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修学旅行中、観光地で“学生に激怒”した男性 バスガイドが仲裁すると→胸ぐらを掴まれ…予想外のトラブルに「人生で初めてでした」

  • 2026.9.12
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出典:photoAC ※画像はイメージです。

元バスガイドのくろちびです。

観光地が混雑する時期のツアーでは、予定通りに歩けないことがあります。人の流れに合わせて進むため、前を歩く人との距離も近くなり、思わぬ接触が起こることもあります。

ある日の修学旅行でも、寺院周辺が非常に混雑していました。

私たちの前を歩いていたカップルとは、寺院へ向かう途中、お庭の見学中、そして帰り際と、混雑の影響で何度も同じような場所を歩くことになりました。

そのたびに、混雑のため偶然身体がぶつかってしまいました。

もちろん、わざとではありません。

ところが、帰り際に再び接触してしまったことで、相手の男性がついに激怒。生徒たちに声を荒らげるような状況になりました。

私はとっさに間に入りましたが、怒りは収まらず、突然、胸ぐらを掴まれました

一瞬、驚きました。

「どうしよう」より先に、私が間に入った理由。怒りの矛先を生徒に向けさせない

胸ぐらを掴まれたのは人生で初めてでした。

正直、驚きましたし、怖さもありました。ただ、不思議なことに、その瞬間は半分ほど冷静な自分もいました。

私が一番に考えたのは、生徒たちのことです。

相手の怒りが生徒に向いたままになれば、さらに状況が悪くなる。まずは私が間に入って、これ以上生徒たちが巻き込まれないようにしなければいけない。

そう考えて、とっさに間に入りました。

もちろん、だからといって相手に胸ぐらを掴まれていいわけではありません。旅行会社の添乗員さんや学校の先生もすぐに対応してくださり、相手の方も次第に冷静さを取り戻して話し合いに応じたため、大きな事態になることは避けられました。

その後、私はカップルの彼女にも声をかけ空気を和らげることと生徒を安心させることに注力しました。

そして、ぶつかってしまったことについてはきちんと謝罪したうえで、わざとではなかったこと、非常に混雑した場所で起きた偶発的な接触だったことを落ち着いて説明しました。

トラブルを解決するためには、自分たちの正当性を主張するだけではなく、まず相手がどう感じたのかを受け止めることも必要だと考えたからです。

「まだ空気が重い…」バスに戻って、私が次に考えたこと

トラブルが一段落し、私たちはバスへ戻りました。

けれど、車内の空気は明らかに重いままです。

生徒たちも先ほどの出来事に驚いていたでしょうし、私自身も胸ぐらを掴まれたことで、いつも通り明るく話せるような気分ではありませんでした。

「このまま次の観光に行っても、みんながさっきの出来事を引きずってしまうかもしれない」

せっかくの修学旅行。あんなこともあったよね、と思い出話くらいにしてほしい。

幸い、次の予定は座禅体験でした。

そこで私は、トラブルの説明を何度も繰り返すのではなく、次の体験そのものを、気持ちを切り替えるきっかけにしようと考えました。

「皆さん、さっきは驚きましたね。でも、次は座禅です。ここで一度、気持ちをすっきり切り替えましょう!いらないものは、ここに置いていきましょう!」

そう声をかけました。

起きてしまったことをなかったことにはできません。

だからこそ、いつまでもその出来事に気持ちを引っ張られるのではなく、「次にできること」に意識を向けてもらいたかったのです。

トラブルが終わっても、仕事は終わりじゃない。「車内の空気」を整えるのもガイドの役割

この出来事を経験して、トラブルは「解決したら終わり」ではないと感じました。

その後、車内に残った不安や緊張をどうほぐすかも、ガイドの大切な役割です。

この日は、次の座禅体験をきっかけに、みんなで気持ちを切り替えることができました。

もちろん、安全面では添乗員さんや先生と連携しながら対応することが大前提です。

そのうえで、ガイドとしてできることは、目の前の問題だけを見るのではなく、その後のお客様の気持ちや車内全体の空気まで考えること。

トラブルの後だからこそ、次の一言が大切なのだと学びました。

「いらないものは置いていきましょう」座禅が教えてくれた、気持ちの切り替え方

観光地で偶然の接触から起きてしまった、思いがけないトラブル

胸ぐらを掴まれるという、私自身にとっても忘れられない出来事でした。

それでも、その後の座禅体験をきっかけに、重くなった車内の空気を少しずつ切り替えることができました。

ガイドの仕事は、トラブルを解決するだけではありません。

旅の途中で起きた出来事を抱えたままにせず、「ここからまた楽しい時間に戻ろう」とお客様を次へ送り出すことも大切です。

時には、次の予定そのものが、心を切り替えるきっかけになるのだと思います。


ライター:くろちび

プロフィール
 バスガイドとして4年間、奈良・京都・大阪を中心に観光案内を担当。修学旅行や団体旅行、高齢者ツアーなど、さまざまなお客様をご案内してきました。現場で実際に経験した出来事や、旅行の裏側、接客を通して学んだことを、実体験をもとにお伝えしています。


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