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「不器用だから座ってて」冷たい言葉をぶつける義母。だが、夫の優しい言葉に救われた瞬間

  • 2026.7.12

台所から追い出された夜

結婚して一年目、初めて夫の実家に泊まりに行った日のことだ。

少しでも良い顔をされたくて、私は夕食の支度を手伝おうと台所に立った。

ところが、包丁に手を伸ばす前に、義母が笑いながら私の手をやんわり押しとどめた。

「不器用だから座ってて」

冗談だと思って、私も一度は笑った。けれど、義母の目は笑っていなかった。

「いいから、いいから。慣れない人に立たれると、かえって危ないのよ」

そう言われて、私は文字どおり客間のソファへ追いやられてしまった。

手持ち無沙汰のまま座っていると、台所からは義母と夫の楽しげな声が聞こえてくる。私だけが、その輪の外にぽつんと置き去りにされていた。

夫の皿にだけ盛られた料理

食卓に着いても、居心地の悪さは消えなかった。

「これ、あなたの好物でしょう。たくさん食べなさい」

義母は夫にそう声をかけては、煮物も焼き魚も、次々と夫の皿に取り分けていく。こんもりと山になっていく夫の皿を、私はただ眺めていた。

けれど、私の皿はいつまでも空のままだった。一度も、声はかからない。

「……いただきます」

自分で小さく取り分けながら、私は笑顔を作るのに精一杯だった。

極めつけは、食後の片付けのときだった。皿を下げる私の背中に向かって、義母が夫にこう言ったのだ。

「あなたの奥さん、家事慣れてないみたいね。大丈夫?」

夫が苦笑いで受け流したのが見えて、私はますますいたたまれなくなった。その場では何も言えず、帰りの車の中で、こらえていた涙がこぼれた。

夫が引いた一線

ハンドルを握る夫に、私は思いきって本音をぶつけた。

「不器用だから座ってて、って……私、そんなにダメだったかな」

夫はしばらく黙ってから、はっきりと言った。

「言い方がきついよ」

「母さんは昔からああいうところがある。でも、初めて来た君にあの態度はない。俺から、ちゃんと話すよ」

後日、夫は義母に、私がどれだけ気にしていたかを、穏やかに、けれどはっきりと伝えてくれたそうだ。

次に顔を合わせたとき、義母にはいつもの勢いがなかった。

「この前は……ちょっと、言いすぎたかしらね」

目を合わせないまま、義母はぽつりとそうこぼした。何か続けようとして、やめて、気まずそうに視線をそらす。あんなに強気だった人が、言葉を選びあぐねていた。

それからは、無理に距離を縮めようとはしていない。会うのは行事のときだけ、最低限の付き合いにした。

不思議と、そのほうがずっと気が楽だった。夫が私の側に立ってくれた。そのことが分かっただけで、義実家はもう、身構える場所ではなくなっていた。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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