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志賀高原から広がる夏ツーリング

  • 2026.9.4

八ッ場の豊かな水辺と緑あふれる渓谷美を眺めてスタートし、名湯・草津温泉でちょっと一息そこからぐんぐんと高度を上げれば、下界の蒸し暑さを忘れる心地よい風が吹き抜ける標高2,000mを超える雲上ロードを駆け抜け、大パノラマの志賀高原で癒しの一夜を愛車とともに最高の涼しさと絶景を味わう、夏の爽快ツーリングに出かけよう

涼と絶景を求めて八ッ場から高原宿へ

厳しい暑さが続く、夏のシーズン。アスファルトの照り返しを受けるライダーにとって、真夏の都市部ツーリングはひと苦労だ。そんな季節にこそおすすめしたいのが、標高の高い「絶景の高原宿」を目的地に据えた旅スタイルである。高度が増すごとに広がる爽やかな冷気と壮大なパノラマ、そして走り切った先で待つ極上の湯と食。ゴールに魅力的な絶景宿を設定すれば、道中そのものが期待と爽快感に満ちた最高のライディングルートへと変化する。

今回、涼しさと癒やしを求めて旅に出たのはライダーの森公平さん。熱を帯びた関東の街並みを抜け、関越自動車道から群馬の爽快なワインディングへとバイクを進めていく。標高が上がるにつれて、ヘルメット越しに感じる風が少しずつ涼しさを帯びていく。そんな道中で最初の目的地として立ち寄ったのが、人気の休憩スポット「道の駅八ッ場ふるさと館」、そして隣接する「八ッ場ダム」だ。

近代的に美しく整備された施設に到着し、ダムを訪れた森さんは、そのスケール感とユニークな構造に驚きの様子。「周辺の道の駅や道路も綺麗だし、景色はまさに絶景ですね」と話す。八ッ場ダムでは、エレベーターで直下へ降り立ち、巨大な壁体を見上げる迫力満点の体験に目を輝かせた。「景色を眺めるだけじゃなくて、スポットとして面白いですよね。エレベーターで下がって間近で見られるダムは、なかなかない。下からダムを見上げるっていう経験はあまりなかったですが、すごい迫力ですね」と語る。

湖面を渡る爽やかな風を浴びてリフレッシュし、絶好のスタートを切った今回のツーリング。しかしここはまだ旅のプロローグ。火照った身体をクールダウンさせた森さんは、さらなる高みにある今夜の目的地、志賀高原にある絶景宿を目指し、再びバイクに跨った。

道の駅 八ッ場ふるさと館

絶景のダム湖畔で、足湯と名物グルメ

八ッ場あがつま湖のほとりに佇む、絶景とグルメが揃う人気の道の駅。湖を一望できる無料の足湯は、長距離走った後の足を休めるのに絶好のスポットだ。ここで味わいたいのが、趣向を凝らしたご当地グルメ。名物の「八ッ場ダムカレー」や、地元キャベツが詰まった「八ッ場ダム焼き」など、見た目も楽しいメニューが並ぶ。直売所には地元の新鮮な野菜や土産も豊富。志賀草津からの山降りに、ほっと一息つくのに最適な立ち寄り拠点だ

夏は甘いトウモロコシや新鮮な高原キャベツなど、旬の野菜がズラリと並ぶ直売所へ。シャキシャキの地元産キャベツが詰まった名物「八ッ場ダム焼き」は見た目以上のボリューム

住所:群馬県吾妻郡長野原町大字林 1567-4
TEL0279-83-8088
営業時間:8:30 ~ 18:00(冬期は8:30 ~ 17:00 ※各店舗により異なる)
定休日:無休(冬季 12月~ 3月の隔週水曜日・元旦に一部休業あり)

八ッ場ダム

豊かな自然に包まれた巨大な建造物

2020年に完成した重力式コンクリートダム。吾妻川の豊かな自然に包まれた巨大な建造物は迫力満点で、山道を走り抜けてきたライダーの目を引く。高さ約116mを誇るダムの天端(頂上部)は歩いて散策でき、眼下に広がる「八ッ場あがつま湖」と周囲の山並みが織りなす絶景を見渡せる。エレベーターで直下に下りて見上げる壁体も圧倒的なスケール感だ。周辺には展望台や遊歩道も整備されており、走りの途中にじっくりと巨大インフラの造形美を楽しめる絶好の立ち寄りスポットだ

見下ろすダム湖と山並みの対比が見事な景色。タイミングが合えば、豪快に水煙を上げる放流の轟音と圧倒的なスケールを体感できる。湖面を渡る風とともに大パノラマを一望できる絶景スポット

群馬県吾妻郡長野原町大字川原畑 1121-31
TEL0279-83-2560(八ッ場ダム管理支所)
営業時間:9:00 ~ 17:00(天端通行・見学施設)
定休日:年末年始(12月29日~ 1月3日)

湯の街から雲上へ夏風と駆け抜ける絶景道

八ッ場ダムを後にし、バイクは緑深まる国道を軽快に辿って草津温泉へと向かう。湯の香りがかすかに漂う温泉街を抜け、西の河原公園の散策でほっと身体を解す。それにしても、草津の街並みにはたくさんの観光客。人ごみを避けるように西の河原公園へと戻り、いよいよ本格的な山岳ロードへと足を踏み入れる。下界の喧騒を離れ、湖畔から山へ、そして雲上へと移っていく。

草津の街を背にエンジン音を響かせ、アクセルを徐々に開けていく。志賀草津高原ルートへと差し掛かると道路は一気に勾配を増し、連続するつづら折りのコーナーが心地よいリズムを生み出していく。標高が上がるにつれて下界の夏の熱気が急速に遠のき、ウエア越しに届く風が急激にひんやりとした冷気を帯びていくのが肌で感じ取れる。

樹木が背を低くし、視界を遮るものがなくなると、突如として目の前がダイナミックなスケールに。荒々しい山肌を縫うようにどこまでも延びる一本道。コーナーをひとつ曲がるたびに景色のグラデーションががらりと変わり、まるで青空の中へと直接突き進んでいくかのような、雲上ルートならではの快感だ。

最高地点付近の稜線を越え、気まぐれな山の空気が織りなす風景を噛み締めながら、バイクはゆっくりと長野県側へと坂を下りはじめる。群馬県側のダイナミックで無骨な火山地形とはうって変わり、志賀高原エリアに入ると周囲は一転して深い森と静けさに包まれていく。山をひとつ隔てるだけで景観ががらりと変わるのも、このルートの大きな面白さだ。

カーブを滑らかに下りきった先に広がる田ノ原湿原周辺は、走りの余韻を優しく包み込んでくれるような、清々しい空間。バイクを停めて高原の澄んだ空気を胸いっぱいに吸い込む。

湖畔のダムから歴史ある温泉街、荒々しい雲上の峠道、そして穏やかな湿原へ。目まぐるしく表情を変える夏の上信越を駆け抜けてきた一日の走りも、そろそろ締めくくり。今夜の目的地である高原の宿は、もう目の前だ。

西の河原公園

湯の川が流れる緑の谷で、至福の湯散歩

八ッ場から志賀草津高原ルートへ向かう道中、必ず立ち寄りたいのが名湯・草津温泉だ。なかでも「西の河原公園」は、園内の至る所から熱い温泉が湧き出し、湯の川となって流れる独特な景観が魅力のスポット。ゴツゴツとした岩と緑に囲まれた散策路の奥には、圧倒的な広さを誇る「西の河原露天風呂」が待っている。湯畑周辺の活気ある街並み散策とあわせ、走りの疲れを極上の湯でほぐす贅沢な時間を楽しみたい

湯の川が流れる西の河原公園やモクモクと湧く湯畑など見どころ多数。混雑を避け、静かな情景をゆっくり楽しむなら人出が少ない早めの時間帯が狙い目だ

群馬県吾妻郡草津町大字草津
TEL0279-88-0800(草津温泉観光協会)
営業時間:入園自由(24 時間)
定休日:なし(年中無休)

田ノ原湿原

涼風そよぐ木道を歩く、緑豊かな雲上の湿地

志賀草津高原ルートの途中に広がる、手軽に立ち寄れる美しい湿原。整備された木道が敷かれており、夏にはワタスゲやニッコウキスゲといった高山植物が美しい花を咲かせる。白樺の木々と緑豊かな湿原のコントラストが美しく、バイクを降りて深呼吸したくなる清々しさだ。静かな木道をゆったりと歩けば、高原の涼やかな風と自然の息吹を全身で感じられる

長野県下高井郡山ノ内町大字平穏 志賀高原内
TEL0269-34-2404(志賀高原観光協会)
※冬季は積雪および道路閉鎖に伴いアクセス制限あり

横手山ドライブイン

国道292号沿い、標高2100mに位置する絶景ドライブイン。展望デッキからは北アルプスや北信の山々を一望でき、条件が合えば見事な雲海も広がる。温かい名物グルメや土産も揃い、雲上ツーリングの休憩に最適な立ち寄り場所

長野県下高井郡山ノ内町大字平穏 7149
TEL0269-34-2338
営業時間:
売店 8:40 ~ 16:00
レストラン 9:00 ~ 15:30(L.O.15:00)
※季節により変動あり
定休日:冬季休業(例年 11月中旬~ 4月下旬頃の国道閉鎖期間)
※開通期間中は不定休

日本国道最高地点碑

標高2172m、日本の国道で最も高い場所に立つ記念碑。晴れれば眼下に芳ヶ平湿原を望む大パノラマが広がるが、訪れたこの日はあいにく深い霧に包まれていた。それでも爽快なワインディングを駆け上がった達成感は格別だ。愛車とともに記念写真を収めるライダーが絶えない聖地

群馬県吾妻郡中之条町大字入山(渋峠付近)
※例年 11月中旬~ 4月下旬頃は全面通行止め

志賀草津高原ルート(国道292号)

天空へ続く雲上ラインは、ライダーの憧れ

草津温泉から志賀高原へと抜け、群馬と長野を繋ぐ国道292号「志賀草津高原ルート」。標高2000mを超える高山地帯を貫く、日本屈指の絶景山岳道路だ。荒々しく荒涼とした火山岩の山肌から、緑豊かな高原へと刻々と景観が移り変わるワインディングは走りごたえ抜群。適度なコーナーと見通しの良いダイナミックな道が織りなす雲上の走りは爽快そのもので、標高を上げるごとに広がる大パノラマに胸が高鳴る。全国のライダーが憧れ、何度でも走りたくなる極上の快走路だ

群馬県吾妻郡草津町~長野県下高井郡山ノ内町
※例年 11月中旬~4月下旬頃は全面通行止め

草津側の荒々しい岩肌から緑豊かな山並みへとダイナミックに表情を変える。標高2000mを超えると、そこはまさに別世界だ。遙か遠く北アルプスまで見渡せる絶景と涼やかな風を全身で味わいながら、贅沢な走りをじっくり楽しみたい

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