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悪質“ながら運転”「これは過失ではない」大切な家族を奪われた遺族が訴えるも…厳罰化に立ちふさがる壁

  • 2026.8.7

車の運転中にスマホを操作するなど、大きな事故につながりかねない「ながら運転」。去年の死亡・重傷事故は過去10年で最多となりました。厳罰化に向けた動きが未だ足踏み状態のなか、事故に苦しむ遺族の思いに迫りました。

©ABCテレビ

今年3月、三重県亀山市の新名神高速道路で、渋滞の車列に大型トラックが突っ込み、車2台に乗っていた子ども3人を含む6人が亡くなりました。この重大な事故の原因とされているのが「ながら運転」です。

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トラックを運転していた水谷水都代被告(54)は、事故直前にTikTokで動画を見ており、スクリーンショットを撮ろうとして脇見をしながら時速82kmで運転。この事故で過失運転致死の罪で起訴された水谷被告は、このようにスマホで動画を見ながら運転する行為を、日常的に行っていたとみられています。

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「ながら運転」による死亡・重傷事故は年々増加し、去年は148件と過去10年で最多を記録。今年、法律が改正され、危険運転致死傷罪の要件に飲酒と速度の数値基準が作られましたが、「ながら運転」は見直しの対象に入りませんでした。悪質性が高いものを限定することが難しいなどの理由から、危険運転に加える議論が深まらなかったのです。

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新名神の事故で亡くなった6人のうち5人は、松本幸司さん(45)・恵梨子さん(42)夫妻と3人の子どもたち。遺族は「ながら運転」の厳罰化を強く求めるとともに「社会が何も変わらなければ、6人の命が無駄になりかねません」と訴えます。

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そして被害者の1人、髙峰啓三さん(56)の遺族は「単なる“事故”という言葉で済まされるものではなく、自動車を使った“殺人”であると強く感じています」とコメント。家族を奪われた深い悲しみと憤りをあらわにします。

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大阪市に住む神農彩乃さん(39)も、1歳になったばかりのわが子を「ながら運転」に奪われました。一昨年9月、高知県内の自動車専用道路で、竹﨑寿洋被告(62)の運転する車が対向車線に飛び出し、神農さん家族の乗った車に衝突。後部座席のチャイルドシートにいた息子の煌瑛ちゃんが全身に衝撃を受けて亡くなり、彩乃さんと夫の諭哉さん(34)も重傷を負いました。

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事故発生時、運転支援システムを使って走行していた被告。助手席の足元にあったサンダルに履き替えようと、シートベルトを外して左手を伸ばした瞬間、体のバランスを崩してハンドルが大きく右に回転。このハンドル操作で運転支援システムが解除され、対向車線に突っ込んだとされています。

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去年8月、検察は被告を過失運転致死傷罪で在宅起訴。「過失」扱いに神農さん夫妻は納得がいきませんでした。過失運転致死傷罪の刑の上限は拘禁刑7年。一方、危険運転致死傷罪の上限は20年と大きな差がありますが、「ながら運転」は現在、危険運転の対象に含まれてはいないのです。

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【動画】“過失”で済ませてはいけない――。神農さん夫妻は悪質な「ながら運転」の厳罰化を求める署名活動を展開。集まった署名はおよそ17万筆に

そして去年11月、「(被告に)本当のことを話してほしい」という思いを胸に、高知地裁で行われた初公判に臨んだ神農さん夫妻。被告は起訴内容を認めつつも「事故の少し前からその日の夕方まで記憶がありません」と主張しました。

しかし関係者への取材で、事件当時、被告はゴルフ場からラーメン屋に向かう途中だったことがわかっています。さらに被告はこんな供述もしていました。ゴルフ場を出た後、運転支援システムを作動させながら靴を履き替えることは珍しくなく、上着やズボンの着替えまで日常的に行っていたというのです。

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彩乃さんは「危険の認識なく運転をして、何の罪もない人に突っ込んで命を奪ったのであれば、それは過失ではない」と訴えますが、「ながら運転」は「過失」でしか裁けないのが現状です。
竹﨑被告には、この放送後の7月15日、高知地裁において禁錮4年(求刑禁錮7年)の判決が言い渡されました。

相次ぐ「ながら運転」による事故。交通事故の法律に詳しい城祐一郎教授は、「ながら運転」を危険運転の類型に組み入れ、重い処罰の対象にして警告を与えることが「悲惨な事故を減らす」と法改正の必要性を力説しています。

「ながら運転」事故遺族の苦悩は、7月7日(火)放送の『newsおかえり』(ABCテレビ 毎週月曜〜金曜午後3:40〜)で紹介しました。

『newsおかえり』YouTubeチャンネルで配信中

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