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「ロス五輪を目指す」大藤沙月がコーチと見据える大舞台 世界2位“日本人キラー”撃破も自信に、停滞期を乗り越えた22歳の現在地

  • 2026.8.7
大藤沙月、坂本竜介コーチ(C)WTT
SPREAD : 大藤沙月、坂本竜介コーチ(C)WTT

卓球の国際大会「WTTチャンピオンズ横浜2026」が神奈川県の横浜BUNTAIで行われている。世界のトップ選手が集う舞台で、日本女子の一角を担う世界ランキング11位の大藤沙月(ミキハウス)も上位進出を狙っている。
2024年のブレイクから一転、25年には各国から対策を受けて苦しい時期も経験した22歳。それでも今季は再びWTTシリーズで結果を残している。その復調の背景には何があったのか。指導する専任コーチと大藤本人の言葉から、その現在地を探った。

■「守備の部分が少し落ちていた」

大阪の名門・四天王寺高校出身の大藤は、ミキハウスの環境で自身を磨きながら2024年後半にブレイク。同年10月の「WTTチャンピオンズモンペリエ」を制し、トップ10入りを果たすなど、日本女子の次世代を担う存在として名乗りを上げた。
一方、中国勢を中心とする各国から対策を受けるようになった2025年は、両ハンドを振り切る攻撃的なスタイルを模索する中で、自身の卓球に迷いが生まれた。昨年の横浜大会の準々決勝、世界1位の孫穎莎戦後には「対策され始めて、思い切りだけの卓球だと厳しいと突き付けられた」と停滞感を口にしていた。
そんな大藤を見守り続けてきたのが、指導にあたる坂本竜介コーチ。2023年10月ごろから大藤の専任コーチとして、“守から攻”へのモデルチェンジを図る大藤を支えてきた。坂本コーチは、25年に停滞期とも呼べる時期を過ごした大藤について「それは当然のこと。相手に慣れられたということは、逆に言えば、それだけ大藤のプレーが認知されたということです」と、成長過程で起こりうる変化として受け止めていた。
2025年から26年にかけては、「攻撃型へと変えていく中で、逆に守備の部分が少し落ちていた」という攻守のバランスの調整に取り組んだ。大藤自身も「一番心がけていたのは体作り。トレーニングを増やして、この1年半ほど取り組んできています」と自身の取り組みを語り、「体の強さには少し自信がついてきました」と手応えを明かしている。

大藤沙月(C)WTT

■当事者として実感する五輪出場争い

坂本コーチとの二人三脚の日々は、2026年に成果として実を結んでいる。3月の「WTTチャンピオンズ重慶」1回戦では、世界ランキング2位で“日本人キラー”として立ちはだかってきた王曼昱にストレート勝利。坂本コーチも「その後、一気に3大会連続で優勝することができた。あの1試合は自信という面でかなり大きかったと思います」と、ターニングポイントになった一戦を振り返っている。
2024年のブレイク、25年の苦しみを経て、26年に進化を遂げた大藤はWTTシリーズで今季4勝を挙げており、横浜大会前時点で世界3位の張本美和(木下グループ)、同7位の早田ひな(日本生命)に続く11位につける。
「あくまでオリンピックを目指して取り組んでいる」と語る坂本コーチは、WTTシリーズで世界ランキングのポイントを積み重ね、2028年のロサンゼルス五輪出場を目指すことを優先目標として掲げている。
坂本コーチは「僕自身もエリートではないですし、とにかく数をこなし、経験を積み、必死にどの種目にも食らいついています」と海外転戦を重ねる日々について語る。幼少期に五輪をテレビで見ていたという大藤自身も「現実的に目指そうと思ったのは、本当にここ2、3年くらいの話です。やっぱり実際に行ってみないと分からない世界だと思いますし、今、こういう立場に来て、すごく感じています」と、2年後に迫るロス五輪へ向けた争いを当事者として実感している。
大藤にとって、WTTシリーズを中心とした国際大会で一戦一戦を積み重ねることが、ロス五輪時に24歳を迎える自身の将来を切り開いていくことにつながる。世界トップ選手に名乗りを上げてから苦境も経験し、それでも歩みを止めずに進化を続けてきた大藤。横浜大会でも躍動を見せる22歳は、大舞台への出場を目指しながら前へ進んでいく。

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