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「脚立揺らしただけだろ(笑)」冗談ばかりの夫。だが、夫の悪ふざけに我慢の限界が来た

  • 2026.7.7

悪ふざけを笑う夫

結婚して間もない頃、夫には人を驚かせて笑う癖があった。

背後からいきなり大声を出したり、私が運んでいる荷物を横から引いたり。

玄関のドアの陰に隠れて、帰宅した私を待ち構えていたこともあった。そのたびに一人で腹を抱えて笑うのだ。

「今の、そんなに驚く?大げさだなあ」

私が本気で嫌がっても、夫はいたずらが成功したとしか思っていないようだった。

私の顔がこわばっても、それすら面白い反応の一つに見えているらしい。

「やめてよ、危ないから」

「ごめんごめん、つい」

その場ではそう言うのに、数日経つとまた同じことを繰り返した。

悪気がないぶん、たちが悪いと思った。何度伝えても届かないうちに、私はいつしか家の中でも身構えるようになっていた。

脚立の上で

その日、私は押し入れの天袋を片づけるため、脚立の上に立っていた。

両手で段ボールを抱え、足元だけでバランスを取っていたときだった。

脚立が、がくんと大きく揺れた。

夫が面白半分に脚をつかんで揺すったのだ。

危うく落ちかけて、私は壁に手をついてなんとか踏みとどまった。心臓が激しく鳴っていた。

「脚立揺らしただけだろ(笑)」

夫はいつものように笑っていた。段ボールの中身が散らばった床には、目もくれずに。

笑えない

私は段ボールを床に置き、夫の目をまっすぐ見た。

「笑えない」

低い声だった。笑っていた夫の顔から、表情が消えていく。

「え、いや、そんな本気で…」夫は言いかけて、言葉を飲み込んだ。目が泳ぎ、笑いの余韻はどこにも残っていなかった。

「落ちていたら、私は怪我をしていた。あなたのいたずらは、結婚してからの数年間、私にとって一度も面白くなかった」

普段の私が声を荒げないぶん、真顔の一言は効いたらしい。

夫はしばらく黙り込み、それから床に散った段ボールの中身を、無言でひとつずつ拾い集めはじめた。

「…ごめん」

夫はもう言い訳をしなかった。視線を落として、小さくそう繰り返した。

それ以来、夫が悪ふざけをすることはなくなった。驚かすでもなく、揺らすでもなく、ただ普通に隣にいてくれる。私が脚立にのぼると、今度はそっと下で支えてくれるようになった。

笑えないことは笑えないと、はっきり伝えてよかった。あの真顔ひとつで、二人の距離はむしろ近づいた気がしている。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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