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これは浮気? それとも癖の問題? 恋人の“ある秘密”を知った28歳女性の葛藤

  • 2026.8.7

昨今、私たちの生活の「当たり前」の一部として浸透しつつあるマッチングアプリですが、実際には民事トラブルに巻き込まれる可能性もあることが現状です。多くのアプリは、ネット上の本人確認のみで登録が完結してしまうため、既婚者や、本命の恋人がいる人とマッチングしてしまうことも。

通常のマッチングアプリで、こういった人とマッチングしてしまうのも怖いけれど、実は今“既婚者専用マッチングアプリ”や“セフレ探し用マッチングアプリ”など、さまざまな関係を甘受しているともいえるマッチングアプリも存在しています。もしも、身近な人がこういったマッチングアプリに登録していたら……あなたなら、どうしますか?

■世の中に増える「恋愛」以外のためのマッチングアプリ

萌絵さん(仮名・28歳)の、付き合って4年になる彼氏が登録していたのは、なんと“性癖系マッチングアプリ”でした。

そもそも、世の中に性癖系マッチングアプリというものが存在していることを知らない人も多いのではないでしょうか。性癖マッチングアプリとは、一般的な「年齢・職種・趣味」といった条件ではなく、「フェチ」「特定の性癖」「特殊な嗜好」など、人には言いにくい性的なこだわりや趣味を軸にして出会うマッチングサービスです。

一般的な恋活・婚活アプリでは、プロフィールやメッセージで性的なことに言及するのはNGです。書いただけで通報やアカウントの削除対象になることもしばしばあります。しかし性癖系マッチングアプリでは、体の相性や特殊な嗜好、フェチの理解を最優先事項として捉えているユーザー同士が集まるため、性的な関係になることを前提にマッチングがされるのです。

萌絵さんはひょんなことから、自分が長年付き合ってきた彼氏が、性癖系マッチングアプリに登録していることを知ってしまいます。

「彼氏とは新卒で入社した会社の同僚として出会い、もう4年付き合っています。相手が転職したので今は同じ職場ではありませんが、来月には同棲の予定で、家も決めていました。付き合った当初から比べれば回数は減ったものの、レスではないし、ケンカする方でもないので、良好な関係を築けていると思っていました。そんな時に、彼の秘密を知ってしまったんです」

■プロフィールに書かれていたのは……4年付き合った私も知らない彼

スマホのパスワードはお互いに教え合ってはいないけれど、特に隠しているわけでもないからこそ、見ようと思えばいつでもスマホを見られる……そんなオープンな関係だったからこそ、彼のことを疑ったことはなかったという萌絵さん。

「家探しをきっかけに、彼の横でスマホのメールボックス内をチラリと見る機会が増えていました。いくつかの不動産サイトに登録をしていて、会った時にいいなと思った家を共有し合っていたので、彼の家のソファで横に座りながら、メールボックスに届いている新着物件を見ていた時のことです」

スマホのバイブレーションとともに届いたのは、タイトルに「性癖のマッチングお知らせ」と書かれたメールでした。

「完全にスマホを覗き込んでいる時だったので、防ぎようのないタイミングでした。ボックス内にメールが入って、すぐに彼も画面をスクロールしたけれど、見ちゃったんです。迷惑メールかなとも思ったけど、タイトルにはマッチングアプリ名と、ニックネームのようなものも書いてあって。それが、彼の本名から一部取れるものであったことも気になりました」

マッチングアプリをしているとすれば、浮気をしているか、これからする可能性もある……萌絵さんは人に相談せず、まずは単独でそのマッチングアプリの名前を調べてみたのだといいます。

「検索してみたら、タイトルにどーんと性癖マッチングサービスって書いてあって。なんとなく普通のマッチングアプリじゃない感じもして。まずは検索をかけてみようと思って、無料って書いてあるし、登録してみたんです。そうしたら……」

登録したアプリは、プロフィールづくりの段階で、あからさまに性的嗜好を登録するシステムだったのだそう。

「イヤな気持ちになるくらいあからさまな、エロい質問がたくさんあって、途中で登録するのを辞めようかとも思いました。だけど、彼がこんなものに登録しているとしたら……検索して、彼がいないことを確かめて安心したくて、なんとか質問を飛ばし飛ばし登録しました」

身長や体重、居住地など、一般のマッチングアプリと同じような検索項目があったため、検索をかけてみたところ……萌絵さんは、彼らしきアカウントを見つけてしまったのだといいます。

「モザイクがかかっていたものの、旅行先で私が撮ってあげた写真を使っていました。しかも、プロフィールには吐き気がするくらい、あからさまな文言が並んでいました。平日夜に会える人、とか、こういうプレイができる人、とか……完全にクロですよね。登録していた性癖も全部見て、私が抱き合っていた彼ってなんだったのかなってくらい、知らないフェチがたくさん書いてありました」

さらに、そのサービスはWeb上で利用するもので、アプリとしてはダウンロードできなかったのだといいます。萌絵さんが見てしまったのは、メールで届くDMの受信などのお知らせだったようです。

■性の価値観が違ったら、カップルは一緒にいられない?

彼がツメの甘いやり方で浮気をしていると悟った萌絵さんは、すぐに彼氏のことを問い詰めます。しかし、彼からは予想外の返答がありました。

「これは浮気だろうと詰めたところ、彼からはそうじゃないと言い訳されました。プロフィールを見てみると、Mっぽいことがたくさん書いてあって、私のことが大好きだからこそ、その趣味を晒け出せなくて悩んでいた、と言われたんです」

男らしくない性癖が恥ずかしかったからこそ、大好きな萌絵さんには趣向を伝えられなかった……だからこれは浮気ではない、心は萌絵さんにあり、恋人として好きなのは萌絵さんだけだというのが、彼の主張だったそうです。

「たしかに、こんなのどこでどうやってやるんだよってツッコみたくなるような趣味が何個も書いてあったんですよね。野外とか、複数とか……私に言えなかったと言われれば、そりゃあ言えないだろうなって。だけど私とはレスじゃなかったし、内容も一般的だったんですよ。彼は、このプロフィールも本当の自分なんだとか、じゃあ萌絵ちゃんがしてくれるのかと言って、逆に泣きついてきました」

彼とは結婚も考えていたという萌絵さん。しかし、ただの浮気ではなかったからこそ、彼を許してもいいのか分からず、悩んでいるといいます。

「ただの浮気なら、相手の女の子を切るかどうかって話もできたと思います。だけど彼は今、アプリは2度とやらないから彼の趣味に沿った欲求を私に満たしてほしいとも言っているんです。正直、私は考えたこともないような内容のフェチばかりでしたし、私がやってあげられるとは思いません。そもそも、やってあげる、というのもおかしいような気もしています。だって私は、できればやりたくないようなものばかりだったし」

今回の一件が起こるまで、金銭感覚や性格的な価値観などで、すれ違いを感じたことはなかったといいます。優しくてオープンな性格の彼が大好きだったという萌絵さん。しかし2人の間には今、性の価値観という大きな溝が生まれてしまいました。

「そもそもですが、一緒にする時、私だって自分の要望を全部伝えていたわけではありません。性のことってセンシティブだし、付き合っていても言えないことがあるのなんて、当たり前だと思っていました。それなのに、彼はそんなアプリを使ってまで発散しないと気が済まないなんて、けっこうおかしいんじゃないかなとも思っています。そこまで大きな欲求を持っていること自体が怖いし、欲求があるのなら、そのうち浮気もするのではないかと考えてしまいます」

彼との性的嗜好のズレ……もしもあなたが萌絵さんと同じ立場なら、彼とは別れますか?

(取材・文:久留米あぽろ、イラスト:須山奈津希)

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