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契約はWebで一瞬なのに…解約窓口が「0570」有料電話のみ、法的に問題はないのか?弁護士に聞いてみた

  • 2026.8.30
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

サブスクリプションサービスや通信販売などを利用する際、解約手続きの方法が「電話のみ」と定められているケースがあります。なかには、解約窓口として「0570」から始まる有料のナビダイヤルが指定されていることも。

SNSでは、こうした解約方法について「電話がつながるまで待っている間にも通話料がかかる」「解約したいのに電話がなかなかつながらない」といった声が見られます。

契約時にはWeb上で簡単に申し込めたにもかかわらず、解約は有料電話でしか受け付けてもらえない場合、法的に問題はないのでしょうか。また、電話がつながらない場合、メールなど別の方法で解約を申し出ることはできるのでしょうか。

今回は、解約窓口を「0570」から始まる有料電話に限定することの法的な考え方や、電話がつながらない場合の対応について、弁護士の寺林智栄さんに伺いました。

解約窓口が「0570」の有料電話だけ…法的に問題はない?

---解約窓口を「0570」から始まる有料電話に限定することは、法的に問題ないのでしょうか?

寺林智栄さん:

「解約窓口を『0570』から始まる有料電話に限定すること自体が、直ちに消費者契約法違反となるわけではありません。0570番号は通話料がかかるサービスですが、消費者に電話での解約手続きを求めること自体を一律に禁止する規定もありません。

もっとも、解約のために長時間待たされる、電話が極めてつながりにくい、受付時間が著しく限定されているなど、消費者が実質的に解約できないような状況が作られている場合には問題となり得ます。国民生活センターも、解約方法が電話に限定されているケースについて、電話がつながらない場合には、発信履歴など解約を申し出ようとした証拠を残すよう注意喚起しています。

また、契約類型によっては、特定商取引法などにより解約に関する表示や中途解約のルールが定められています。そのため、『0570だから違法』と考えるのではなく、契約時に解約条件が適切に表示されていたか、実際に解約手続を利用できる状態だったかなどを総合的に検討する必要があります。

事業者としては、0570番号を解約窓口に設定する場合でも、消費者が過度な負担なく、現実に解約できる仕組みを確保することが重要です。」

電話がつながらない…メールや郵送で解約を申し出てもいい?

---解約方法が「電話のみ」と定められているにもかかわらず、何度かけても電話がつながらない場合、メールや郵送など別の方法で解約を申し出ることはできるのでしょうか?

寺林智栄さん:

「解約方法が契約上『電話のみ』と定められている場合、原則として、契約者はその指定された方法によって解約を申し出る必要があります。そのため、電話が正常につながるにもかかわらず、消費者がメールや郵送で一方的に解約を通知しただけで、当然に解約が成立するとまではいえません。

もっとも、指定された電話番号に何度かけてもつながらない、受付時間が極端に限定されているなど、事業者側の事情によって指定された方法で解約することが事実上困難な場合には、別の方法で解約の意思を伝えたことが、解約の意思表示をしたことを示す重要な証拠となります。国民生活センターも、電話のみとされていても電話がつながらない場合には、メール等で『解約のために電話をしているがつながらない』旨を連絡し、電話やメールの履歴を保存するよう案内しています。

したがって、電話がつながらない場合には、メール、郵送、FAXなどで解約の意思を明確に伝え、発信日時や内容が分かる記録を残しておくことが重要です。後日、事業者と解約時期をめぐって争いになった場合にも、その記録が重要な証拠となります。」

「解約したいのにできない」状態が続いたら、事業者側の問題になる?

---電話がつながらないために解約手続きを進められない状態が続いた場合、事業者側の対応が法的に問題となることはありますか?

寺林智栄さん:

「電話がつながらないために解約手続きを進められない状態が続く場合、事業者の対応が法的に問題となる可能性があります。

消費者庁の『消費者契約に関する検討会』の報告書でも、解約方法を電話に限定しているにもかかわらず、電話がつながりにくいなど、事業者の運用によって消費者の解約が困難となるケースが問題として取り上げられています。特に、契約を簡単に締結できる一方で、解約手続だけを著しく困難にするような運用については、消費者の解約権を実質的に妨げるものとして問題となり得ます。

もっとも、電話が一度つながらなかったというだけで、直ちに解約が成立したり、事業者の違法行為が認定されたりするわけではありません。重要なのは、電話がつながらない状態が継続していることや、解約期限が迫っているにもかかわらず事業者が十分な対応をしないなど、具体的な事情があることです。

国民生活センターも、解約の電話がつながらない場合には、電話の発信履歴やメールの送信記録など、解約を申し出ようとした証拠を残すよう案内しています。

したがって、消費者としては、電話をかけた日時や回数、通話履歴、メール等による連絡内容を記録しておくことが重要です。事業者側も、消費者が現実に解約できる程度の受付体制を整えることが求められるでしょう。」

「0570だから違法」とは限らない。つながらないときは記録を残すことが重要

解約窓口が「0570」から始まる有料電話に限定されているからといって、それだけで直ちに違法となるわけではありません。一方で、電話が極めてつながりにくい、受付時間が著しく限られているなど、実質的に解約が困難な状態になっている場合には、事業者側の対応が問題となる可能性があります。

また、契約上「電話のみ」とされている場合、メールや郵送で連絡しただけで当然に解約が成立するとは限らないとのこと。ただし、何度電話をかけてもつながらない場合には、発信履歴を残したうえで、メールや郵送などでも解約の意思を伝え、その記録を保存しておくことが大切です。

解約期限が迫っている場合なども、「電話がつながらないから仕方ない」とそのままにするのではなく、いつ、何度電話をかけたのか、ほかの方法でどのような連絡をしたのかが分かる記録を残しておくことが、トラブルに備えるうえで重要といえるでしょう。


監修者:寺林智栄

2007年弁護士登録。札幌弁護士会。てらばやし法律事務所。2013年頃よりネット上で法律記事の執筆・監修を開始。Yahoo!トピックスで複数回1位獲得。読む方にとってわかりやすい解説を心がけています。

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