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動画配信収益化にのめり込む母親の狂気。「子どもを発信する罪」を描いた衝撃作【著性インタビュー】

  • 2026.7.14

【漫画】本編を読む

誰でも気軽にSNSや動画で日常を配信できる今の時代、問題視されているのが親が子どもの写真や動画をアップする「シェアレンティング」だ。一度ネットに流れた写真や動画は、完全に削除するのが難しい。その危険性を、私たちは本当に理解しているだろうか。『子どもをネットにさらすのは罪ですか?』(まきりえこ/KADOKAWA)は、そんな社会問題に切り込んだセミフィクションのコミックエッセイだ。

主人公は、モラハラ夫との離婚を目論む山田あずさ。窮屈な日常から抜け出すため、動画配信サービス「デイチューブ」でこっそり配信を始めたところ、予想以上の反響を得た。もっと人気になりたい――。そう思うようになったあずさは、視聴者から好評だった娘・ふうかの出演を増やすように。歪んだ承認欲求は、やがて親子関係に暗い影を落としていく。

自身も母親である著者は、なぜこのテーマを描こうと思ったのか。また、作品を通して読者に伝えたかった想いとは…? 制作の裏側や親という立場であるからこそ感じた葛藤を、著者のまきりえこさんに伺った。

――本作は、主人公・あずさの動画配信者としての葛藤を通して、我が子の姿をネット上にアップすることの是非を問う現代的な作品です。このテーマを着想したきっかけを教えてください。

まきりえこさん(以下、まき):苦しい現実からの一発逆転ツールとして、趣味の発信を通して収益化を夢見る主人公を描きたい、と思ったことがきっかけです。

主人公あずさは、モラハラな夫が支配する家庭で子育てをしています。離婚や自立を望んでいますが、思うようにはいきません。料理動画の配信は、あずさがたまたま見つけた唯一の息抜きでしたが、夫の裏切りを機に、経済的自立のための希望になっていきます。

あずさの姿を通して、自己実現を目指した女性の、さなぎが脱皮するように変わっていく過程を描きたいと思いました。

――タイトルには“罪”という強い言葉が使われていますね。類語も多々ありますが、あえて“罪”を採用した理由を教えてください。

まき:あずさは娘・ふうかを大切に思っています。最初はふうかとの未来を守るために「動画配信でインフルエンサーになりたい」と思っていましたが、ランキングやアクセス数に一喜一憂する中で、ふうかの気持ちは置き去りにされていきます。あずさは自分の変化に気づきますが、もう後戻りはできません。

自分のやっていることは「罪」。あずさがそう自覚していることを踏まえつつ、「ダメじゃないよ」と周りに言ってもらうことを期待するような雰囲気は出さないようにしたいと思い、「罪」という強い言葉を選びました。

――本作はご自身の体験も踏まえたセミフィクションだそうですね。

まき:私は元ブロガーです。あるブログサービスでは、子育てカテゴリーで1位でした。そのご縁で書籍が出せ、コミックエッセイストになれました。本作ではあの頃の、“何も持っていないただの主婦だった自分”が受け入れられて人気になっていく、魔法のような時間を参考にしています。

題材を動画配信サービスにしたのは、人気YouTuberさんの動画を漫画化した経験からです。動画の世界は想像以上にファンの熱量が高く、驚きました。そんな経験もあり、この世界を描きたいと思ったんです。

取材・文=古川諭香

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