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肌が触れると甘々な本音がダダ漏れ!? 最強将軍のデレデレっぷりに笑ってときめくファンタジー『寡黙な将軍閣下様は魔力ゼロの嫁が好きすぎる』【書評】

  • 2026.9.4
寡黙な将軍閣下様は魔力ゼロの嫁が好きすぎる~なぜか旦那様の心の声が聞こえます!? 猶本三羽:ネーム原作、海野電球:作画/白泉社
寡黙な将軍閣下様は魔力ゼロの嫁が好きすぎる~なぜか旦那様の心の声が聞こえます!? 猶本三羽:ネーム原作、海野電球:作画/白泉社

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『寡黙な将軍閣下様は魔力ゼロの嫁が好きすぎる~なぜか旦那様の心の声が聞こえます!?』(猶本三羽:ネーム原作、海野電球:作画/白泉社)の紙版の単行本第1巻と第2巻が発売された。

物語の舞台は、国民が皆魔力を持ち、その魔力の強さで階級や結婚相手まで決まる国“金蘭国”。そんな国で、主人公の美春(メイシュン)は魔力を持っておらず、周囲から虐げられる日々を送っていた。

そんなある日、突然美春のもとに王宮から使いが来る。美春が将軍閣下の劉泰然(リュウタイラン)の婚約者に決まったというのだ。劉といえば、陛下の右腕で桁違いの魔力を持ち、家柄も完璧な美青年。誰もが羨むような男である。そんな彼になぜ魔力ゼロの美春が見初められたのか。彼女を劉に勧めた陛下曰く、魔力が強すぎて結婚相手が決まらなかった劉にとって、魔力が全くない美春はむしろ相性が良いということだった。

そんなわけで突如始まった結婚生活だったが、ここで美春にとって信じられないことが起こる。なんと、劉の心の声が彼女に直接聞こえてくるのだ。

どうやら「肌と肌が触れている時だけ心の声が聞こえる」ようだ。これは魔力なのだろうか。もしそうだった場合、魔力がなかったからこそ結婚ができた美春にとっては離婚の危機である。

しかし、慌てて王宮で魔力を測りなおしてもらうものの、相変わらず魔力はゼロ。戸惑う美春だったが、たまたま王宮を訪れていた他国の女性宰相と手が触れたとき、彼女が劉の命を狙っていることを知ってしまう。美春は気が付けば劉のもとに助けに向かっていた。

美春のおかげで劉は一命をとりとめることができた。魔力がゼロと言いながら結婚したのに、不可思議な能力を持っていた美春。彼女はその力があれば、今回のように劉を助けられるかもしれないと気づき、その力を隠したまま結婚生活を続けることを決意するのだった。

誰からも冷徹で怖がられている劉だが、心の声はそんな彼からは想像ができないほどに甘々で、毎回笑ってしまう。周りからは“鬼将軍”と呼ばれる彼は、美春と一緒にいるときは、とにかくデレデレ。推しを目の前にしたオタクという感じだ。そして、そんな大好きな美春とともに結婚生活を送っていく中で、次第に劉の表情が柔らかくなっていくのも愛おしいポイントである。

また、16歳になった美春がその国に住んでいる人なら誰もが知っている8年前の乱を知らないなど、まだ明かされていない謎がこの作品の面白さを奥深いものにしている。おそらく心の声が聞こえる力も、彼女の記憶喪失と関係するのだろう。そして劉は彼女のその欠けた記憶に思い当たる様子があり、そこも気になるところだ。

果たして美春は昔の記憶を失ってしまっているのだろうか。魔力がない彼女が不可思議な力を使うことができているのは何故なのか。まだまだ分からないことは多い。

当初は結婚を祝福していた陛下も、美春に秘密があると知ってからは秘密裏に暗殺部隊を召集し彼女を監視させるなど、なんだか不穏な雰囲気になっていく。もしその真相が明らかになっても、どうか美春と劉の幸せな結婚生活は続いてくれますように。ラブラブで幸せそうな2人の笑顔を見ながらそう願ってしまうのだった。

文=園田もなか

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