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「水曜日、後ろの席にいたの」スクールで出会っただけの知人。だが、薄気味悪い発言に距離をとった瞬間

  • 2026.8.2

ひとりだけの時間

私には、ささやかな楽しみがありました。

毎週水曜の午後、駅前のカフェで一人、コーヒーを飲みながら本を読む。

それだけの、けれど私にとっては何より大切な時間だったのです。

いつも決まって午後2時に店へ入り、奥まった同じ席に腰を下ろします。

窓の外をぼんやり眺めながら、誰にも邪魔されずに過ごせる、静かなひとときでした。

その習慣のことを、誰かに話した記憶はありません。

家族にすら、わざわざ言うようなことでもなかったのです。

スクールでの一言

通っていたカルチャースクールに、顔見知り程度の女性がいました。

年は私より少し上で、教室で会えば挨拶を交わす、その程度の関わりです。連絡先も、下の名前すらも知りませんでした。

ある日、その人が私の隣に来て、にこにこと話しかけてきました。

世間話の流れかと思って聞いていると、女性はふいにこう言ったのです。

「水曜日、後ろの席にいたの」

意味が分からず、私は返す言葉に詰まりました。

私があのカフェにいることを、どうしてこの人が知っているのでしょう。

その日の予定を、教室で口にした覚えなど、まるでないのです。

薄気味悪い理由

戸惑う私に、女性は悪びれもせず続けました。

私がいつも座る席の、すぐ後ろに、彼女もまた腰かけていたというのです。

同じ教室で挨拶していただけの相手が、私の午後をそこまで見ていたと知って、言葉を失いました。

「あなたの読んでる本、気になってたのよ」と、女性は楽しげに笑いました。

親しみのつもりなのかもしれません。けれど私には、その笑顔がどうにも薄気味悪く感じられてなりませんでした。

考えてみれば、私はその人に、行きつけの店の名前すら教えていません。

それなのに、座る席の位置まで言い当てられてしまいました。ひとりきりのはずだった時間が、ずっと誰かの視界の中にあったのだと気づいて、体が固まったのです。

翌週から、私はそのカフェへ通うのをやめました。

スクールの曜日もそっと変えて、その人と顔を合わせずにすむようにしたのです。

声を荒げることも、問い詰めることもしませんでした。ただ、水曜の午後がやってくるたびに、うなじのあたりに、かすかな視線の名残を感じてしまうのです。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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