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「世の父親は俺を見習うべき」 イクメンを自称する身勝手な夫に妻が鉄槌を下す! 離婚までの100日間をカウントダウン形式で描いた爽快な復讐劇【書評】

  • 2026.8.16

【漫画】本編を読む

『イクメン気取りのクズを妻が全力で制裁してみた 100日後に親権を失う夫』(沢村さち子:著、漫画のシュララ:制作/KADOKAWA)は、「育児をしているつもり」の夫が、自らの言動によって少しずつ破滅していく姿を描いた痛快なコミックである。育児や家事を「やっているつもり」の夫が、妻の限界に気づかないまま信頼を失っていく姿は、他人事とは思えない人も多いはずだ。

主人公は、幼い娘を育てる主婦・茜。夫・翔太は「世の父親たちは俺を見習うべき」と言って自らイクメンと豪語し、SNSでも理想の父親として発信している。しかし、その実態は、家事も育児も都合のいいところだけを切り取り、面倒なことはすべて妻任せだった。夜泣き対応で眠れない妻を気づかうこともなく、娘をSNS映えのために利用し、挙句の果てに不倫までしている。積み重なっていく身勝手すぎる行動に、妻はついに反撃を決意する。

本作の読みどころは夫が自分の問題にまったく気づいていない点にある。本人は本気で「自分はイクメンとして頑張っている」と思い込んでいるため、その言動は読み手の怒りも誘う。育児への参加を自己満足で終わらせ、家庭を支えているつもりになっている姿は、「名もなき家事」や「見えない育児」といったことが話題となる現代だからこそリアリティを持って迫ってくる。

妻が夫を見限るまでの限界を設定したところも巧みだ。夫の独善的な行為と、妻の心境を対比させて描き、離婚までの100日間のやり取りがカウントダウン形式で展開する。「親権を失う」という夫の結末を知っていても、その過程が気になってページをめくる手が止まらない。

当たり前だが、育児はSNSに写る瞬間だけを頑張ればいいものではない。見えない家事や育児の積み重ねがあって初めて家庭は成り立っている。本作は、ハリボテの父親に対する制裁劇を楽しめる一方で、「本当のイクメンとは何か」をあらためて考えさせてくれるだろう。イクメンを自認しているお父さんたちへ。本作はそんなあなたにまず手にとってもらいたい一冊です。

文=小柳テム

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