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「神様は乗り越えられない試練は与えない」【未唯mieさん】が借金を抱えても折れなかった理由と再出発の道のり

  • 2026.8.30

「神様は乗り越えられない試練は与えない」【未唯mieさん】が借金を抱えても折れなかった理由と再出発の道のり

ピンク・レディーとして華々しくデビューしてから50年。その歩みは、決して順風満帆だったわけではありません。29歳で独立し、経営の知識がないまま事務所を運営して借金を抱えるという大きな試練も経験。それでも「神様は乗り越えられない試練は与えない」と前を向き、自ら学び、仕事をつかみ取ってきた未唯mieさん。苦境を乗り越え、自分の足で歩き始めた再出発の道のりについて伺いました。

▼第1回記事はこちら

“守られた世界”から飛び出し、自分の足で歩み出す

「デビューした頃の私が今の私を見たら、きっと『よく頑張ったね』って言ってくれるんじゃないかな」

女性デュオ「ピンク・レディー」の“ミイ”としてデビューしてから、今年で50年。未唯mieさんは、あの頃の自分に思いをはせる。

「歌手として長く活動したいとは思っていたけれど、こんなに歌い続けられるだなんて、当時は思いもしませんでした。応援してくださる方がいなければ、歌手は歌うことはできません。支えてくださるみなさんには、本当に感謝のひと言です」

とはいえ50年の道のりは、決して平坦ではなかったはずだ。それでも未唯mieさんは、こう続ける。

「デビューしてからいろいろなことがありましたが、なかなかくじけないんですよ、私(笑)。なかには、人から見たら『そんなことまで乗り越えたの⁉』ということも、あったかもしれませんね」

その大きな出来事の一つが、29歳での所属事務所からの独立だった。デビューまでは両親に、ピンク・レディーとしてデビュー後は、所属事務所に守られるようにして生きてきた未唯mieさんが、自分で事務所を運営する立場になったのだ。

「自分で事務所を運営していくということは、“アーティスト”だけではいられないということです。なのに当時の私は経営のことを何も知らなくて。人任せにしてしまったために、借金を抱えることになってしまったんです」

当時、周囲の人たちからは「ミイには絶対に無理だから、もうやめなさい」と言われていたという。

「あの頃の私は本当に世間知らず。人と世間話もできないくらいでしたから、そう言われるのも当たり前ですよね。でも、だからこそ、『こういう大きな出来事がない限り、あなたは自分の足では歩かないでしょう?』と、神様に言われている気がして。私は、小さい頃から、父には『人様に迷惑をかけるな』と言われて育ちました。なのにすべてを投げ出してしまうことは、まわりの人たちに迷惑をかけてしまうし、父の教えに背くことになってしまいます。せっかくここまで、いろいろな人の支えのおかげで生きてこられたんだから、それを無にしちゃいけない。次の一歩を踏み出さなきゃと覚悟を決めました」

神様は乗り越えられない試練は与えない

未唯mieさんがまず始めたのは、学び直しだった。経営の知識や、アーティストとして自分を表現するためのセルフプロデュース術を学びながら、仕事を得るために自ら動いた。借金が発覚してから数年の間は、1日1~2時間の睡眠で駆けずり回っていたのだそう。

「雑誌の編集部を突然訪ねたこともありました。話は聞いてもらえたものの、『あなたのことは存じていますが、うちはあなたの出るような雑誌じゃありません』と取り合ってもらえない。ですがこちらも必死です。『こういう企画をやりたいんです!』と熱弁し続けた結果、OKをいただくことができました。そのときは夢中でしたが、自分にもこんなことができるんだと、我ながらびっくりしましたね」

世間話もできなかった自分が、相手を説得して仕事をつくる。そんな経験を一つずつ重ねるうちに、未唯mieさんの中で「自分の足で歩く」という感覚が育っていく。

「神様は乗り越えられない試練は与えない。そう思うようになりました。何が起こっても、私にはきっとできる、大丈夫だって思っていたから、ここまで頑張ってこられたんだと思います」

そんな強いマインドを持つ未唯mieさんの姿勢は、音楽活動にも表れている。ロック、ジャズ、ソウル、ファンク、アコースティック――。これまで未唯mieさんは、数えきれないほどの音楽に挑戦し、表現を追求してきた。

「チャレンジするのが好きなんです。知らないこととか、やってみたいことがあると、『よっしゃ!』ってエンジンがかかっちゃう(笑)。エネルギーがふつふつと沸いてくるような、そんな感じがいつもしているんです」

9月19日に開催される、デビュー50周年とソロ活動45周年を記念したコンサート「未唯mie DEBUT 50th & SOLO 45th Anniversary Celebration presented by Achievement Corporation」では、そんな未唯mieさんの音楽活動の歩みが、ピンク・レディーとソロの楽曲を交えて披露される。

「今回のコンサートでは、新曲の『Anti Limit』も歌いたいと思っています。この曲はディスコサウンドなのですが、実は『ペッパー警部』など、ピンク・レディーの楽曲の振りつけをしてくださった土居甫(どいはじめ)先生は、『ピンク・レディーをディスコ・クイーンにしてみせる』とおっしゃっていたんです。土居先生は、私たちの楽曲の振りつけにはディスコのステップやノリを取り入れてくださっていたんですが、当時の私には難しくて。一生懸命頑張っても、ぜんぜんできなかったんです。それから50年が経ち、スキルも上がって、土居先生がピンク・レディーに求めていたディスコのノリが、今なら出せるかもしれない。50周年のステージでは、そんな部分も含め、今の私にしかできない表現をお見せできたらと思っています」

プロフィール
未唯mieさん

みい●1958年生まれ、静岡県出身。中学校の演劇部で知り合った増田惠子さんと、オーディション番組「スター誕生!」に出場。1976年、ピンク・レディーとして、「ペッパー警部」でデビュー。「S.O.S」「カルメン’77」「渚のシンドバッド」など大ヒット曲を連発。社会現象を巻き起こす。81年のソロデビュー後は、舞台やミュージカル、コンサートなど、幅広く活動中。

【Information】

「Anti Limit」

デビュー50周年、ソロ活動45周年を記念した新曲は、ソウル/ディスコクリエイターのT-GROOVEがサウンド・プロデュースを手がけるディスコナンバー。作詞を担当するのは、ピンク・レディーの生き様を深くリスペクトするジェーン・スーさん。未唯mieさんが伝えたかった「あなたの味方!」という思いを、同世代への応援歌として書き上げた一曲。現在、音楽ストリーミングサービスおよび、主要ダウンロードサイトにて配信中。9月16日には、カップリング3曲を追加したCDシングル2200円(税込)がリリースされる。

未唯mie DEBUT 50th & SOLO 45th「Anniversary Celebration」presented by Achievement Corporation

新曲から始まり、ソロ時代、そしてピンク・レディーへ––––。未唯mieさんの50年にわたるアーティスト活動を“逆再生”するようにたどる、一夜限りの特別なコンサート。舞台には、ピンク・レディーのサウンドを支えた井上鑑氏をはじめ、長年の音楽仲間が集結する。50年の歩みを振り返り、次のステップへと歩みを進める、未唯mieさんの“今”を見逃さないで。

2026年9月19日(土)東京国際フォーラム ホールC
指定席1万5000円、U-18シート7000円(すべて税込) ※未就学児入場不可
DISK GARAGE https://info.diskgarage.com/

撮影/園田昭彦 取材・文/恩田貴子

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