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「分けたんだね、食器」と言った彼女→帰宅後、俺はやっと言いたかったことを言えた

  • 2026.7.17
ハウコレ

半年前に欠けさせたマグカップを、彼女は「気にしないで、ヒビ程度だから」と笑った。けれどその日から、棚の奥にしまい直していたことに、俺は気づいていました。

食洗機から取り出した自分の茶碗を、俺はあの日から、下の棚にしまうようになりました。

マグカップを欠けさせた日のこと

半年前、自分の食器を取り出そうとしていた時、誤って彼女のお気に入りのマグカップを落とし、欠けさせてしまいました。「気にしないで、ヒビ程度だから」彼女はそう笑って、そのまま使い続けていました。ただ何日か経って、欠けた縁を気にして、棚の奥に置き直していることに気づきました。俺の手が大きいせいで、彼女のものを欠けさせたのは、それが初めてではありませんでした。

皿を分けるのは、線を引くためではない

休みの日、彼女が出かけている間に、俺は食器棚を勝手に整理しました。自分が日常で使うものだけを、下の段にまとめたのです。彼女が戻ってから、何か聞かれたら理由を話すつもりでいました。けれど彼女は何も言わず、2日目、洗い物の手を止めて彼女は口を開きました。「分けたんだね、食器」俺は「うん、その方が便利だから」とだけ返しました。あまりにも突然で、話すのが苦手な俺はきちんと説明できなかったのです。

「一緒に暮らさない方がいいのかな」と隣の声がした

電気を消した部屋で、彼女が天井に向かって言いました。「私たち、もう一緒に暮らさない方がいいのかな」俺は身を起こしかけて、声を抑え直しました。「何の話?」別れ話を切り出されるのではないかと、布団の中で次の言葉を待ちました。彼女は、食器棚のことを話し始めました。俺は、自分の口数の少なさが、こんな形で彼女を追い詰めていたことを、その時はじめて知ったのです。

そして...

俺は帰宅後、半年前のマグカップの話を始めました。彼女が欠けた縁を気にしていたのを見て、自分の不器用さを自覚したこと。「自分の食器を分けたら、お前のものに俺の手が当たらなくなると思って」そう伝えると、彼女は布団の中で笑ったような、安心したような音を立てました。翌週、2人で陶器市に行って、新しいお気に入りのマグカップを2つ買いました。食器の棚は、また同じ段に戻しています。

(30代男性・エンジニア)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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