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「普通は、横に入れるだろ!」商品の入れ方にキレた客。だが、店員の主張に対して、後日送られてきた要望とは

  • 2026.7.26

休日のレジに飛んできた物

商店街の外れの洋菓子店で、学生のころからレジに立っていました。

和菓子も一緒に並ぶ店で、休日の午後は列が途切れません。

その日も、ショーケースの前に十人ほどが並んでいました。会計をして、化粧箱に詰めて、紙袋に入れる。同じ手順の繰り返しです。

次のお客様へ向き直った瞬間、カウンターの上で何かが跳ねました。ポイントカードでした。

顔を上げると、腕を組んだ男性のお客様がこちらを睨んでいました。

「いらっしゃいませ。商品をお預かりいたします」

気にしてはいけない、と言い聞かせました。

焼き菓子を数えて化粧箱に並べ、蓋を閉め、紙袋の口を広げます。

箱の幅と、袋のマチ

「普通は、横に入れるだろ!」

怒鳴り声で、列の後ろまで空気が止まりました。

お客様が言う横とは、蓋を上に向けて寝かせる入れ方でした。けれどこの化粧箱は平たい形で、寝かせたときの幅が紙袋のマチに収まりません。

だから立てて滑り込ませていたのです。

「申し訳ありません。お渡しできる紙袋は、これが一番大きなものでして」

「言い訳するのか」

「袋のマチが、箱の側面と同じ幅しかございません。蓋を上に向けたままでは口に入らないんです。立ててお入れしても中身が寄らないよう、間に紙を挟んでおります」

男性は紙袋を掴んで、口の内側を覗き込みました。指がマチの縁で止まり、顔の色が変わっていくのが分かります。

「だったら、もっと大きい袋を出せよ」

「ご用意がございません。申し訳ありません」

言いかけた口が、そのまま閉じました。

「は」

短く息を吐いて、舌打ちをひとつ残し、男性は出ていきました。

次に並んでいた年配のお客様が、カードをそっとカウンターに置きます。

「今の説明、こっちまでよく分かったわよ」

本部から回ってきた一覧

数週間後、本部からお申し出の一覧が各店に回ってきました。日付を追っていくと、見覚えのある行があります。紙袋への入れ方でお叱りをいただいた件でした。

回答の欄には、今後お客様のご要望にお応えできるよう検討いたします、と書かれていました。

「怒られたのかと思いました」

「怒られてないよ。袋のほうを作り直す話になってる」

店長は一覧を事務所の壁に貼りました。

季節がひとつ変わったころ、届いた紙袋はマチが深くなっていました。蓋を上に向けたまま、化粧箱が音もなく収まります。

「あの日、最後まで説明してくれたからだね」

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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