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現地取材エディターがトーク!「ミラノデザインウィーク2026」座談会

  • 2026.9.8
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ミラノデザインウィークを取材した、編集長MAKIとエディターKAORIがリアルな感想をトーク。ミラノらしい建築の意匠を生かした展示会場のおもしろさや、個人的に気になったデザインやプロダクトをざっくばらんに語る。『エル・デコ』2026年8月号より。

参加エディター
MAKI:今年春、編集長に就任して初のMDWへ。ファッションウィークとは異なる世界に大興奮。
KAORI:入社4年目で念願のMDW出張が実現。若手目線で最新のトレンドをキャッチ。

TOMOYUKI TSURUTA

会場も見どころ!建築とデザインの美しい共演

まず話題に上ったのが、展示会場となった建築の面白さ。特に会場の力が際立っていた展示は?

MAKI:「プロダクトそのものと同じくらい、それらを披露する会場の力が際立っていたよね。特にインテリアブランドから建築事務所、新進デザイナーまで幅広いジャンルでにぎわう展示プラットフォーム、アルコーヴァ(ALCOVA)が印象的だった。会場の一つだったフランコ・アルビニが1939年に設計した普段非公開の邸宅は、光の入り方やディテールが美しく、感動」

<写真>フランコ・アルビニが1939年に設計した邸宅。

LUIGI FIANO, ARDESIA COCO

<写真>会場となった邸宅の外観。展示を見るために行列ができていた。

LUIGI FIANO, ARDESIA COCO

KAORI:「アルコーヴァのもう一つの会場は『バッジョ軍病院』という元軍事医療施設でしたね。軍事施設だったとは思えないほど建物は装飾的。鮮やかなステンドグラスや、壁や床のモチーフなど、建築のディテールにも目がいきました」

LUIGI FIANO, ARDESIA COCO

KAORI:「さらに敷地は緑豊かで、本格的なカフェも出現していて、来場者が思い思いの過ごし方でイベントを楽しむ様子も印象に残りました」

TOMOYUKI TSURUTA

MAKI:「『パラッツォ・ドゥリーニ』という歴史的建築で開催した『エドラ』も空間を含めて素晴らしい体験だった。アイコニックな家具が歴史的な壁面と溶け合って、夢の世界にトリップしたような感覚になったのを覚えている」

TOMOYUKI TSURUTA

KAORI:「リアルなミラノのアパートを会場に選ぶデザイナーやブランドもありましたね。イタリアを拠点にするデザインデュオ、スタジオペペは彼女たちが手掛けたプロダクトを一つの居住空間の中にスタイリングしていました。住宅スケールで家具やオブジェを見られるので、実際の生活に近い距離感でプロダクトを感じられました。このアパートメントは、ミラノデザインウィークが終わった後も、一般向けに公開するそうです」

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MAKI:「『カール・ハンセン&サン』も個人的にぺぺと並んでベストな空間! 一般のアパートの一室を一時的に展示会場へと変え、『もしハンス・J・ウェグナーがミラノに長期滞在していたら』というストーリーを表現。背景にある暮らしや文化まで想像させる見せ方が秀逸だし、何より実際に住みたくなった(笑)」

KAORI:「本当に!新作プロダクトをただ見るのではなく、建築や空間を通して体験することで、ブランドやデザイナーの世界観や哲学をより深く理解できました」

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記憶に残るデザイン&狙いたいプロダクト

日本をはじめとするアジアのブランドの躍進や、気鋭アーティストの家具など、記憶に残ったトピックをベストバイと共に語る。

MAKI:「先ほどでも触れたアルコーヴァは、欲しくなるようなプロダクトの宝庫でもあったよね。例えば、スペインのWorn Studioによる木や石、フェザーといった自然素材を使ったテーブルウェア。アートとツールのはざまにあるような独自のセンスが素晴らしかった」

YAOCHEN WU

KAORI:「キッチンといえば、アジアのデザイナーが集結した『CHOPSTICKS 箸』展も興味深かったです。会場に中華系の美容サロンを使うという、意外性のある空間演出も秀逸。 独自の視点が光る作品の中でも、日本の倉本仁や we+、韓国のクオデュオの箸は、おのおののデザイン哲学が凝縮されていて目を引きました」

<写真>倉本仁がデザインした箸。パスタがそのまま伸びたようなデザインに釘付け。

LI GUANQIAO

<写真>we+がデザインした箸。割りばしを感じさせるアイデアがユニーク。

LI GUANQIAO

<写真>韓国人デザイナーデュオのクオデュオがデザインした、韓国式のスプーンと箸。

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MAKI:「アジア勢の動きも注目ポイントだったね。日本からは『HOSOO』がカールステン・ニコライとのコラボで“音”という領域に踏み込んでいたのが印象的だったし、同じ京都の西陣織の老舗・龍村美術織物が『CASA TATSUMURA』という新ブランドを立ち上げて初参加していたことも、伝統工芸の新しい可能性を感じさせた」

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<写真>龍村美術織物が新しく立ち上げたブランド、「CASA TATSUMURA」の展示。

ELINE WILLAERT

KAORI:「オランダ出身のデザイナー、リンデ・フレイヤ・タンゲルダーの個展も記憶に残っています。彼女は2022年に『カッシーナ』が始めた若手支援プロジェクト「パトロネージュ」に初選出。ガラスのテーブル“フルイド・ジョイナリー”を発展させた新作照明を発表していました」

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MAKI:「『モーイ』は25周年を迎え、さまざまなアイテムを展示していたんだけど、中でもマルセル・ワンダースの“モンスターアームチェア”は愛嬌たっぷりでそのまま連れて帰りたくなった。ちなみにチェアの後ろには25年前の若かりしワンダースの巨大なビジュアルが!」

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MAKI:「ベストバイアイテムと言えば、ファッション系では『ヴェルサーチェ』。既存のイメージからガラリと印象が変わり、ミニマルで洗練されたホームコレクションだった」

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KAORI:「私のベストバイはずっと気になっていたナイジェリア系アメリカ人のアーティスト、ドジー・カヌーの家具です。『ノル』から出たフリンジ付きのコンソールはアートピースのような存在感。ベテラン勢だけでなく若手を発見できるのもデザインウィークの魅力ですね!」

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『エル・デコ』2026年8月号



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