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2週間で録った25歳のアルバム。ビヨンセが20年後の誕生日にリマスター

  • 2026.9.4

ビヨンセが9月4日、2006年の2ndアルバム『B’DAY』の20周年記念リマスター盤をリリースした。オリジナルも同じ日に発表された作品で、リマスターは本人が手がけている。デジタル版は31曲入りだ。(フロントロウ編集部)

誕生日に出したアルバムを、また誕生日に

9月4日はビヨンセの誕生日だ。2006年のこの日、25歳だった彼女は2ndアルバム『B’DAY』を発表した。それから20年後の同じ日に届けられたのが、『B’DAY(20th Anniversary Edition)』。CD、アナログ盤、デジタルの3形態で発売され、デジタル版には31曲入りのデラックス版が用意されている。

日本では9月8日に都内で20周年盤を高音質環境で聴けるイベントが予定されており、招待40組限定のパーティーとしてすでに応募受付を終えている。

「TR-808が鳴っていることが絶対条件でした」

『B’DAY』は、約2週間という短さで録音されたアルバムだった。ビヨンセ自身が制作を主導し、シンガーであると同時にソングライターでありプロデューサーでもあるという立ち位置を、キャリアの早い段階で世界に示した作品でもある。

当時のねらいについて、ビヨンセはこう振り返っている。「壮大で、パーカッシブで、力強く、アップテンポで、エネルギーに満ちたアルバムにしたいと考えていました。生演奏を取り入れることも、私にとって重要でした」。そのうえで、ヒップホップが主流になりつつあった時代に、R&Bのブリッジやメロディ、ハーモニーを手放したくなかったとも語る。「シンプルなドラムループや、『Irreplaceable』のようなクラシックなギターに、美しいボーカル・アレンジを重ねるミニマリズムが好きでした。ただし、その下ではTR-808のサウンドがしっかりと鳴り響いていることが絶対条件でした」。

20周年にあたって、そのサウンドのリマスター作業に取り組んだのはビヨンセ本人だった。35mmフィルムで撮影された当時のミュージック・ビデオも、リマスターとカラー調整を経た4K映像として仕上げ直されている。JAY-Zが参加し、ソフィー・ミュラーが監督した「Déjà Vu」の4K版も公開予定だ。

31曲のなかにいた、1995年に亡くなった歌手

膨らんだ収録曲には、スペイン語楽曲が何曲も並ぶ。「Cuerpo Tumbao (Get Me Bodied)」ではコロンビア出身のマルーマと初めて組み、アフロ・キューバンを代表する歌手セリア・クルスの「La Negra Tiene Tumbao」をサンプリングした。人種差別や狭い美の基準に屈せず、自身のルーツと黒人としての誇りを歌い続けた先人へのオマージュだ。

なかでも異例なのが「Irreemplazable (Como La Flor)」だ。相手は、「テハーノ音楽の女王」と呼ばれ1995年に亡くなったメキシコ系アメリカ人歌手のセレーナ(セレーナ・キンタニージャ)。遺産管理団体が楽曲の使用を認めるのは極めてまれだという。テキサス出身のふたりの声が時を超えて重なった。ビヨンセは故郷ヒューストンのラジオでセレーナを聴いて育ち、2007年のスペイン語EP『Irreemplazable』でも影響を受けたと語っている。

トラックリストには、独立記念日に2年ぶりの新曲としてサプライズ公開された「MORNING DEW (DONK)」も収まった。ジャケットまわりには、ハリケーン・カトリーナからの復興が進むニューオーリンズで撮られた未公開写真が使われている。当時のこの街の粘り強さに心を動かされ、自分のやり方で再生に加わりたいと考えていたという。20年前のアルバムは、20年分の文脈を抱えて戻ってきた。

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