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「先祖の墓を勝手に畳むとは何事だ!」と怒鳴った兄夫婦。だが、私が墓を畳んだ理由に黙り込んだ

  • 2026.7.13

介護は丸投げ、口だけ出す伯父夫婦

父は三人きょうだいの末っ子だった。

実家で祖父母と暮らし、二人の介護を最後まで担ったのも、末っ子の父と母だった。

上の伯父と伯母は、早くに家を出て遠くで暮らしていた。介護は父と母に任せきりで、顔を出すのは年に数えるほど。

それなのに、口だけは人一倍出してきた。

たまに来ては世話のやり方に注文をつけ、自分の手はいっさい動かさずに帰っていく。

いちばん父と母を苦しめたのは、伯父の口ぐせだった。

「弟は黙って従え」

自分が兄なのだから、弟は意見せず言う通りにしろ、というのだ。介護のひとつもしないくせに、そのときだけ長男風を吹かせる。

母が何度その言葉に唇を噛んだか、そばで見ていた私はよく知っている。

祖父母を見送ったあとも、それは終わらなかった。

遺産はきっちり等分。なのに、お墓と仏壇の世話だけは、当然のように父と母へ押しつけられた。

「近くに住んでるんだから、お前らが見るのが筋だろう」

盆も彼岸も、掃除もお供えも、全部母の仕事。伯父夫婦は手ぶらで来て、仏壇に手を合わせるだけで満足そうに帰っていった。

「墓はもう畳んだよ」で消えた長男風

そんな暮らしが二十年以上続いて、母はとうとう決意した。

「このお墓も仏壇も、私たちの代でちゃんと畳みましょう」

母は父を説得し、去年、正式な手続きを踏んで墓じまいと仏壇じまいを済ませた。

お寺にもきちんと相談し、供養も終えたうえでのことだった。

それを後から知った伯父が、血相を変えて電話をかけてきた。

「先祖の墓を勝手に畳むとは何事だ!」

受話器の向こうで怒鳴る伯父に、いつもは穏やかな父が、静かに言い返した。

「二十年、墓も仏壇も守ってきたのは俺と妻だ。兄さんは一度でも掃除に来たか。お供えを買ってきたか。文句があるなら、自分でやればよかっただろう」

電話の向こうが、しんと静まり返った。

いつも「従え」と怒鳴っていた伯父が、何も言い返せない。

「……いや、それは」と口ごもったきり、伯父はそれきり黙り込んだ。

長男風を吹かせる声は、二度と聞こえてこなかった。

電話を切った父の横で、母が晴れ晴れとした顔で笑っていた。私も、胸のすく思いだった。

「お父さん、よく言ってくれたね」

私が声をかけると、母がやわらかくうなずいた。

「ああ、すっきりした。ずっと肩に乗っていた重石が、やっと下りたわ」

あんなに軽やかな母の顔を見たのは、いつぶりだろう。長年の役目から解き放たれた母は、今がいちばん元気そうだ。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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