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【手稲】テニスクラブにネギの海。 滋味深い鶏塩と緑の誘惑【つくし】

  • 2026.7.22

テニスコートの風に吹かれて、幻の「二刀流」をすする

札幌市手稲区の「曙テニスクラブ」。

青空に映える赤い屋根のロッジへ一歩足を踏み入れれば、そこは知る人ぞ知る蕎麦の隠れ家「つくし」である。

今回は、テニスラケットの代わりに割り箸を握りしめ、ここでしか出会えない唯一無二の一杯を堪能してきた。

出典:リビング札幌Web

クラブハウスの20分は至高のプロローグ

お昼時に訪れると、小さな店内は満席。階下のクラブハウスで待つよう案内される。

一見、ただのウエイティングタイムだが、これが良い。

小学生の試合成績などを眺めつつこれから始まる美食への期待値を高める、これ以上ないプロローグなのだ。

20分後、いよいよお呼びがかかり、期待に胸を膨らませて階段を上がる。

出典:リビング札幌Web
出典:リビング札幌Web

窓辺の特等席と「インドア避難勧告」

案内された席の窓からは、美しく整備されたテニスコートが一望できる。

そのパノラマ感は、まるで走る電車の車窓を眺めているかのようだ。

この日は容赦ない夏の日差し。お昼を食べに来た常連の会員さんが「暑すぎるからインドアで練習するわ」と苦笑いしていた。

そんな外の猛暑を横目に、涼しい室内で蕎麦を待つ時間は、実に贅沢な背徳感に満ちている。

出典:リビング札幌Web
出典:リビング札幌Web
出典:リビング札幌Web

ネギの海から現れた、滋味なる主役

注文したのは「鶏塩そば」。

運ばれてきた器を見て圧倒された。

表面が、これでもかと刻まれた鮮やかなネギの海で埋め尽くされている。

まずはスープを一口。澄み切った塩スープに鶏の旨味とネギの爽やかな香りが溶け込み、体にじんわりと染み渡る。

ネギの海を少し掻き分けると、中からぷりっとした鶏肉が顔を出す。

これがまたジューシーで、噛むほどに滋味深いコクが溢れ出す名優であった。

出典:リビング札幌Web
出典:リビング札幌Web
出典:リビング札幌Web

梅肉と、お値段3〜4倍の黒い衝撃

仕掛けはこれだけではない。

注文時に「梅は食べられますか?」と聞かれた理由が、後半に判明する。

添えられた真っ赤な梅肉をスープに溶かすと、上品な酸味が加わり見事な味変を遂げるのだ。

さらに、卓上の木筒から京都・祇園「原了郭」の黒七味をハラリ。

ご店主が「これ、普通の七味の3〜4倍の値段なんですよ」と教えてくれた。

山椒の華やかな香りとビリリとした辛みが加わり、スープの破壊力は最高潮に達する。

出典:リビング札幌Web
出典:リビング札幌Web

お盆の上のシンメトリーと「幻の二刀流」

ところで、筆者のお盆にはなぜか黒七味が2本、器を挟んで完璧な左右対称で並んでいた。

北海道が生んだあのメジャーリーガーにあやかり、「これは両手に携えて二刀流でかけろという、店主からの熱いメッセージか」と胸を熱くした。

……が、直後にご店主が「あ、間違えて出しちゃった!」と照れ笑い。他のお客さんの元へと1本回収されていった。

そんなチャーミングなハプニングも含め、心もお腹も満たされる、手稲の夏の一幕であった。

出典:リビング札幌Web
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