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「重点的に見回ります」宿泊していたホテル。だが、謎の影に恐怖した瞬間

  • 2026.7.17

廊下の奥で気づいた気配

仕事の資格を取るため、私は自宅から通えない土地での研修に参加していた。

宿泊費は自費だったので、できるだけ安く、それでいて女性ひとりでも安心できそうな、駅前の小さなホテルを選んだ。

あてがわれたのは、廊下の一番奥の部屋だった。

滞在して二週間ほど経った、ある夜のことだ。

部屋でパソコンに向かっていると、ドアの外に人の気配を感じた。

床とドアのわずかな隙間から差し込む廊下の光が、誰かの足元の影でさえぎられている。

私の部屋は突き当たりで、向かいは壁だ。

ここを通り過ぎてどこかへ行く人など、いるはずがなかった。

部屋を間違えたのだろうか。そう思って、私はやり過ごすことにした。

やがて、足音が遠ざかるように、音はふっと消えた。

その夜は、何かの勘違いだったのかもしれないと、自分に言い聞かせて眠った。

けれど翌日の夜も、同じ時刻に、まったく同じことが起きた。

ドアの隙間に立つ影、そして大音量のテレビ。偶然ではない。誰かが、この部屋の前でわざとやっている。そう確信すると、背中に冷たいものが走った。

フロントに伝えた翌日

ここに女性がひとりで泊まっていると知った誰かの、嫌がらせなのかもしれない。

そう考えると、残りの数日をこのまま黙って耐える気にはなれなかった。

翌朝、私は勇気を出してフロントへ向かい、夜ごとのできごとを打ち明けた。

応対してくれたのは、物腰のやわらかい年配のスタッフだった。

そして、廊下の奥は死角になりやすいこと、深夜の見回りがこれまで手薄になっていたことを、正直に詫びてくれた。

「今夜から、あの廊下は重点的に見回ります。何かあれば、内線ですぐに呼んでください」

その言葉に、張りつめていた気持ちが、ようやくほどけた。

その夜、私は身構えて時計を見つめていた。

けれど、あの時刻になっても、扉の外は静かなままだった。

人影も、二度と現れなかった。

あとで分かったことだが、スタッフはあの晩から、奥の廊下を何度も巡回してくれていたという。

誰かがいたずらを仕掛ける隙は、もうどこにも残っていなかったのだ。

残りの数日を、私は久しぶりにぐっすりと眠って過ごした。ひとこと伝える勇気が、こんなにも夜を静かにしてくれるとは思わなかった。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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