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配達中「なんでうちの道を通るんだ!」突然怒鳴られ…→後日、別の道を使うと“正反対の一言”に宅配員が困惑

  • 2026.9.10
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さまこんにちは。元宅配員のmiakoです。

住宅街を配達していると、地図だけではわからないことに出会う場面が少なくありません。玄関までの道が複数あったり、隣り合う家の敷地がどこまでなのかはっきりしなかったりすることもあります。

こうした「どこまでが誰の敷地なのかわからない」という経験は、意外と身近にあるのではないでしょうか。

今回は、配達先へ向かうために通っていた道をめぐり、近隣に住む方から「ここを通るな」と言われ、配達ルートに悩んだときのお話です。

隣り合う二軒と、二つの入口

とあるエリアに、隣接するように建つA様宅とB様宅がありました。地図で見ると同じ敷地内にあるようにも見え、はっきりとした門や仕切りはありません。道路からそれぞれの家へ入ることのできる通行路があり、その道は敷地内でつながっていました。

A様宅へ向かうには、北側の入口から入る方法と、B様宅に近い西側の入口から入る方法がありました。

北側の道路は狭く、車を停めると後続車や対向車が通り抜けられません。さらに実際に歩いてみると、北側の入口はA様宅の南側にある車庫を回り込むように遠回りしており、車を降りてすぐに玄関先へたどり着ける道ではありませんでした。

一方、西側の入口付近には、車を停めても周囲の通行を妨げにくいスペースがありました。そこからA様宅の北側の入口までつながる道もあり、歩く距離もこちらのほうがわずかに短くなります。

砂利道にはタイヤの跡があり、A様宅の車も普段からこちらを利用しているようでした。そのため、周辺車両の通行を妨げないことを優先し、A様宅へ配達するときはB様宅側の入口を利用するようになりました。

「なんでうちの道通るんだよ」

ある日、いつものように西側から車を降りようとしたときのことです。

外に出ていたB様宅の方らしき70代くらいの男性から、「うちの荷物か?」と声をかけられました。

「A様宛てです」と答えると、「なんでうちの道通るんだよ!北側の道を使えばいいだろ」と怒鳴られてしまいました。

そこで初めて、この道がB様宅の敷地なのかもしれないと気づいたのです。

その場でお詫びをして、すぐに北側へ移動し、A様宅へ荷物を届けました。
しかし、北側の道は狭いながらも通行がないわけではなく、沿道には数軒の家も並んでいます。

営業所に戻ったあと、同じエリアを担当する同僚たちに車を停める場所について尋ねてみると、ほとんどが自分と同じくB様宅近くの道を利用していることがわかりました。

今回の件を共有し、以降はA様宅へ向かう際には、北側の道に車を停めることにしました。

クラクションが鳴った日

後日、A様宅への荷物を届けようと北側の道に車を停めた際、道が交差するあたりで60代くらいの女性二人が立ち話をしていました。

一人はいつも荷物を受け取ってくれるA様の奥様で、「うちに荷物?」と声をかけられ、サインをいただいて荷物をお渡ししました。

もう一人の女性はB様の奥様でした。

「最近宅配便の人たちを見かけないと思ったら、こっちから来ているのね。大変でしょう」

そう声をかけてくれたので、「実はB様から通り方を注意されてしまって」と伝えました。

すると、「うちの人が?北側も他にお宅があるし、車通るでしょう。何も敷地内までトラックで乗り込んでくるわけではないのだから、気にせず通ってもいいのよ」と言ってくれました。

そう話していた矢先のことでした。

プップー!

恐れていたことが起きました。

「ああ、ほら言わんこっちゃない」
「あそこの家の人じゃない?」

どうやら、配送車が邪魔で通れなかった住人の方がクラクションを鳴らしているようでした。

「ああ、ほら。北側って意外に通行量あるんだから、大きい車停めたら困っちゃうわよ。うちの人にも言っとくから、気にしないでまたこっちから回ってね」
「そうよー、私もこっちから来ているなんて気づかなかったわ」

すぐに車へ戻り、クラクションを鳴らされた方へ深く謝罪して速やかに移動しました。駐停車が禁止されていない道路とはいえ、周囲の通行を妨げてしまうことはプロのドライバーとしてあってはならないことです。

これまでA様宅の北側の道を使っていても、クラクションを鳴らされたことはありませんでした。
しかし、それはたまたま他の車と遭遇しないタイミングが続いていただけだったのかもしれません。

この一件で、地図や標識には表れない『地域の生活動線』を予測し、誰の迷惑にもならない停車場所を慎重に見極める重要性を痛感しました。

それぞれの道を、それぞれの時間に

後日、B様宅へ荷物を届けたときには、あの日声をかけてきた男性の姿はなく、B様の奥様が「あなたたちは信用しているから」と言ってくれました。

この言葉を、これからも大切にしたいと感じています。

同僚たちにもこの出来事を共有し、A様宅に夜間指定の荷物があるときは、暗い中で敷地内を歩いて泥棒と間違えられないように北側の道から、日中の明るい時間はB様宅側の道を使わせてもらう、という使い分けをするようになりました。

B様がなぜあの日、通行に難色を示したのか、その理由はいまだにわかりません。

それでも、B様宅の方に会うときは「いつもありがとうございます」「お邪魔します」と、道を使わせてもらっていることへの感謝を伝えるよう心がけていました。

道には表札がなく、誰の敷地なのかが見た目だけではわからないこともあります。
だからといって、どんな停め方をしてもよいわけではなく、周囲の通行を妨げることも避けなければなりません。

宅配の仕事は、さまざまな道を通り、その地域に暮らす方々の生活のすぐそばまで入っていく仕事でもあります。

住宅街での配達では、こうした目には見えない境界に悩むこともありました。

どちらの道を選んでも誰かの迷惑になってしまうかもしれない。
そんなとき、その場所に暮らす方々の声を聞きながら、できるだけ迷惑にならない方法を探していくことも、宅配員にとって大切なことなのだと感じた出来事でした。



ライター:miako
宅配ドライバーとして10年以上勤務した経験を生かし、現場で出会った人々の温かさや、働く中で積み重ねてきた"宅配のリアル"を、経験者ならではの視点で綴っています。
荷物と一緒に交わされてきた小さなエピソードを、今は文章としてお届けしています。


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