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水泳教室の送迎バスで…運転手「吹き出しそうになった」車内ミラー越しに見た“父親の姿”とは…?

  • 2026.8.21
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。送迎バスの運行管理やバス運転士の経験を持つVenus☆トラベルです。

今回紹介するのは、16年ほど前に乗務していたスイミングスクール送迎バスでのお話です。

乗務していたのは、マイクロバスと路線バスの中間サイズにあたる中型バスで、立って乗車できるつり革のある送迎バスでした。マイクロバスよりも乗車人数が多く、時間に追われるダイヤだったことが、今でも強く印象に残っている乗務です。

ある日曜日、スイミングスクールの大会で車内は生徒や保護者で賑わっており、そんな車内で起きたホッコリエピソードを紹介します。

あまり好きではなかった日曜日の出勤でしたが、こんなできごとがあるなら、休日出勤もたまには悪くないなと思えました。

ブレーキやハンドル操作に気をつかう中型バス

26歳でバス会社に入社した私は、27歳で大型バス免許を取得しました。営業職のかたわら、専属運転士の代わりに乗務していたため、中型バスの運転は50回程度しか経験がありませんでした。

マイクロバスとは違い、エアブレーキはつま先に力を入れて踏むと、どんなに優しく踏んだつもりでも急ブレーキになってしまいます。また、運転席の後ろに前輪があるため、ハンドルを回すタイミングも大きく異なります。

そのため、当時は大型バスや中型バスの乗務前日は、胃がキリキリするほど緊張したものです。

もちろん、スイミングスクールの乗務をした当日も、朝から緊張で何度もイメージトレーニングをするほどでした。

しかし、そんな緊張感も良い方向に向かえば、安全かつ慎重な運転につながります。ただ、乗客が安心してバスを利用できるよう、緊張が伝わらないようにするのに必死だったのを覚えています。

日曜日のスクールバスは子どもや保護者で大賑わい

スイミングスクールでは定期的に試験や大会が日曜日に実施されていました。乗務していた日は保護者が多く観覧しにくる大会の1つが開催されており、車内は大賑わいとなりました。

保護者だけでなく、子どもも座席の手すりに掴まって乗車しているため、ブレーキ操作にとても神経を使う1日となりました。

いつも以上に車内ミラーで車内の安全を確認しつつ、つり革や手すりにつかまる乗客の様子を意識して見ていました。そんなとき、ふと目に入ったのが、子どもの話に対し必死に耳を傾けていたある父親の姿でした。

母親と子どもは座席に座り、父親はつり革に掴まっています。家族で仲良く話している姿を見て、ふと私も「娘と息子は今頃何をしているかな」と感じながら運転していたことを今でも覚えています。

再び信号待ちで停車したとき、車内ミラー越しに父親の姿を見て、ふと笑いが込みあげてきました。つり革を持つ腕を伸ばし、重心を移動させながらストレッチしているのを目にしたからです。

気になりだしたら止まらない父親のつり革ストレッチ

子どもの行事とはいえ、日曜日に朝から出かけることで、父親は疲れがピークに達しているのかもしれません。

次に見たときは、つり革を持ちながら体をエビ反りさせている姿でした。さすがに吹き出しそうになってしまった私は、慌てて視線を前方に向け、青信号になるのを待って発車させました。

体をひねったり、首を回したりしつつ、子どもが「大会で1位を取る!」と言えば「よっしゃ!ちゃんと見てるからなぁ!」と答えている姿に、私は頭が下がる思いでした。

家族のために日々働き、休日には子どもの行事に参加している姿は、私も見習いたいと襟を正す気持ちでいっぱいだったのを、今でもはっきりと覚えています。

「お疲れさま」という言葉の大切さ

スイミングスクールに到着すると、子どもに手を引かれてその家族は降車していきました。

何気なく、「日曜日にご苦労さまです」と言った私の言葉が耳に届いたのか、一瞬私の方へ振り向いた父親は、一言だけ言葉をかけてくれました。

「お互いさまですよ。お疲れさまです!」

お互い、ほんの少しの言葉をかけあっただけですが、私はその方からの「お疲れさま」という言葉に感謝を覚えました。

日曜日、運転士が送迎バスに乗務していても「お疲れさま」と言われることはほとんどありません。仕事だから当たり前かもしれませんが、声をかけていただけただけで、本当に嬉しく感じたものです。

思いがけずいただいた優しい言葉に、当時の私は「言葉って大切なんだなぁ」と改めて実感しました。そして、今でもお世話になったら「ありがとう」「いつもありがとう」と相手に声を届けるようにしています。


ライター:Venus☆トラベル

近畿地方でバスの運転に関わる仕事に携わって約12年、多くの送迎バスを運転しました。幼稚園や自治体、企業や施設など、それぞれの場所で学ぶことが多くありました。その反面、運転士視点で感じた心の声をリアルにお届けします。


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