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映画『オデュッセイア』主要キャラクター丸ごとガイド【予習&復習用】

  • 2026.9.3
photo by Melinda Sue Gordon © Universal Studios. All Rights Reserved.

※この記事は映画『オデュッセイア』の軽度のネタバレを含みます

詩人ホメロスによる西洋古典の金字塔『オデュッセイア』が、クリストファー・ノーラン監督の手により実写映画化され、ついに9月11日より日本公開となる(9月4日~10日は一部の劇場でIMAX®先行上映を実施)。

本作のあらすじはこうだ。ひとりの王とその臣下たちが、海の向こうで繰り広げられる戦争に赴くため祖国を離れる。10年続いた戦争が終わり、あとは故郷へ船を進めるだけのはずだったが、さまざまな試練が一行の前に立ちはだかり、現在のトルコにあったとされるトロイアから、ギリシャ本土西岸沖のイオニア海に浮かぶイタケまで、辿り着くのにさらに10年もかかってしまう……。

約2800年前から語り継がれ、私たちをいまだに魅了し続けるこの物語。とりわけ文学界やエンタメ業界は、何度もこの傑作に立ち返っては換骨奪胎し、新たな作品を生み出してきた。メガホンをとったノーラン監督は、スリラーやSF、アメコミ映画を行き来し、最近では近代史を題材とする伝記も手がけながらキャリアを築いてきた鬼才だ。しかし、古代ギリシャの神話世界に踏み込むのは、今回が初めてとなる。

伝説的なキャラクターを、ハリウッドをリードする名優たちがどう演じるのか――ここでは、本作の主要な登場人物たちを紹介&解説する。ぜひ鑑賞前後にチェックしてみて。

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オデュッセウス(マット・デイモン)

本作のすべての中心となる主人公、マット・デイモン演じるオデュッセウスは、イタケの王でありトロイア戦争の英雄。この戦争を描いたホメロスの叙事詩『イリアス(イーリアス)』では、ギリシャ軍の最も優秀な指揮官のひとりで、腕力よりも、知恵や巧みな話術を武器にあらゆる窮地を切り抜ける能力の持主として描かれている。

あの「トロイの木馬」を考案したのも彼で、だからこそ、生き残ったトロイアの人々の目には、彼の帰郷の旅はトロイア陥落の“報い”のように映っているのかもしれない。

劇中では、妻ペネロペと息子テレマコスが待つ故郷への長い旅の途中で、神々や怪物、魔女、そして自分自身と向き合いながら、その資質が試されることに。

マットは、ノーラン監督作品への出演はこれで3作目となる。

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ペネロペ(アン・ハサウェイ)

夫オデュッセウスが放浪している間も、聡明で静かな強さを秘めた妻のペネロペは、彼への忠誠心を抱き、20年もイタケの王国と王座を守り続けている。

オデュッセウスが死んだものと決めつけ、王国を我が物にしようと企む求婚者たちに囲まれているが、彼女はある策略――義父が亡くなったときに使う埋葬用の布を完成させたら再婚すると宣言しながら、昼間は布を織り、夜にはこっそりそれをほどき、誰にも気付かれずに毎日一からやり直す――で時間稼ぎをしている。

扮するアン・ハサウェイは、過去にも複数のノーラン作品に出演しており、『ダークナイト ライジング』(2012)ではキャットウーマンことセリーナ・カイルを、『インターステラー』(2014)ではアメリア・ブランド博士を演じきった。

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テレマコス(トム・ホランド)

トム・ホランドが演じるのは、オデュッセウスとペネロペの唯一の息子。父親がトロイアへと出航したときはまだ幼い赤ん坊だったが、現在は混乱に陥った祖国と家庭に向き合う青年に成長している。

なお、24巻から成る原作『オデュッセイア』の最初の4巻は通称“テレマケイア”とも呼ばれており、父の消息を求めて旅に出る彼の成長の軌跡が描かれている。たびたび姿を変えて現れる女神アテナに導かれながら、彼は“偉大な父の息子であること”の意味を学んでいく。

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アテナ(ゼンデイヤ)

知恵と戦いを司る女神であり、オデュッセウスにとって最も強力な味方の神のひとりであるアテナは、私生活ではトム・ホランドの妻であるゼンデイヤが演じた。

アテナは『イリアス』と『オデュッセイア』の両方に登場するが、後者においてよりパーソナルな役割を担っている。全能の神ゼウスの前でオデュッセウスを弁護し、テレマコスの旅を導き、古くからの家族の友人メンテースや若い羊飼いなど、さまざまな姿で人間たちの前に現れる。

Samir Hussein / Getty Images

アンティノオス(ロバート・パティンソン)

オデュッセウスの宮殿に居座るペネロペの求婚者たちのなかで、最も攻撃的で邪悪な存在。ロバート・パティンソンが、傲慢かつ暴力的で、自分より下の存在だとみなした相手を、誰であろうと軽蔑する人物像を巧みに体現している。

ロバートはノーラン監督が手がけた『TENET テネット』(2020)にも出演し、存在感を放っていた。

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エウマイオス(ジョン・レグイザモ)

ジョン・レグイザモが演じるのは、オデュッセウスの忠実な家臣であり、盲目の豚飼いエウマイオス。

自由民として生まれるも、子どもの頃に誘拐されて奴隷として売られたという過去を持ち、20年間不在の主人への献身を貫いている。その忠誠心は揺るぎなく、ペネロペやテレマコスにも誠実に尽くす。

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ヘレネ/クリュタイムネストラ(ルピタ・ニョンゴ)

古代文学における最も有名な女性のひとりヘレネと、さらにその双子の姉でミケーネ(ミュケナイ)の王妃でもあるクリュタイムネストラを一人二役で演じるのは、オスカー俳優ルピタ・ニョンゴだ。

トロイア戦争の終結時、ヘレネは夫メネラオス王とともにスパルタへ戻ることを余儀なくされる。父を探して訪ねてきたテレマコスを出迎え、オデュッセウスの思い出を語り合いながら、密かにワインに悲しみを和らげる薬を忍ばせたりもする。

なお『イリアス』においては、彼女はトロイア戦争の引き金にして捕虜であり、「彼女のために1000隻の軍艦が動く」と謳われるほど並外れた美貌の持ち主として描かれている(ただし、この有名なフレーズはホメロスによるものではなく、1604年にイギリスの劇作家クリストファー・マーロウが悲劇『フォースタス博士』のために書いたもの)。

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カリュプソ(シャーリーズ・セロン)

シャーリーズ・セロンが演じる、巨人族の神アトラスの娘であり精霊でもあるカリュプソは、ホメロスが「海のへそ」と表現した神話の島・オギュギア島にオデュッセウスを7年間も軟禁している。

原作での彼女は、永遠に共に留まるなら不死を与えようとオデュッセウスに持ちかける。彼女のオデュッセウスへの愛は本物だが、彼を縛り付ける力もまた本物だ。ゼウスの命令を受けた神の使者ヘルメスが到着して初めて、彼女は渋々彼を解放する。

ちなみに地理学者たちは、ホメロスがどこをオギュギア島のモデルにしたのか推測を重ねており、マルタ近海ではないかという説や、スペイン沖とする説、さらにはコルフ島ではないかとする説などがあるそう。

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シノン(エリオット・ペイジ)

エリオット・ペイジ扮するギリシャ兵シノンは、ホメロスの原作には出てこないキャラクターだが、同じ神話群をルーツとするウェルギリウスの叙事詩『アエネーイス』など、後世のトロイア戦争の物語に登場する。木馬が神聖な供え物であるとトロイア人に信じ込ませるべく、ギリシャ軍が残していった人物だ。

稀代の嘘つきであり、意図的な生贄でもあった彼の芝居は、あらゆる古代文学において最も重大な結果をもたらした欺瞞行為といえるかもしれない。

エリオットは過去に、ノーラン監督の『インセプション』(2010)に出演済み。

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メラント(ミア・ゴス)

ペネロペの侍女(実質的には奴隷であるが)のひとり、メラントを演じるのはミア・ゴス。

ペネロペに育てられ、かつては親しい間柄だった。しかしその後、メラントはペネロペを軽蔑するようになり、求婚者たちの側についてしまう。

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キュクロプス(ビル・アーウィン)

オデュッセウスたちの前に現れる不気味な一つ目の巨人で、海の神ポセイドンの息子でもあるキュクロプス(名前はポリュフェモスとみられる)は、撮影に巨大なパペットも取り入れながら、ベテラン俳優ビル・アーウィンが怪演している。

ビルは、ノーラン監督のSF『インターステラー』に登場したロボット、TARSの声も担当している。

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キルケ(サマンサ・モートン)

サマンサ・モートンが演じるキルケは、ティレニア海のポンツァ島によく例えられるアイアイエ島に住む魔女。彼女は、島に辿り着いたオデュッセウスの臣下たちを豚に変えてしまう(ある男が彼女に酷い振舞いをして以来、彼女は予告なしに島を訪れる男たちを全員豚に変えていた)。

原作では、ヘルメスが与えた薬草により守られたオデュッセウスは、彼女の魔法に抗い、臣下たちを元の姿に戻させる。その後、彼は彼女のもとで1年間過ごすこととなる。

彼女は本作で最も記憶に残るキャラクターのひとりであり、間違いなく危険な存在でありながら、同時に大きな助けにもなってくれる。イタケへの帰路を知る「盲目の預言者(テイレシアス)」を見つけるため、冥界への行き方をオデュッセウスに教えるのも彼女だ。

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アガメムノン(ベニー・サフディ)

ベニー・サフディは、ミケーネの王で、トロイア戦争におけるギリシャ軍の総司令官であるアガメムノン役で登場。

『イリアス』では圧倒的な存在感を放つが、『オデュッセイア』では戒めを与える亡霊として登場。戦争後に帰郷し、妻クリュタイムネストラとその愛人アイギストスによって謀殺された彼の運命は、オデュッセウス自身の旅路のダークな鏡像として物語に影を落としている。彼の亡霊は冥界に現れ、女性たちの裏切りについてオデュッセウスに警告を与えるが、ホメロスはその苦々しさをある種のアイロニーを交えて描いている。

ベニーは、2024年にアカデミー賞作品賞を受賞したノーラン監督のもうひとつの歴史巨編『オッペンハイマー』にも出演している。

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エウリュロコス(ヒメーシュ・パテル)

オデュッセウス一行の副指揮官であると同時に、彼にとって最も悩ましいトラブルメーカーのひとりでもあるエウリュロコス。演じるのは、ノーラン作品は2度目となるヒメーシュ・パテル。

エウリュロコスは本作における決定的な瞬間に何度か登場するが、必ずしも活躍するわけではない。原作での彼は、キルケの住まいに入ることを拒み、仲間たちが豚に変えられた際にも難を逃れる。その後、オデュッセウスの命令に背き、太陽神ヘリオスの神聖な牛を屠殺するよう仲間たちを扇動し、この行動が最終的に船の乗組員全員を破滅に導くこととなる。根っからの悪人というわけではないが、判断を誤ってしまう人物として描かれている。

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メネラオス(ジョン・バーンサル)

ジョン・バーンサルが、スパルタの王でありヘレネの夫メネラオスを演じている。そもそもトロイア戦争の原因は、彼の妻がトロイアの王子パリスに奪われたことだった。

彼は『イリアス』において、有能ではあるが際立った戦士ではなく、アキレウスなどの偉大な英雄たちの影に隠れがちな存在として表現されている。原作では、スパルタへの帰還を果たし、妻ヘレネと再会。どこかメランコリックでありながらも豊かな生活に落ち着いている(なにしろ妻に一度は捨てられている。彼が彼女を許したのは、単にその美しさに抗えなかったからに過ぎない)。

テレマコスが訪ねてきた際、メネラオスはオデュッセウスの忠義を胸に刻み、その息子を寛大に迎え入れ、彼について知っていることをすべて語って聞かせる。

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ポリュボス(コーリー・ホーキンズ)

ペネロペの夫の座を狙う求婚者たちのひとりで、アンティノオスとも近しいイタケ人のポリュボスを演じたのは、コーリー・ホーキンズ。

過去には『アイアンマン3』(2013)や『ストレイト・アウタ・コンプトン』(2015)、『イン・ザ・ハイツ』(2021)などに出演している。

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デモドコス(トラヴィス・スコット)

冒頭と終盤に登場する吟遊詩人のデモドコスは、ラッパーのトラヴィス・スコットが演じている。

本作で俳優デビューとなるトラヴィスだが、過去には『TENET テネット』のサウンドトラックにも参加。また、本作のエンドクレジットで流れるオリジナル曲『When I’m Home』は、彼とシンガーソングライターのジェイムス・ブレイク、劇中の音楽を手がけた作曲家のルドウィグ・ゴランソンがコラボレートしたもの。

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テイレシアス(ジェームズ・レマー)

オデュッセウス一行が冥界で出会う盲目の預言者テイレシアス。彼の導きにより、オデュッセウスは故郷にようやく辿り着くこととなる。

この役を担当したのは、1970年代から俳優としてさまざまな作品に出演しているジェームズ・レマー。『オッペンハイマー』で既にノーラン作品は経験済みだ。

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メランティオス(ローガン・マーシャル=グリーン)

イタケに仕えながらオデュッセウスを裏切り、クライマックスで求婚者たちに加担したメランティオス。

当初はドラマ『SHOGUN 将軍』(2024)のコズモ・ジャーヴィスがこの役にキャスティングされていたが、スケジュールの都合で降板することとなり、『プロメテウス』(2012)や『アップグレード』(2018)などで活躍するローガン・マーシャル=グリーンが引き継いだ。

『オデュッセイア』
9月11日(金)日本公開 ※9月4日(金)~10日(木)IMAX®先行上映決定

2D(字幕/吹替)、IMAX®(字幕)、DolbyCinema®(字幕)、4DX(字幕/吹替)、MX4D®(字幕/吹替)、35mm(字幕)の全6種9バージョンで公開

© 2026 UNIVERSAL STUDIOS

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