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【ゾッとする怖い話】ギシ。ギシ。階段の電球をつけっぱなしにしている理由【ホラー小説】

  • 2026.7.30
薄暗い古い木造住宅の階段。天井の照明が一つだけ灯り、奥へ階段が続いている。
出典:stock.adobe.com

「階段の電球を絶対に切らしてはいけない」というバイト先の奇妙な決まり。 面倒に感じて放置したある日、閉店間際で誰もいないはずの二階から、誰かが一段ずつ降りてくる足音が響き渡りました。

階段の電球

大学生の頃、古民家を改装したカフェでアルバイトをしていました。

建物は築100年近いそうで、床が軋んだり建具が閉まりにくかったりするのは日常茶飯事。
そして、いくつか不思議な決まりがありました。

閉店作業のとき、階段の照明だけは必ず点灯しているか確認して、つけっぱなしにしておくこと。
階段の照明が切れていたら、確認した人が即交換すること。

店長がものすごく口酸っぱくそういうんです。

「お客様が転んだら危ないからですか?」と聞いたことがあります。
すると店長は少し考えてから、「……それもある」とだけ答えました。

雰囲気を残すためにLEDが使えなくて、白熱球っていうんですか?古いタイプの電球を使ってたんですよね。
しかもなんでか階段の電球だけ異様に切れるペースが早くて、正直面倒でした。

閉店後の来店ベル

ある日、閉店間際に階段の電球が切れました。

私がみつけたんですが、もう閉店だし、交換用の電球も切れていて、翌日に変えることにしたんです。次の日もシフト入ってたし。

店を閉めてレジ締めをしていると、

チリン。

入口のベルが鳴りました。

「あ、すみません。もう閉店です」

入口を見ると、誰もいません。
働きすぎて空耳が聞こえたのかと思って作業を続けようとした瞬間、今度は階段のほうから、

ギシ。ギシ。

誰かが降りてくる音がしました。

2階には客席もスタッフルームもありません。
倉庫があるだけです。

私は思わずフロアを見渡してスタッフの数を確認しました。
全員います。

恐る恐る階段を見ると、電球は切れたまま、真っ暗でした。

「誰かいる……?」

呼びかけてみましたが返事はありません。
急な階段だし、電気も切れているし危ないということで、その日は全員退勤時に点呼をとってあがることにしました。

店長が怒った理由

翌朝その話をすると、店長は珍しく顔色を変えて怒りました。

「昨日のうちに電球替えなかったの?」

事情を話すと、店長は深いため息をついて言いました。

「だからじゃん。だから、すぐ交換してっていってんの」

「だから」とは、どういうことだったんでしょう。
理由は聞かせてもらえませんかでしたが、その日から私は閉店作業の担当を外れました。

今でもあの店は営業しています。
口コミを見ると、ときどき同じような投稿があります。

「2階から人が降りてくる音がしたのに、誰も2階席から降りてこない」

あの店、2階席なんて無いのに。
その人が行った時には電球が切れてたのかも知れないですね。

※この物語はフィクションです。
※この記事に使用している画像はイメージです。

◆味醂 子どもの頃から怖い話が好きで、ホラー小説やネット怪談など、文章作品を中心に親しんできました。 映像作品の痛そうな表現や急に驚かせる演出は少し苦手ですが、想像がふくらむ怖さや、日常の違和感が少しずつ不穏さを増していくような話に惹かれます。 読んだあとふとした瞬間に思い出してしまうような“あとから効いてくる怖さ”を大切にしています。 【SNS】 X:@a_mirin0223

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