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“一目ぼれ婚”から19年、小池栄子は主演俳優へ 坂田亘と歩んだ「最強のタッグ」

  • 2026.9.5
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2007年8月、結婚発表記者会見をひらいた小池栄子と坂田亘(C)SANKEI

2007年8月30日、小池栄子とプロレスラーの坂田亘は、そろって結婚会見に臨んだ。前日に婚姻届を提出し、5年の交際を経て夫婦になった二人。結果だけを見れば、人気タレントとプロレスラーの華やかな結婚である。

だが、時間を2002年まで戻すと、この関係の輪郭はもう少し鮮明になる。小池が坂田を見て一目ぼれし、食事の機会を頼み、自分から交際を申し込み、連絡を続けた。恋は感情の言葉で語られやすいが、二人の始まりには「見る」「頼む」「伝える」「電話する」という動詞がいくつも残っている。

その一方で、結婚には決定的なプロポーズがなかったという。はっきり動いた恋の入口と、時間のなかで自然に決まった結婚。対照的な二つをつなぐと、小池栄子と坂田亘の5年間が、単なる一目ぼれの成功談ではなかったことが見えてくる。

一目ぼれを次の行動へ変えた

2002年5月、小池はプロレスラーの橋本真也に誘われ、東京・後楽園ホールで試合を観戦した。リングに立っていた坂田を見て、一目ぼれしたという。

一目ぼれそのものは一瞬である。けれど、見ているだけでは関係は始まらない。小池は橋本に、坂田と食事をする機会をつくってほしいと頼んだ。橋本が設定したのは、西麻布の焼き肉店での食事だった。

そこで小池は坂田に交際を申し込んだ。さらに連絡先を聞き、その後約1カ月にわたって毎日のように電話をかけたと振り返っている。橋本が二人の間に最初の道をつくり、小池はその先を自分の言葉と連絡で進んだ。

この出会いが面白いのは、小池の積極性を「肉食系」のような一語で片づけられないところにある。彼女がしたのは、勢いだけの告白ではない。会う機会をつくり、思いを伝え、相手との距離が変わるまで連絡を重ねることだった。一目ぼれは始まりの点にすぎず、交際までの線は、その後の行動によって引かれている。

はっきり始まった恋と対象的に…

坂田は2007年の会見で、交際から1〜2年ほどたったころには、自然と結婚について話すようになっていたと説明している。誰かが一度だけ決めぜりふを口にするような、明確なプロポーズはなかった。

恋の始まりでは、小池が交際をはっきり申し込んだ。ところが結婚は、5年の時間のなかで二人の共通認識になっていった。入口では一人が言葉にし、出口では二人の会話が積み重なって答えになったのである。

2007年8月29日、二人は婚姻届を提出。翌日の会見で、坂田は小池を「男前」と評し、二人を「最強のタッグパートナー」と表現した。リングの言葉を借りたこの呼び方には、恋愛の甘さだけではない。先に動く人と、それを受け止める人。役割を固定せず、必要な場面で前に出る二人の5年間がにじんでいた。

橋本がつないだ縁、その後は小池がリングへ

結婚から9年後の2016年、今度は小池が坂田の引退試合を実現させるために動いた。RIZINで引退試合が組まれ、二人はそろって会見に出席している。

出会いの場面では、橋本が小池を試合へ誘い、坂田との食事を設定した。そこから14年が過ぎたとき、小池は坂田が選手として最後に立つリングへ道をつくる側になっていた。橋本に渡された縁が夫婦となり、やがて小池から坂田へ、もう一度リングという場所が渡される。二人の物語を結婚会見だけで閉じないとき、この静かな役割の反転が見えてくる。

「最強のタッグ」とは、いつも同じことをする二人という意味ではないのだろう。どちらかが動くべきときに動き、もう一人の節目を支える。2002年の一目ぼれから2016年の引退試合までをたどると、会見で語られた言葉が、単なるプロレスらしい比喩以上の重さを持ちはじめる。

結婚会見の「人気タレント」は、主演俳優へ

2007年の結婚会見当時、小池はグラビアやバラエティーで広く知られる人気タレントだった。それから俳優としての評価を積み重ね、2022年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』では北条政子を演じ、橋田賞を受賞。2023年の『コタツがない家』では、民放ゴールデン・プライム帯の連続ドラマで初主演を務めた。

2024年には、仲野太賀とダブル主演した『新宿野戦病院』で、歌舞伎町の病院に現れる元軍医を演じた。同作はギャラクシー賞月間賞を受賞している。

そして2026年も主演作が続く。NHKドラマ『ムショラン三ツ星』では、男子刑務所で働くことになった元イタリアンシェフ役。続くフジテレビ系『さよならノワール』では、犯罪被害者支援室へ異動した元“マル暴”刑事を演じている。北条政子、家族を背負う女性、元軍医、料理人、刑事。近年の役柄を並べるだけでも、同じ型を繰り返していないことがわかる。

2002年、小池は客席からリング上の坂田を見ていた。2026年のいま、小池自身が物語の中央に立ち、作品を背負う役を続けている。もちろん、一目ぼれの行動力だけで俳優としての現在を説明することはできない。だが、目の前の役割に収まらず、自分の居場所を広げてきた歩みは、恋の始まりから現在まで一貫している。

一目ぼれは一瞬で語れる。結婚は5年かかり、俳優としての評価はその後も積み重なった。小池栄子という人の面白さは、鮮やかな一場面だけでは終わらないところにある。自分から動いた恋も、坂田を送り出したリングも、主演作が続く現在も、それぞれが長い時間の一部なのだ。


※記事は執筆時点の情報です

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