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子どものダイエットの目的は体重を減らすではなく未来を育てること。クリニック院長加藤先生に伺いました

  • 2026.7.13

体型を気にしすぎの我が子。そこまで気にすることはないと思うけれど、こちらの言葉にイマイチぴんときていない・・・そんなとき、どういう風に接してあげればいい?今回は、たいや内科クリニック院長の加藤大也先生に子どものダイエットについてお伺いしました。

ママ広場

体型を気にする子どもへ、どんな言葉をかけてあげたらいい?

明らかに太っているようには見えないのに、
「私、太っているよね」
「もっと痩せたい」
「体重が増えるのが怖い」
お子さんがそう言うことがあります。保護者としては、すぐに「全然太っていないよ」と言いたくなるかもしれません。もちろん、それは愛情から出る言葉です。しかし、子どもが本気で悩んでいるとき、「そんなことないよ」だけでは、気持ちが届かないことがあります。

まず大切なのは、子どもの不安を否定しないことです。「太っていないから気にしなくていい」と言われると、子どもは「分かってもらえなかった」と感じることがあります。体型への不安は、実際の体型だけで決まるものではありません。友達との比較、SNSの加工された写真、服のサイズ、思春期の体の変化、誰かの何気ない一言が、子どもの心に大きく影響することがあります。
おすすめしたい声かけは、体型を評価する言葉ではなく、気持ちを受け止める言葉です。
「そう感じるくらい、何かつらいことがあったんだね」
「いつから気になっているの?」
「誰かと比べて苦しくなっているのかな」
「体のことを考えると、不安になることがあるんだね」
このような言葉は、子どもに「自分の気持ちを話していいんだ」と感じさせます。子どもは、自分の体の話をしているようで、実は「自分には価値があるのか」を確かめていることがあります。

避けたい言葉もあります。
「そんなに気にするなんておかしい」
「贅沢な悩みだよ」
「もっと太っている子もいるよ」
「今のままでかわいいから大丈夫」
励ましのつもりでも、子どもには届きにくいことがあります。特に「かわいい」「細い」といった外見中心の評価は、一時的には安心させても、「自分の価値は見た目で決まる」という考えを強めてしまうことがあります。
代わりに伝えたいのは、体の役割です。
「あなたの体は、学校へ行くため、笑うため、走るため、考えるため、好きなことをするために、毎日働いてくれているんだよ」
「体重は、あなたの価値を決める数字ではないよ」
「大切なのは、体を小さくすることではなく、元気に過ごせる体を守ることだよ」
こうした言葉は、子どもの視線を『見た目』から『生きる力』へ戻してくれます。
家庭の中で、体型を比較する会話を減らすことも大切です。きょうだい、友達、芸能人、親自身の体型について、「太った」「痩せた」「スタイルがいい」と日常的に話していると、子どもは体を評価されるものとして受け止めやすくなります。家族の会話を、「今日はよく眠れた?」「体は疲れていない?」「楽しかったことはあった?」という健康や心の話に変えていくことが、子どもの安心につながります。

また、体重計との付き合い方も見直しましょう。毎日何度も体重を測る。少し増えただけで落ち込む。食事量を極端に減らす。鏡で体型確認を繰り返す。こうした様子があれば、体重へのこだわりが強くなっているサインです。
成長期は、身長が伸び、筋肉や骨も増えるため、体重が増えること自体が自然な成長である場合もあります。ただし、体重の増え方や身長の伸び方には個人差があります。数字だけで判断せず、成長曲線、肥満度、身長の伸び、元気さ、睡眠、月経、学校生活、運動量などを総合的に見ることが大切です。必要に応じて、小児科で確認してもらうと、保護者も子どもも安心しやすくなります。

受診を考えるべきサインとしては、明らかに食事量が減っている、食べることへの罪悪感が強い、月経が止まる、寒がりになる、疲れやすい、イライラや落ち込みが増える、友人との食事を避けるなどがあります。このような場合は、摂食障害の初期サインであることもあります。早めに小児科やかかりつけ医へ相談し、必要に応じて心療内科、児童精神科、管理栄養士などにつなげてもらいましょう。
子どもにかける言葉で最も大切なのは、
「あなたは体型に関係なく、大切な存在だ」
と伝えることです。
体重の数字が増えても減っても、親の愛情は変わらない。その安心感が、子どもが自分の体を大切にする土台になります。見た目を直す前に、まず安心できる言葉を届けてあげてください。

ママ広場

子どものダイエットは「体重を減らす」より「未来を育てる」こと

子どものダイエットについて考えるとき、最初に確認したいことがあります。それは、子どもの体重管理の目的は「細くすること」ではなく、「健康に成長すること」だということです。
大人のダイエットでは、体重を減らすことが目標になりがちです。しかし、子どもは違います。身長が伸び、骨や筋肉が発達し、心も変化していきます。そのため、体重を減らすことだけを目指すと、かえって健康を損なうことがあります。子どもの体重管理では、体重を落とすことよりも、成長を妨げずに生活習慣を整えることが大切です。

子どもの肥満の多くは、食事量、間食、甘い飲み物、運動不足、睡眠不足、生活リズムの乱れなどが関係します。しかし、中には病気が隠れていることもあります。たとえば、急に体重が増えたのに身長が伸びにくい、強い疲れやむくみがある、のどの渇きや尿の回数が多い、いびきが強い、月経異常がある場合などは、医療機関での確認が必要です。「太ったのは本人の努力不足」と決めつけないことが大切です。

家庭でできる体重管理の基本は、子どもだけを変えようとしないことです。
「あなたが痩せなさい」ではなく、
「家族で健康な生活に整えよう」
という形にします。甘い飲み物を買い置きしない。夕食をできるだけ遅くしない。朝食を食べる。野菜や汁物を増やす。たんぱく質を毎食少し意識する。休日に一緒に歩く。こうした環境づくりは、子どもを責めずに健康へ向かわせる方法です。
食事では、「禁止」より「整える」ことを意識します。お菓子を完全に悪者にすると、子どもは隠れて食べたり、食べた後に強い罪悪感を持ったりすることがあります。大切なのは、お菓子を食事の代わりにしないこと、量と時間を決めること、甘い飲み物を毎日の習慣にしないことです。
食卓では、「太る」「痩せる」より、
「元気が出る」
「体が育つ」
「よく眠れる」
といった言葉を使うとよいでしょう。食べ物を敵にしないことが、子どもの心を守ります。
運動も、体重を減らすための罰にしてはいけません。子どもにとって運動は、骨を強くし、筋肉を育て、睡眠を整え、心を軽くする大切な時間です。世界保健機関は、5〜17歳の子ども・青少年に、1日平均60分以上の中等度から高強度の身体活動をすすめています。ただし、これは「苦しい運動を毎日しなければならない」という意味ではありません。散歩、外遊び、縄跳び、ダンス、買い物の手伝いなど、子どもが続けやすい活動から始めて構いません。大切なのは、苦しい運動を無理に続けることではなく、「体を動かすと気持ちいい」と感じられる経験を増やすことです。

睡眠も見逃せません。夜更かしや睡眠不足が続くと、朝起きるのがつらくなり、朝食を抜きやすくなります。朝食を抜くと、午前中の集中力や活動量が落ち、夕方以降に強い空腹が出て、お菓子や夜食に手が伸びやすくなることがあります。これは「意志が弱い」からではありません。体のリズムが乱れ、必要なエネルギーの取り方が後ろにずれてしまっているサインです。
寝る前のスマホや動画を少し早めに切り上げる。起きる時間を休日も大きく崩さない。朝にカーテンを開けて光を浴びる。朝食は完璧なメニューでなくてもよく、ヨーグルト、卵、納豆、おにぎり、具だくさんの味噌汁など、食べやすいものから始める。こうした小さな工夫は、子どもの生活リズムを整える助けになります。
最後に、保護者の方に一番伝えたいことがあります。子どもは、親の言葉を通して自分の体を見ています。
「太ったね」
「痩せたらかわいいのに」
このような言葉は、たとえ心配から出たものでも、子どもの心に深く残ることがあります。反対に、
「あなたの体は大切だよ」
「元気に過ごせる方法を一緒に考えよう」
「体重の数字より、あなたが笑って過ごせることの方が大切だよ」
という言葉は、子どもが自分の体を守る力になります。

子どもの体重管理は、体重を削ることではありません。未来を育てることです。今日の食事、今日の睡眠、今日の親子の会話が、子どもの明日の健康をつくります。
体重計の数字だけでなく、その子の笑顔、元気、眠れているか、学校で安心して過ごせているかを見てあげてください。家族で一歩ずつ、責めるのではなく支えながら、健やかな未来へ整えていきましょう。

※記事の校閲などに生成AIを使用しています。

参考文献・出典
・厚生労働省 e-ヘルスネット「肥満と健康」
・厚生労働省 e-ヘルスネット「若い女性の『やせ』と健康・栄養問題」
・日本小児内分泌学会 一般向け解説「肥満」
・日本小児科学会「幼児肥満ガイド」
・WHO “Guidelines on physical activity and sedentary behaviour”
・小児摂食症 プライマリ診療の手引き

執筆者

プロフィールイメージ
加藤大也
加藤大也

たいや内科クリニック院長

愛知県豊田市にある糖尿病や生活習慣病、甲状腺疾患の専門クリニックで、日本糖尿病学会認定教育施設に認定されています。糖尿病専門医・甲状腺専門医・総合内科専門医である院長のもと、専門看護師や管理栄養士が連携した「チーム医療」を提供しています。
定期的な料理教室や市民講座の開催を通じて、病気の治療だけでなく、地域住民の皆様の健康増進や予防医療にも力を入れています。

たいや内科クリニック

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