1. トップ
  2. 「第一志望だけに囚われないでほしい」受験後の家族を取材した著者が語る、数年後の親子【著者インタビュー】

「第一志望だけに囚われないでほしい」受験後の家族を取材した著者が語る、数年後の親子【著者インタビュー】

  • 2026.8.2

【漫画】本編を読む

子どものための“伴走者”だったはずが、いつしか母自身が「合格」にとらわれていく……。

とーやあきこさんの『合格にとらわれた私 母親たちの中学受験』(KADOKAWA)は、中学受験を通した母親たちの葛藤を描いた物語。自分がかつて諦めた学校を娘・綾佳に挑戦させることにした真澄。しかし成績が伸び悩み、焦燥感を募らせる。そんな中、ママ友かなえの娘・まりんが下のクラスから綾佳のクラスに上がってくることに。まりんの飛躍を素直に喜べない真澄。それどころかさらに焦り、綾佳にきつく当たるようになってしまう……。一方、2家族と昔から仲が良く成績優秀な優也の母・潤子は、夫が自分の出身校以外を受験するなと息子にプレッシャーをかけることに疑問を感じる。とはいえ、潤子自身も学歴コンプレックスがあり、息子を守りきれないでいた。

数多くの取材を重ねて執筆したという本作。とーやさんに取材の中で見えた昨今の中学受験事情や、自身も経験したという子どもに辛い言葉をかけてしまうときの心境についてなど、話を伺った。

――中学受験で夫婦仲が険悪になるという話をよく聞きます。送迎やお弁当など物理的負担の偏りも発生しがちですよね。

とーやあきこさん(以下、とーや):物理的負担の偏りは、ある程度は避けられないものなのかなと思います。ただそれは「母親だから物理的負担が大きい」という話ではなく、ご夫婦それぞれの働き方によるところが大きいですよね。実際取材した中には、母親よりも働き方に融通がきく父親がメインで対応していたご家庭もありました。どちらにしても、片方に負担が偏ることはある程度覚悟しておいたほうがいい気がします。だからといって諦めるのではなく、「もう一方にお願いできることは何か」を話し合いながら、少しでも片方の負担を減らす方法を考えていくことが一番現実的なのではないかと思います。

また送迎やお弁当などの負担は仕方ないとしても、精神的負担まで片方だけにのしかからないように、ご夫婦でしっかりコミュニケーションを取ることは忘れてはいけないと思います。

――今まさに中学受験を控え、悩みを抱えているご夫婦も多いと思います。取材を通して感じたことを踏まえ、メッセージをお願いします。

とーや:作品を描き終えて数年が経ち、当時取材させていただいた方々に改めてお話を伺う機会があったんです。第一志望に合格した方も残念だった方も、数年後には「今の学校に進学できて本当によかった!」とおっしゃる方がほとんどでした。第一志望に届かなかった方の中には、気持ちの整理がつくまで時間がかかった方もいらっしゃいました。それでも最終的には、進学した学校を好きになるお子さんと保護者の方ばかりで。受験の最中は「とにかく第一志望に!」という思いが強くなるものだと思います。でも「そこだけに囚われて家族みんなが苦しくならないでください」とお伝えしたいですね。どんな結果であれ、最終的には必ずそれが良い道に繋がっているはずです。

取材・文=原智香

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ