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「ベビーカーくらい置かせてよ!」共用廊下を3年間塞ぎ警告を無視した住人。だが、点検員の一喝で顔色が真っ赤に

  • 2026.7.13
「ベビーカーくらい置かせてよ!」共用廊下を3年間塞ぎ警告を無視した住人。だが、点検員の一喝で顔色が真っ赤に

3年ふさがれた共用廊下

私が暮らすマンションでは、住人が共用廊下に私物を置きっぱなしにしていた。

大きなベビーカー、折りたたんだ自転車、季節外れの荷物まで、通路の半分を占領していた。

ただでさえ狭い廊下がさらに狭くなり、大きな荷物を提げているときなど、体を斜めにしないと通れなかった。年寄りの足では、うっかりつまずきそうで怖かった。

管理会社も黙っていたわけではない。「共用スペースに私物を置かないでください」という文書を、全戸に配ったチラシで何度も呼びかけていた。それでも住人は、どこ吹く風だった。見かねて、私が直接声をかけたこともある。

「避難のとき危ないから、片付けてもらえませんかね」

すると、返ってきたのはこんな言葉だった。

「ベビーカーくらい置かせてよ!」

子どもがいるんだから仕方ないでしょう、と言わんばかりだった。結局、注意の文書が配られても、私が頼んでも、廊下の私物は3年ものあいだ、片付くことはなかった。

点検員の一喝

転機は、思わぬ形で訪れた。マンション全体の消防設備点検が行われた日のことだ。点検員が各階の廊下を見て回り、私物で通路がふさがれた一角で、ぴたりと足を止めた。

点検員の表情が、みるみる険しくなった。

「これは消防法違反です。今すぐ移動させてください」

点検員は続けた。

「避難経路をふさぐのは、住民全員の命に関わります」

廊下じゅうに響く、強い口調だった。火事のとき、この物のせいで逃げ遅れる人が出る。

命に関わる重大な違反だと、点検員はその住人に直接、厳しく言い切った。

ちょうど居合わせた住人の顔が、さっと引きつった。いつも管理会社の注意を適当にあしらっていた人が、今度ばかりは何も言い返せない。

「あ、いや、これはすぐに……」

言いかけたきり、あとが続かない。物音を聞いて廊下に出てきた他の住人たちの視線が、いっせいにその人へ集まった。

「うちも、ずっと通りにくくて困ってたんですよ」

そんな声まで上がって、住人はいよいよ真っ赤になった。

「す、すぐ片付けます」

先ほどまでの強気は、跡形もなかった。そしてその日のうちに、廊下を占領していたベビーカーも自転車も、すべて室内へと運び込まれた。3年も動かなかった物が、専門家の一言で、ものの数時間で消えたのだ。

それ以来、廊下に物が置かれることは一度もない。あの住人は、私と廊下ですれ違うと、決まりが悪そうに目を伏せて足早に通り過ぎていく。

「やっと、まっとうに歩けるようになったよ」

妻と、そう言って笑い合った。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、60代以上・男性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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