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「そちらの親は、1円も出さないのか」結婚式の費用で揉めた義両親。何度説明しても通らなかった言い分

  • 2026.8.1

母が三度出した封筒

結婚が決まって初めて実家へ報告に行った日、母は話の途中で立ち上がり、仏壇の引き出しから封筒を出してきました。

「少しでいいから、これ使いなさい」

「二人で出すって決めたから。気持ちだけもらっとく」

「向こうのご両親に、失礼にならない?」

「ならないよ。夫のほうからも、ちゃんと話してあるから」

母は納得しない顔のまま封筒を戻しました。それから式までに、同じ封筒があと二度出てきます。三度とも私が断りました。

父は決めたのはあの子たちだと言って、金額の話には入りません。

振込の控えが先に届いた

秋の連休に夫だけが帰省して、その夜のうちに話は決まっていました。義父が式の費用を出すと言い出し、夫が断り、それでも押し切られたのだそうです。

数日後、振込の控えが郵便で届きました。夫はその日のうちに自分名義の口座へ移します。

「式が終わるまで、動かさない」

「返したほうがいいんじゃないの」

「返そうとしたよ。受け取ってもらえなかった」

ありがたい話です。息子の門出に何かしたい気持ちが、少し先に走っただけだとも思いました。ただ、その気持ちは、こちらの実家の話になると形を変えます。

同じ問いが、集まりのたびに戻ってくる

年末の集まりで、義父が湯呑みを置きながら言いました。

「そちらの親は、1円も出さないのか」

「うちは、どちらの親からも受け取らないと決めていて。母からの申し出も断っています」

「断る家があるか」

年明けにも、同じことを聞かれました。式の一か月前にも聞かれました。そのたびに同じ説明をして、そのたびに同じ顔をされます。四度目で、私は言い方を変えるのをやめました。

披露宴が終わった日の夜、親族だけが残った控室で、義父が夫に尋ねました。

「あの100万円は、何に使ったんだ」

「手をつけていません。式のぶんは、二人の口座から払い終わりました」

義父の目が、封筒でも探すように座卓の上をさまよいました。口を開きかけて、息だけが出ます。

「……そうか」

義母が横から手を伸ばして、義父の湯呑みを下げました。

「出したかったのは、あなたでしょう。この子たちに勘定させないの」

義父はうつむいて、それきり何も聞きませんでした。

説明は最後まで届きませんでした。届かないまま、式は私たちのお金で終わっています。あれから義父は、うちの実家の話を一度もしません。100万円は、いまも手つかずのまま夫の口座にあります。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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