くないから大丈夫』と受診を延ばすと、治療が始まらないまま進行するおそれがあるのです。

日々の歯磨きや歯間の清掃を続けながら、治らない腫れや傷は歯科で確認してもらいましょう。喫煙や飲酒の習慣がない方も、長引く変化を放置しないことが大切です。」

受診が遅れるとどうなる?歯肉がんの進行リスクと正しい検査

---市販の薬で様子を見るなど受診が遅れた場合、どのようなリスクがありますか?また、診察ではどのように調べるのでしょうか?

鷹巣 多紀さん:

「注意したいのは、症状の原因を確かめないまま受診が遅れ、歯肉がんだった場合に、気づかないうちに広がってしまうことです。歯周病向けの歯磨き粉や市販の塗り薬は、歯肉がんを治すものではありません。痛みや出血が一時的に落ち着いても、それだけで『がんではない』『治った』と判断することはできないのです。

歯肉がんで注意したいのは、歯ぐきのすぐ下にあごの骨があることです。がんが周囲へ広がると、歯を支える骨を侵して歯がぐらつく場合があります。ここで特に気をつけたいのが、単なる重度の歯周病と誤認して安易に歯を抜いてしまうことです。がんが原因で歯がぐらついている場合、抜歯をきっかけに傷口からがん細胞が急速に増殖・拡大してしまう危険があります。特定の歯だけが急にぐらつき始めたときは、抜歯の前にレントゲンやCTなどの画像検査を含めた慎重な診断が必要です。また、歯を抜いた後に『数週間たっても穴が塞がらない』『歯ぐきが異常に盛り上がってくる』といった場合も、背後に歯肉がんが隠れている可能性があります。

もちろん、歯ぐきが腫れたり出血したりしたからといって、すぐにがんと考える必要はありません。ただ、同じ場所の腫れやただれが続くときは、歯磨き粉を替えながら様子を見続けるのではなく、歯科で原因を調べてもらいましょう。

診察では歯や歯ぐきの状態を確認し、がんが疑われる場合には、組織の一部を採って顕微鏡で調べる検査などにつなげます。すでに歯周病の治療を受けていても、一部分だけ改善しないときは、その場所を具体的に伝えてください。必要に応じて歯科口腔外科で詳しく調べることが、見逃しを防ぐために大切です。」

自分でできる早期発見!セルフチェックの方法と受診の目安

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

---自宅でできるセルフチェックの方法や、注意すべき症状、受診のタイミングについて教えてください。

鷹巣 多紀さん:

「セルフチェックでは、がんかどうかを自分で決めるよりも、『いつもと違う場所がないか』『その変化が治ってきているか』を見ることが大切です。歯磨きのあとなどに、明るい場所で鏡を使って確認してみてください。清潔な指で唇や頬をそっとよけ、上下の歯ぐきを前歯から奥歯まで見ます。外側だけでなく、見える範囲で内側にも目を向けましょう。

気にしてほしいのは、同じ場所に残る腫れや盛り上がり、治らない傷やただれ、以前はなかった白い部分や赤い部分です。触れたときに硬いしこりを感じる、歯が急にぐらつく、下唇やあごにしびれがある、といった変化も、受診時に伝えたい症状です。ただし、確かめようとして何度も強く押したり、白い部分を無理にこすり取ったりする必要はありません。

変化に気づいた日をメモし、可能なら写真を残しておくと、診察で経過を伝えやすくなります。傷やただれなどが2週間ほどたっても治らない場合は、歯科や歯科口腔外科へ相談してください。しこりが大きくなる、しびれがある、出血を繰り返すときは、2週間を待たずに受診しましょう。

こうした症状は、歯周病や傷などでも起こるため、見つけたからといってがんとは限りません。反対に、痛みがないことや、鏡で異常が見えないことだけで、がんを否定することもできないのです。気になる変化が続く場合は、セルフチェックだけで判断せず、歯科で見てもらってください。」

長引く歯ぐきの異変を見逃さないために私たちができること

歯周病と見分けがつきにくく、初期には痛みが目立たないこともある「歯肉がん」。市販薬や歯周病向けの歯磨き粉で様子を見続けるのではなく、異変を早期に発見して歯科で確認してもらうことが、治療後の生活への負担を抑えることにつながります。

今日からできる予防と対策として、日々の丁寧な歯磨きに加え、明るい場所で鏡を使ったセルフチェックを習慣にしてみましょう。2週間以上治らない傷や腫れ、急な歯のぐらつきやしびれ、抜歯後の傷の治りの悪さなどの変化を感じたら、放置せずに歯科や歯科口腔外科へ相談することが大切です。


監修者:鷹巣 多紀
大学病院口腔外科にて研修後、一般歯科にて勤務。現在は1児の母として子育てと仕事に奮闘しています。
歯科医師ママkiki|note: https://share.google/uUYsDiSMnkNKZCrOw X: https://x.com/kikimama0405

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