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「熱があるのに、ご飯の心配だけ?」寝込む妻に帰宅一番で夕飯を聞いた夫→妻の涙を前に夫の態度が一変

  • 2026.7.14

寝込む妻に、玄関で聞いてしまった一言

その日、妻は朝から熱を出して寝込んでいました。

結婚して何十年も、家のことはすべて妻に任せきりだった私です。

仕事を終えて帰ると、家の中は暗く、いつもの夕飯の匂いもしません。

台所には、朝のままの食器が残っていました。

妻がこの家事をこなせない日が来るなど、長い結婚生活で、考えたこともありませんでした。

私は寝室をのぞき、布団で横になる妻に、何気なく声をかけたのです。

「ただいま。今日の夕飯はどうするんだ」

自分でも、あとから思えばひどい一言でした。妻はゆっくりと目を開け、私を見上げます。

「熱があるのに、ご飯の心配だけ?」

その声は、涙で震えていました。

「体がつらくて、朝から何も作れなかったの。あなた、私の具合より、ご飯なのね」

私は言葉に詰まりました。妻の頬を、涙がひとすじ伝っていきます。

「……いや、その、すまん」

それしか言えず、私はその場に立ち尽くしました。長年、こうして出てくる食事を、当たり前だと思ってきたのです。

総菜を抱えて、私は台所に立った

妻の涙を前にして、食卓に並ぶ夕飯が、どれほどの手間の上にあったのかを、私はようやく思い知りました。

「もう寝てなさい。あとは俺がなんとかするから」

言ってはみたものの、私は台所のどこに何があるのかさえ知りません。

私は上着も脱がずに、近所のスーパーへ向かいました。

夜道を歩きながら、妻の青ざめた顔が頭を離れませんでした。

思えば、妻が寝込むほど弱った姿を見るのは、結婚以来はじめてのことでした。

ところが売り場に立っても、何を買えばいいのか見当もつきません。妻がいつも食べさせてくれる物を、私は何ひとつ知らなかったのです。

総菜売り場の前で、しばらく立ち尽くしました。

これが食べたいだろうか、これは重いだろうか。妻の顔を思い浮かべながら、一つずつ手に取ります。

消化に良さそうなおかゆと、卵を落としたうどん、それに温かい煮物を選び、かごに入れて帰ります。

「食べられそうな物だけでいいからな」

買ってきた総菜をお盆にのせ、枕元へ運ぶと、妻は目を丸くしました。

不器用に並べた皿を見て、妻の目には、今度は違う涙が浮かんだようでした。

「あなたが、買ってきてくれたの?」

「当たり前だろ。具合が悪いんだから、ゆっくり休め」

妻は少し笑って、湯気の立つうどんに、ゆっくりと口をつけました。

その日から、妻が体調を崩すと、私は真っ先に台所へ立つようになりました。台所の場所さえ知らなかった、この私がです。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、60代以上・男性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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