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「その服、前のほうがよかった」会うたび私の服を採点する彼、初めて返した言葉と、その夜届いたもの

  • 2026.8.28
ハウコレ

傷ついたと伝えると、彼は自分の評価を「誠実さ」だと説明しました。その言葉を聞いたとき、私は彼の評価に合わせ続けていた自分に気づきました。

改札を抜けて彼を見つけると、私は彼の顔を見るより先に、彼の視線が自分の服のどこへ向かうかを確かめていました。

「前のほうがよかった」から始まった

付き合って半年になる彼は、思ったことをそのまま口にする人でした。待ち合わせで顔を合わせるなり「その服、前のほうがよかったよ」。最初のうちは、率直に見てくれている証拠だと受け止めていました。けれど彼の感想は、褒め言葉よりも先に減点から始まります。会うたびに色や丈を評価され、私は少しずつ、服を選ぶ基準を「自分が好きか」から「彼が減点しないか」へ置き換えていきました。

正解を探すようになった私

出かける前、クローゼットの前で服を3着並べては戻す時間が延びていきました。お気に入りだった黄色のカーディガンは、彼の「その色、ちょっと顔がくすんで見えるね」の一言以来、袖を通していません。その日は久しぶりに、自分の好みだけで選んだ新しいワンピースを着て行きました。彼を見つけた瞬間、口より先に眉が動いたのがわかりました。「うーん、悪くないけど、この前の白のほうが似合ってたかな」。その言葉を聞いたあと、私は新しい服について話す気になれませんでした。

「本音を言っただけだよ」

カフェの席で、私は初めて言葉にしました。「あなたに会う日は、褒められる服を探すようになってた」。彼は不思議そうに首をかしげて「本音を言っただけだよ」と答えました。続けて「似合ってないのに言わないほうが不誠実でしょ」。以前なら笑って受け流していたかもしれません。けれど、その日はもう同じ反応ができませんでした。私は伝票を手に取り、「あなたが見てるのは私じゃなくて、自分の正しさだよ」とだけ告げて、先に店を出ました。彼の評価を基準に服を選ぶのは、もうやめようと決めていました。

そして...

数日後、彼から長いメッセージが届きました。言い訳はなく、謝罪のあとに「気づかせてくれてありがとう」と書かれていました。私はすぐには返事をせず、後日会って、私が感想を聞いていないときは服を評価しないでほしいと伝えました。彼はうなずきました。帰宅後、私はクローゼットの奥から黄色のカーディガンを出し、見える場所に掛け直しました。次のデートに着て行く服は、鏡の中の自分に聞いて決めるつもりです。

(20代女性・事務職)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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