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【真彩希帆×有沙瞳×真瀬はるか】『SPY×FAMILY 2 爆弾犬篇&豪華客船篇』で魅せる覚悟と美しさ【前編】

  • 2026.9.8

2023年の初演、2025年の再演ともに大きな話題を集めたミュージカル『SPY×FAMILY』。その待望の続編ミュージカル『SPY×FAMILY 2 爆弾犬篇&豪華客船篇』に、新たに参加する真彩希帆さん、有沙瞳さん、真瀬はるかさんがVOCEに登場!

真彩さんはヨル・フォージャー、有沙さんはオルカ・グレッチャー、真瀬さんはシルヴィア・シャーウッドと、それぞれ異なる立場から物語を彩る3人。実はこの鼎談、始まった瞬間から笑いの絶えない、テンポ抜群のトークに! 真彩さんと有沙さんは宝塚歌劇団98期の同期という気心の知れた間柄で、そこに真瀬さんも加われば、話は次から次へと広がっていきます。

全3回でお届けするインタビューの前編では、初めてミュージカル『SPY×FAMILY』の世界に飛び込む今の気持ちから、それぞれが感じる作品の魅力、お稽古場で見えてきた新作ならではの面白さまで。笑いあり、発見ありの3人トーク、まずは舞台のお話からたっぷりどうぞ!

『SPY×FAMILY』の素敵な世界観にどっぷり漬かりながら、お稽古真っ最中!

宝塚歌劇団 有沙瞳さん 真彩希帆さん 真瀬はるかさん

──初演から大人気のミュージカル『SPY×FAMILY』ですが、皆さんは今回の続編『SPY×FAMILY 2 爆弾犬篇&豪華客船篇』から初参加ですね!

真瀬はるかさん(以下、真瀬さん)

はい、そうなんです! 私は初演を観て、もうすっかりこの作品のファンになり、再演も観に行ったほど。本当にこの作品を大好きになっちゃって。マンガは読んでなかったけど、ミュージカルを観てから、マンガを読み始めた感じ。今は自分がこの世界観のお稽古場にいることが毎日信じられないくらい……。もう、ドキドキ、緊張しちゃう(笑)


真彩希帆さん(以下、真彩さん)

シルヴィアさんの雰囲気にすごくピッタリです!


真瀬さん

ありがとう! でも、シルヴィアさんの“ふと現れては場面を締めて、去っていく”という責任の重大さが身に染みて……。私は少し遅れてお稽古に参加したから、もうすでにいろいろと出来上がっていたのですが、それを見せていただいて、「あ、あの中にいるんだ!」と実感できたのが嬉しかった。ついていけるように頑張ります!


真彩さん

私はマンガとアニメを見ていたのですが、あの殺陣をやってみたくて。出演のお話があったときに、2幕ではヨルさんがすごく戦うという話も聞いて、「それはぜひやりたいです!」と手を挙げました(笑) 実際にお稽古場に入ってみたら、とっても楽しくて。カンパニーの雰囲気もいいですし! そして、私は今回演出のG2さんとも初めましてなのですが、お稽古の進みがとても早くて驚いてます!


有沙瞳さん(以下、有沙さん)

分かる!! 台本のページ数がすごく進んでいる感じ!


真彩さん

そうだよね。でも、マンガにもアニメにも寄り過ぎず、自分らしさを取り入れていいんだよと言っていただくのがすごくありがたくて。あと、Wキャストの(唯月)ふうかちゃんとは前回の『ジキル&ハイド』からずっと一緒で仲良くしているので、それが本当にうれしくて……。彼女は初演からヨルさんをやっているので、それを見ることもすごく勉強になっています。本当にこのお役をお受けして良かったです。


──マンガもアニメもご覧になっていたということで、実際にお稽古に入ってから、“違い”みたいなものを感じたりされていますか?

真彩さん

セリフは本当に一緒なんです。ここまで一緒なものをどう調理するか、というのが楽しいし、面白いです。


真瀬さん

台本が原作に忠実な分、ただそれをやればいいんだったら、誰がやっても同じだと思うんだけど、その“人間らしさ”みたいなものを見ていると、ふたりのヨルが全然違っていて、それがとても面白い! 人間が“立体化する”意味がやっぱりあるよね。


真彩さん

はい! それがミュージカルの『SPY×FAMILY』の良さなのかなって思います。マンガもあってアニメもあって、初演の方々もいて、同じセリフでも“見本”があるんです。でも、やる人によって違うふうになるのが不思議でおもしろい現象になっています(笑) 違うけど、違わないし……。アーニャさんも全然違うんですよね!


有沙さん

全然違う。本当に可愛いよね。


真彩さん

アーニャさんたち、すごいよね。いや、天才っているんだなって思っているところ……(笑)


有沙さん

私は前回の作品も観させていただいて、子どもでも大人でも、どの年齢の方が観ても楽しめるすごい作品だなと思っていたんです。


真彩さん

ミュージカルを観たことない人、初めての人におすすめだよね。姪っ子なんかも、今回初めて観る!という人たちが多いんだけど、あらゆる年齢、性別の方々に楽しんでもらえる作品だと思います、本当に。ミュージカルが大好きで、ミュージカル作品に出ている人間がそう思うんだから(笑)、絶対損はさせません!


有沙さん

装置がめまぐるしく転換して、すごくいいセリフがあったりして、グッとくるシーンもあるし……。何と言うか、夢から覚めない感じなんです。宝塚とはまた違うのですが、ずっと世界観に没頭できるのも、この作品の魅力だなと思っていて。


真彩さん

アクビする暇が全然ない!


有沙さん

そう。観ていると、あっという間に終わっちゃう気がするよね。あと、やっぱりもうマンガやアニメのキャラクターがしっかりあるからこそ、「そこに寄せないと」という気持ちがすごくあるんだけど、でもそれも自分の勝手な捉え方のイメージだから……。お稽古していくにつれて、ミュージカルなんだからもっとデコボコしていていいのかなって思っています。それが自分らしいというか、この物語を動かすポイントの役目になればいいなと、感じています。


守るものがあるから、強くなれる──。

宝塚歌劇団 有沙瞳さん 真彩希帆さん 真瀬はるかさん

──今回は真彩さんが1幕、2幕共に出られていて、真瀬さんは1幕メイン、そして有沙さんは2幕メインで出演されると伺いましたが、それぞれが異なる“強さ”を持ったお役だと思うのですが、そのお役に対するイメージや“強さ”というのをどのように捉えていらっしゃいますか?

真瀬さん

シルヴィアさんは大きな視点で、“平和を守る役”です。でも、その背景には一番身近な家族を失っているという過去があるので、彼女の絶対に折れない強さはそこから生まれているのだろうと思っています。大いなる大義のために、というよりは自分のコアに“守れなかったもの”があるからこそ、なんでしょうね。実はとても“内向き”な話で、一本、内側に芯が通っているから、それが彼女の強さでもあり、美しさかなと。


真彩さん

ステキ!


真瀬さん

彼女は多くを語らないですが、役作りにおいて、その背景は大切にするべきかなと思っています。彼女も“生きて”いますから。


真彩さん

ヨルさんはユーリという弟を子どもの頃から養い、二人で生きていくということで殺し屋をはじめているので、やはり“家族を守る”というところから彼女の強さはスタートしていると思うのですが、今はユーリももう大人になっているわけです。自分で働いているから、じゃあ、自分はどうして殺し屋を続けているのだろうと自分に問いかけている場面が多くて。


──なるほど。そもそもの基盤みたいなところが揺らいでいるわけですね。

真彩さん

はい。「何のために」というのを彼女も探しているのですが、それがまだ分からない。また、《仮初めの家族》ですが、ヨルさんが戦い、負けないで生きて帰ってくるのは、ロイドさんの言葉やアーニャさんの姿が思い浮かぶようになっているのだろうと思います。家族がいると、やっぱり強くなりますよね。


──真彩さんは実際にママになられましたしね!

真彩さん

想像していた以上に、母親って強いんだなってことを実感しています。私自身も母がいて、宝塚時代も困ったときには駆けつけてくれたり、すごく忙しいのにこんなに愛情を持ってくれているんだと思っていました。自分が母になって、子どもはまだ赤ちゃんなので「助けて」なんて言わないですけど、でも何かあったら一番に駆けつけるだろうし、たとえば自分の命を差し出しても助かってほしいという状況になれば、迷いなく差し出すだろうと、そう思うんです。


有沙さん

本当にお母さんって強いよね。


真彩さん

うん。もう、自分のことは二の次になっていて、今までは週に2回ほどマッサージに行っていたのですが、今はもう月1回行けるかどうか。そういう意味ではてんやわんやのヨルさんの気持ちが分かるというか……。アーニャさんに対してのヨルさんは母親見習いみたいなものなので、母親になり過ぎないように、まだ模索しているところを出さないといけないので、つい“本物のお母さん”みたいになるのを気を付けないと!って思っています(笑)


──有沙さんのオルカは、まさに子どもを守るという役どころですよね。

有沙さん

私のまわりにも母親になる人が増えてきて、その変化を客観的に見ていると、母親って本当にすごいなと思うんです。自分優先ではなく、子どもが一番。さっきもお話に出ましたが、「子どものために動く自分」はまだなかなか実感は湧かないのですが、そういう女性になりたいという理想を持っていたので、役柄に自分を育ててもらっているなぁと感じているところです。


有沙さん

オルカさんはマフィアの生き残りで、血筋を守るのは自分しかいない、という思いがあり、それが強さになっていると思います。もしかしたら、それはある意味で“男らしい”のかもしれないですし、その中でポロっと出てしまう女性としての弱さが魅力になっている気もします。そういう意味では先ほどのシルヴィアさんとは逆で、“外に向かう強さ”なのかもしれないです。


“演劇人”はいわゆる“プレイヤー”強化合宿に参加しているみたい

宝塚歌劇団 有沙瞳さん 真彩希帆さん 真瀬はるかさん

──お稽古を進めていくうちに新たに発見することも多いかと思いますが、お稽古場の雰囲気はどんな感じですか? まずは1幕でご一緒される、真彩さんと真瀬さんに伺います!

真瀬さん

私はあとから参加したので、「どんな雰囲気なんだろう……」と思って入ったけれど、演出のG2さんをはじめ、集まったメンバーが全員温かいのと、チャーミングでユーモアがあったりして、それにすごく救われています! お役的にはしっかりしなくちゃいけないのだけど。


真彩さん

ピリッとした場面も多いですもんね。


真瀬さん

多いけれど、その緊張感をオフの時間でみんなが崩してくれるというか(笑) みんなが仲良くなれるのが本当にうれしい。あったかい感じ。


真彩さん

みなさんと楽しく笑っている可愛らしい姿をよくお見かけします!


真瀬さん

G2さんが誰よりも楽しんでくれていて、お稽古場のみんながお互いのパフォーマンスを喜びあっていて……。それがいいなって思ってる。私たち“演劇人”はいわゆる“プレイヤー”なので、プレイする、遊べるっていうことができる環境が、イコール、働きやすい職場ということなんだよね。


真彩さん

確かに! 演出も全然細かくないですよね。それはすごくありがたくて、とりあえず、「こんな感じでどうですか?」とやってみて、それが面白かったら、「それ、いいね」って。


有沙さん

そうそう(笑) 勝手にやってみていいよってね。


真彩さん

「え、いいんですか?」っていう状況が多いんですけど、アーニャさんに振り回されたりするヨルさんの面白いところも、いろいろ試したりできる。ふうかちゃんと私で好きにやってみて、それで出てきたものだったり、アクションも「こういうのどうかな」ってトライしてみたら、「そのままでいいね」って言ってもらったり。


真瀬さん

演劇人がプレイヤーで居られる現場って、本当に貴重だよね。制作さんを含め、みなさんがそういう環境を整えてくださっているからこそ、その中で遊べる私たちというのは、とにかくありがたい稽古場だと思う……。


真彩さん

ヨルさんって、少し天然なところがある感じがありますよね。私は関西人でも芸人でもありませんが、「よっしゃ! 笑わせたろ!」という気持ちが生まれるというか(笑) 内輪受けではなく、どれだけまわりをにっこりさせられるか、みたいなところにチャレンジできる現場なんです。しかもアーニャさんが可愛いので、みんなが緩むんですよね(笑) 昨日も、「セリフが変わりました」って言われたアーニャさんたち、みんなすぐにできるんですよ!


有沙さん

本当にすごいよね。


真彩さん

うんうん。そういうのを見て、さらに気合を入れさせてもらっています!


真瀬さん

全員がプロフェッショナルだよね。締まるところは締まっているし。


真彩さん

強化合宿に参加しているみたい。でもアイスも置いてある、そんな現場(笑)


有沙さん

自分がやりたいこと、自分から生まれたものを否定されることなく、トライできる環境はとてもありがたいですし、もうお二人が全部言ってくださったのですが、それぞれがプロフェッショナルだから、やるときの集中力がすごい。私たちも頑張らないと!と思って精一杯務めますし、そういう意味ではカンパニーのみなさんに感謝ですね!


先輩の真瀬さんがトークの手綱を取りながら、真彩さんと有沙さんが同期の仲良しさでじゃれ合いながら、三人がわちゃわちゃする様子がとにかく微笑ましいインタビューでした。シーンによっては会ったり会えなかったりするお三方ですが、温かさもありつつ、プロフェッショナルなキャストのみなさんが集まるお稽古場の様子をたっぷり話してくださいました! 中編ではタカラジェンヌならではの“あるあるトーク”が炸裂!? 3人の止まらないおしゃべりは必読です!

  • 中編は「タカラジェンヌあるあるトーク」9月5日(土)公開予定
  • 後編は「元タカラジェンヌの美の秘密」9月6日(日)公開予定

真彩希帆(Kiho Maaya)
1993年7月7日生まれ、埼玉県出身。2012年、宝塚歌劇団に98期生として入団。花組、星組を経て雪組へ異動し、2017年に望海風斗の相手役として雪組トップ娘役に就任。『ひかりふる路(みち)~革命家、マクシミリアン・ロベスピエール~』『ファントム』『20世紀号に乗って』『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』などでヒロインを務め、卓越した歌唱力と表現力で人気を博す。2021年に退団。以降はミュージカル『ドン・ジュアン』『笑う男 The Eternal Love-永遠の愛-』『ジキル&ハイド』『ファントム』『LUPIN ~カリオストロ伯爵夫人の秘密~』『モーツァルト!』『ラブ・ネバー・ダイ』などに出演。2026年1月には、自身初となるミュージカル・フルカバーアルバム『A New Life』をリリース。同年、ミュージカル『ジキル&ハイド』でルーシー・ハリス役を演じた。9月よりミュージカル『SPY×FAMILY 2 爆弾犬篇&豪華客船篇』にヨル・フォージャー役で出演。10月には『This is the Moment! ~フランク・ワイルドホーン JAPAN 25th anniversary concert~』への出演も予定されている。

有沙瞳(Hitomi Arisa)
1993年8月4日生まれ、三重県出身。2012年、宝塚歌劇団に98期生として入団し、2013年に雪組へ配属。『一夢庵風流記 前田慶次』で新人公演初ヒロインを務め、『るろうに剣心』では初のエトワールに抜擢。2016年に星組へ組替えとなり、『阿弖流為-ATERUI-』『龍の宮物語』など数々の作品でヒロインを務める。2023年、『1789-バスティーユの恋人たち-』のマリー・アントワネット役を最後に宝塚歌劇団を退団。退団後はミュージカル『CROSS ROAD~悪魔のヴァイオリニスト パガニーニ~』『七色いんこ』『ボニー&クライド』『レイディ・ベス』などに出演。2026年6月には『さよならは黄昏に』で歌手デビューを果たし、活動の幅を広げている。9月よりミュージカル『SPY×FAMILY 2 爆弾犬篇&豪華客船篇』にオルカ・グレッチャー役で出演。2027年2月には明治座『坂本冬美 歌手生活40周年記念公演-今日から明日へ-』への出演が控える。

真瀬はるか(Haruka Manase)
1987年1月11日生まれ、神奈川県出身。2006年、宝塚歌劇団に92期生として入団し、花組男役として活躍。『ファントム』『太王四神記』『麗しのサブリナ』『復活-恋が終わり、愛が残った-』などに出演し、2012年に退団。退団後はミュージカル『オーシャンズ11』『十二夜』『エリザベート』『グランドホテル』『キューティ・ブロンド』など舞台を中心に活躍する。2021年から2024年まで劇団四季に所属し、『キャッツ』のジェリーロラム=グリドルボーン役、『ウィキッド』のグリンダ役、『ゴースト&レディ』のフロー役などを務めた。近年はミュージカル『奇跡を呼ぶ男』『無伴奏ソナタ -The Musical-』などに出演。9月よりミュージカル『SPY×FAMILY 2 爆弾犬篇&豪華客船篇』でシルヴィア・シャーウッド役を演じる。2027年1月11日には、デビュー20周年を記念した『真瀬はるか 20th Anniversary Concert ~Storia~』をEX THEATER ROPPONGIで開催予定。

【作品情報】
ミュージカル『SPY×FAMILY 2 爆弾犬篇&豪華客船篇』

森崎ウィン/木内健人(Wキャスト)
唯月ふうか/真彩希帆(Wキャスト)
泉谷星奈/古座野 叶/真野麗花(トリプルキャスト)
磯野 亨
有沙 瞳
楢木和也〈梅棒〉
吉野圭吾
朝夏まなと/真瀬はるか(Wキャスト)

プレビュー公演:ウェスタ川越 ヤオコー大ホール
9月9日(水)~9月11日(金)

東京公演:東京建物 Brillia HALL
9月22日(火・祝)~10月29日(木)

福岡公演:博多座
11月7日(土)~11月22日(日)

兵庫公演:兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール
12月1日(火)~12月6日(日)

愛知公演:御園座
12月13日(日)~12月19日(土)

山形公演:やまぎん県民ホール
12月27日(日)~12月29日(火)

イヤーカフ¥28300、左中指リング¥25000、右薬指リング¥28500/l i l o(ロードス) バングル¥34100/four seven nine(ロードス)(真瀬さん)

撮影/楠本隆貴 スタイリスト/北村梓(Office Shimar・真瀬さん) ヘアメイク/前田紗良(真瀬さん) 取材・文/前田美保

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