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横綱・大の里の神対応も! グッズ爆買い、力士のファンサ、フランス語スピーチ…〈大相撲パリ公演〉が最高だった理由

  • 2026.7.11
パリ公演の様子。

大相撲が、花の都パリを沸かせた! 個性豊かな力士たちが熱闘を繰り広げ、今やヨーロッパでも本場所のチケットが入手困難といわれるほどのブームを引き起こしている大相撲。昨年のロンドン公演に続いて2026年6月に開催された「大相撲パリ公演」は、その魅力を世界に広げる一大イベントとなりました。

アリーナに集った1万5,000人の観客がトーナメントの熱戦に歓声を上げ、エッフェル塔や凱旋門などの名所を訪れた力士たちがにこやかに地元の人々と交流。お相撲さん、お客さん、街の人々が「SUMO」を通じて笑顔になった、お祭りのような数日間をレポートします。


トーナメント初日、開場前から熱く盛り上がる!

会場外ののぼり。

大相撲がフランス・パリで開催されるのは31年ぶり。会場であるパリ12区のアコー・アリーナは、1995年のパリ公演が行われたのと同じ場所だそう。開場間際に到着するや、目に飛び込んできたのは、はためく「のぼり」。これこれ! 相撲を観に来た! という気分が盛り上がります。

会場をぐるりと囲む大勢のファンに感激! 実は今回、SNSでの盛り上がりに比べて、パリの街中ではさほど「相撲の熱気」は感じられなかったのです。各所でイベントや目撃情報があったものの、メトロにポスターが貼られているわけでもなく……。

でも、会場に来てみればそんな不安は吹き飛びました。中には自作の「宇良」ロゴを散りばめたTシャツや、ジャパンみやげ風の“はっぴ”、寿司のTシャツ(笑)に身を包んだ地元と思しきファンの方々や、日本から訪れた着物姿の方も。外のグッズ売店にも長蛇の列が。

まさかの並びに胸熱! 力士たちの「神ファンサ」

アリーナ前の大階段で記念撮影。

アリーナ前の大階段では、寄せ太鼓の実演や関取衆が勢揃いした記念撮影なども行われました。その後、ちょっと落ち着いた人波の中でグッズ売り場に並んでいると、なんと横綱・大の里が付け人を連れて戻ってくるのを目撃! すかさず取り囲むファン(私もその一人)。めっちゃ笑顔をくれた! と思ってお隣でカメラを構える人をふと見ると……。

大の里関の写真を撮る欧勝海関。

お、欧勝海関ではないですか!!!! 実は欧勝海は、大の里と同じ石川県津幡町出身の1年後輩。横綱のスペシャルな笑顔も納得です。小学校の相撲教室で切磋琢磨してきたふたりが、遠くパリの地で大相撲力士として並ぶ姿は胸熱でした!

大の里関と欧勝海関。

このあとも玉鷲と高安の大ベテランがファンとの記念撮影に現れるなど、開場前から目と体がいくつあっても足りない事態に。老若男女、国籍もさまざまなファンが集っていましたが、力士へのリスペクトを感じさせるマナーの良さも印象的。適度な距離を保ちながらお相撲さんの「神ファンサ」を味わえる、パリの巨大会場にいながらも地方巡業のようなアットホームなムードがありました。

いよいよ開場! 大相撲「アコー・アリーナ場所」の様子は?

2015年に大規模改修されたアコー・アリーナ。セーヌ川沿いにあるベルシー公園に隣接し、周囲には大きなホテルが並び、建物自体も巨大かつモダンです。大物アーティストのライブコンサートも行われる、いわゆる“大バコ”。大相撲ファンなら「名古屋場所の会場になった“IGアリーナ”にちょっと似てる……」と思うはず。

アリーナから3階席までびっしりと観客が入った会場。土俵を囲む溜まり席やマス席もあります。では、もったいぶらずに会場をお見せしましょう。ドーン!

大相撲パリ公演「アコー・アリーナ」。

日本での巡業と同じように、取組トーナメントの前に相撲に親しむイベントがあるパリ公演。相撲甚句は「Chant traditionnel du sumo」、初切は「Spectacle de sumo comique」、横綱の綱打ち実演は「Cérémonie de nouage de la seinture du Yokozuna」とパンフレットにフランス語で書いてありました。さらに、隆の勝、朝紅龍、藤青雲の関取衆とフランスの子どもたちによる「ちびっこ相撲」も!

ちびっこ相撲の様子。

会場の実況アナウンスは、キャスター/ジャーナリストのフローラン・ダバティさん。2002年日韓ワールドカップでサッカー日本代表のフィリップ・トルシエ監督の通訳を務めた方、というと、40代以上の人は記憶に残っているのでは? 「Utchari(うっちゃり)」「Okuridashi(おくりだし)」などの決まり手の発音がとってもエレガントでした(笑)。

会場があたたまったところで、「カァーン」と澄んだ柝の音が響きわたり、いよいよ幕内土俵入り。そして取組トーナメントが始まりました!

海外公演らしい盛り上がりに花を添えたのは、やはり土俵上の巨大マルチビジョンでしょう。取組力士の写真と名前、プロフィールがド派手なアニメーションで映し出されると、声援があがります。

大相撲パリ公演「アコー・アリーナ」の様子。

トーナメントは、総勢41人の力士による勝ち抜き式で、それぞれの日に優勝力士が決まり、最終日に優勝決定戦が行われます。ヨーロッパ圏の観客が多いからか、ウクライナ出身の安青錦や獅司、カザフスタン出身の金峰山への応援の声が大きく感じられました。それから、覚えやすい四股名の宇良や阿炎へは「URAAA!」「ABIIII!」と大声援が。勝ち残った力士は何度も土俵に上がらないといけないのでちょっと大変ですが、お客さんが力士の名前を覚えて、だんだん“ひいき”が生まれてくるのも面白い。

若貴景や豊昇龍は、発音しにくいけど言えたら気持ちいい! という気持ちが会場中に広がって、最初は「ワタタタタゲ~?」「オッショリウ~~?」だったのが、勝ち上がるたびに「WAKA! TAKA! KAGEEE!」「HO! SHO! RYUUUU!」と、子どもも大人も熱烈に声を出していました。みんなが心から相撲を楽しんでいるのが伝わってきます。

トーナメントの取組では、本場所の真剣勝負とはまた違い、力士もリラックスしつつそれぞれの持ち味を発揮します。宇良のアクロバティックな動き、藤ノ川の突進、御嶽海の吊り出し、高安の突き押し……また、審判による「物言い」からの「取り直し」も飛び出して、会場は大いに沸きました! 決勝に近づくと会場の照明もドラマティックに変わって超興奮!

大相撲パリ公演「アコー・アリーナ」の様子。

初日の決勝は霧島との大関対決で琴櫻が優勝! 5時間に及ぶ大相撲パリ公演は、満場の拍手と歓声のうちに幕を閉じました。なお、琴櫻は2日目に横綱豊昇龍との優勝決定戦を制して総合優勝! 豊昇龍のフランス語での挨拶には万雷の拍手が起きました。終始、フランスのファンに相撲の魅力を伝えようという熱意が伝わり、また、それに対するフランスからの尊敬と愛が感じられる、温かく平和なパリ公演でした。

思わず爆買い! 大相撲パリ公演グッズをご紹介

大相撲パリ公演グッズ売り場。

観客席を出ると、三味線や民謡など“日本チック”なBGMが流れるアコー・アリーナの会場内。ビールは10ユーロ、フランスらしくシャンパンもあり15ユーロ、ハンバーグやホットドッグなどの会場グルメも楽しめました(……が、とにかく円安が辛い!)。

大相撲パリ公演グッズをご紹介。

会場のオフィシャルグッズ売り場も大盛況。Tシャツ、キャップやトートバッグ、うちわなど種類豊富でしたが、早々に売り切れてしまったアイテムもありました。すべてパリ公演のオリジナルで、他では買えないというレア感から思わず爆買い!

公式プログラム(右)と、観客全員に配布されるパンフレット(左)。

プログラムはオールカラー32ページ、力士の紹介、古代からの相撲の歴史、土俵作法、決まり手、そして大の相撲好きとして知られた故ジャック・シラク元フランス大統領の紹介や過去のパリ公演の様子など、大充実の内容!

二つ折りのパンフレットにはタイムテーブルと取組、土俵入りの様子や行司、呼び出しなどの写真が掲載されていました。もちろんどちらもフランス語版。

オリジナルTシャツ。

Tシャツも数種類販売されていましたが、売り切れ続出! バックプリントにエッフェル塔がプリントされたタイプはXXLの力士サイズだけが残っていました。フロントは胸に相撲字で「大相撲」のロゴが。オフィシャルアートを使った白Tは「2026」「ACCOR ARENA」のプリントが貴重! なかなか普段使いしにくいかも(笑)ですが、自慢になります。

うちわ、キーホルダー、ノートなど。

日本の相撲ファンの友人たちにのために購入したのは、うちわ、キーホルダー、ノートのグッズ類。フランスのファンを意識してか、かなり“ジャポネスク”なデザインが多く、日本で買える協会公式グッズとはまた趣の異なるものでした。

パリの街を楽しんだ力士たち

今回の大相撲パリ公演に渡航したのは、関取衆と付け人、審判部の親方、行司や呼び出しなどを含め総勢140人以上。ほとんどがフランスを訪れるのは初めてということで、忙しい旅程の合間に思い思いに観光を満喫した模様。SNSにも写真や映像がたくさんアップされていました!

ムーラン・ルージュでは偶然にも横綱大の里と若元春に遭遇! ロートレックも描いた歴史的な建物と、力士の風格ある佇まいがマッチして、映え映えでした(笑)。

エッフェル塔、凱旋門などの代表的な観光スポットやユーロディズニーに足を運ぶお相撲さんも多数。古い手芸店を訪ねていた(趣味の手芸の腕もプロ級の)鉄人・玉鷲や、夫婦でプチハネムーンを過ごした霧島や高安も素敵♡ 安青錦はウクライナからドイツに避難しているご両親とひさびさの再会を果たしたそう。フランスの国営TV番組でもインタビューが特集されていました。

本場所と巡業と稽古の日々で忙しく過ごすお相撲さんたち。長時間移動の海外公演はハードですが、きっと普段は決して味わえない経験と刺激を受けたはず。その様子を垣間見てファンは心癒され、ますます相撲が好きになりました。

相撲をきっかけに旅をしたら、200%以上の満足度。「推し活」旅行、全力でおすすめします! そして力士の皆さん、これからもどうか怪我なく、個性豊かな相撲で私たちを楽しませてくださいね。

文・写真=久保田梓美

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