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「絶対怒られるよな」怒られる覚悟で客の家に訪ねた。だが、思わぬ客の言葉に驚いたワケ

  • 2026.8.30

地図を書き写して、代わりの品を抱えた

私は長くスーパーで働いてきました。売り場を任されるようになってからは、お客様からのお申し出に対応することも増えました。

商品に不具合があったり、ご注文いただいたものに不足があったりすると、代わりの品を持ってお宅まで伺うことがあります。

今のようにスマートフォンですぐ場所を確認できる時代ではなかったので、住所を聞き、住宅地図を見ながら道順を紙に書き写して出かけていました。

その日も、代わりの商品と菓子折りを抱え、住宅街を歩いていました。

似たような道が続き、一度角を間違えて引き返し、ようやく教えていただいた表札を見つけました。

玄関の前に立つと、急に緊張してきました。

(絶対怒られるよな)

まず謝って、それから商品の交換について説明する。言い訳のように聞こえないよう気をつけよう。そんなことを頭の中で何度も確認してから、呼び鈴を押しました。

用意していた言葉が、出てこなかった

出てきたのは、年配の女性でした。

私が店の名前を伝えると、その方は少し驚いた顔をしました。そして、私が謝るより先に言ったのです。

「わざわざ家まで来てくれたの、お菓子でも出さないと」

思ってもいなかった言葉でした。

私は怒られることばかり考えていたので、用意してきた言葉が一瞬すべて飛んでしまいました。

慌ててお詫びを伝え、代わりの商品を差し出すと、その方は「そこまでしてもらわなくてもよかったのに」と笑いました。

玄関先で少し話していると、「この辺り、道が分かりにくかったでしょう」とまで気遣ってくれました。

帰り際には、

「もう大丈夫だから。気をつけて帰ってね」

と声をかけられました。

来るときには道を間違えないことだけで精いっぱいだったのに、帰り道では家々の垣根や庭先まで目に入ってきました。

数日後、店に届いた一枚の葉書

店へ戻ると、事情を知っていた同僚から「どうだった?」と聞かれました。

私は少し考えてから、「怒られませんでした」とだけ答えました。

それ以上、うまく説明できなかったのです。

数日後、店に一枚の葉書が届きました。差出人は、あの日訪ねた女性でした。

そこには、わざわざ届けに来てくれたことへのお礼と、丁寧に対応してもらえて安心したという言葉が書かれていました。

お申し出を受けると、どうしても「怒られるかもしれない」と身構えてしまいます。

けれど、相手が求めているのは誰かを責めることではなく、困ったことをきちんと解決してほしいだけなのかもしれません。

あの日のことは、その後もお客様対応で緊張するたびに思い出しました。玄関先でかけてもらった思いがけない一言は、何年経っても忘れられません。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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