1. トップ
  2. エンタメ
  3. かつて『絹の国』だった日本→現在のシェアは“わずか0.13%”…養蚕農家を待ち受ける【厳しい現実】とは

かつて『絹の国』だった日本→現在のシェアは“わずか0.13%”…養蚕農家を待ち受ける【厳しい現実】とは

  • 2026.8.27
undefined
(C)主に日本の歴史のことを話すラジオ

『主に日本の歴史のことを話すラジオ(おもれき)』は、日本の歴史をテーマに歴史好きな2人が雑談を繰り広げるポッドキャスト番組。パーソナリティのKELLY(ケリー)さんと水無月(みなづき)さんが、毎回ひとつの歴史テーマをゆるーく語り合います。

今回のテーマは「富岡製糸場(とみおかせいしじょう)」。ただし今回追いかけるのは、工場そのものではありません。かつて日本の近代化を支えた養蚕(ようさん)や製糸の産業が、今どうなっているのか。その現状に迫ります。

養蚕農家は全国でたった113戸!しかも85%が“後継者なし”

まず、驚きの数字から。絹糸作りに欠かせないものといえば「カイコ(蛾の幼虫)」ですが、このカイコを育てる「養蚕農家(ようさんのうか)」は、現在、日本全国でたった113戸しかないそうです。

さらに衝撃なのが、かつての数との比較です。養蚕農家のピークは1929年で、なんと220万戸もありました。それが今や113戸…。桁が何個も違う激減ぶりに、思わず言葉を失ってしまいますね。

undefined
写真:PhotoAC ※画像はイメージです

しかも、その先も明るくありません。2024年の時点で、養蚕農家の経営者の65%が70歳以上。そして85%には後継者がいないというのです。つまり、「自分が辞めたら、もう終わり」という農家がほとんど。まさに風前の灯というほかない状況です。

作るほど赤字!?養蚕農家が続けられない切ない事情

ではなぜ、こんなに減ってしまったのでしょう?

背景にあるのは、絹をめぐる時代の変化です。安くて扱いやすい化学繊維が広まり、海外からも安い生糸が入ってきました。今や国産の生糸のシェアは、わずか0.13%ほど。ほとんどが外国産という状態です。絹の着物を着る機会も減り、日用品からはすっかり姿を消しました。

また、お金の問題もあります。絹糸をとるための繭は、今、作れば作るほど赤字になってしまう状態なのだそう。繭を1キロ作るのにかかる費用は、およそ4,400円。ところが、売れる値段は2,665円ほど。作るたびに、2,000円近い赤字が出てしまう計算です。これでは、続けたくても続けられません。

KELLYさんと水無月さんも「お金を減らすためにやる人はいないよね」と、切なそうに語ります。手間ひまかけて育てるほど損をする…。この構造が、養蚕農家をじわじわと追い詰めてきたのですね。

琴や三味線の糸に残る!絹の活躍場所

それでも、絹が今なお活躍する場所があります。そのひとつが、和楽器です。琴や三味線の糸には、今も一部で絹が使われているのだそう。こうした特殊な用途で、国産の繭がわずかに生き残っているとのことです。

日本を支えた産業の、今

世界一の生糸を生み出し、日本の近代を支えた養蚕・製糸の産業。その担い手が、今では風前の灯となっています。

かつての花形が、こうして移り変わっていく…。産業の栄枯盛衰を感じる回でした。次に絹製品を目にしたら、その貴重さと日本の歴史に、少し思いを馳せてみたくなりますね。

※番組内のお話は、『富岡製糸場 継承される改革の歴史』(富岡市・岡野雅枝 編著)を参考にしているそうです。気になった方は、ぜひ手に取ってみてくださいね。


主に日本の歴史のことを話すラジオ
おもれき672 富岡製糸場(後編)

[配信日時]2026年7月25日
[出演者]KELLY、水無月
[番組URL]https://open.spotify.com/episode/262cp2Vs2YqZ2c1i7x61AT?si=1MDNy4cQRe6ToE3whKhVhg

(C)主に日本の歴史のことを話すラジオ

の記事をもっとみる

注目コンテンツ