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東大生を育てたおかん(7)「お兄ちゃんだから」は絶対に言わない、「一人の人間」として見る

  • 2026.7.6
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フルタイム勤務で3人の子供を育ててきた「しらたまさん」の長男は東京大学に推薦入試で合格を果たしました。東大へと子供を送り出した保護者へのインタビューから、これからの時代の子育てのヒントを探る、全10回にわたる特別連載の第7回は、子供3人の「きょうだい関係」と、そこでしらたまさんが徹底していたという「一人の人間として向き合う」子育てのスタンスについて話を聞きました。

「主語を自分」にして本気で向き合う

しらたまさんの家には、東大合格を果たした長男の3歳下に妹、6歳下には弟がいます。幼少期は「しっかり者のお兄ちゃん」としてよく下の子たちの面倒を見ており、ねぶた祭りやスキーなど、いつも3人セットで仲良く遊んでいたそうです。

しかし、下の子たちが小学生になるころ、少しずつ関係性に変化が訪れます。

しらたまさん:「下の子たちが大きくなるにつれて、頼りがいがあって正しいアドバイスをくれる兄に対し、それが『上から目線』に感じて反発することが多くなったんです。手や足が出る喧嘩も日常茶飯事だったので、そんなときは私も大声で『うるせえ、静かにしろ!』なんて叱ったりもしましたが…。基本的には口出しせず、子供たちだけで解決するよう見守っていました」

「こうあるべき」と押し付けない子育て

しかし、家族としての甘えがあるのか、相手をけなす言葉がエスカレートしてしまうことも。そんな「絶対に見過ごしてはいけない」という瞬間にだけは、しらたまさんも本気で子供たちと対峙しました。そのときの叱り方には、しらたまさんならではの明確なルールがありました。

しらたまさん:「喧嘩がヒートアップしたときも、『お兄ちゃんなんだから、そんなこと言っちゃダメ』とは絶対に言わないように気を付けていました。私自身が親から『こうあるべき』を押し付けられるのが嫌いだったので…。だからこそ、『お母さんはこういう理由でこう思うから、今の発言はよくないと思う』というように、常に主語を『自分(お母さん)』にして気持ちを伝えるようにしていました」

「兄だから」という役割ではなく、一人の人間として接する

「お兄ちゃんだから我慢しなさい」「妹(弟)だから言うことを聞きなさい」。

そのように兄弟姉妹に言い聞かせ、育てる家庭も多いのではないでしょうか。しかししらたまさんは、そんな役割は一切押し付けず、3人それぞれを「一人の人間」として対等に見つめ続けました。

しらたまさんの真剣な気持ちが通じたのか、いまでは兄弟姉妹でケンカするようなこともほとんどなくなり、それぞれのびのびと過ごしているといいます。

子供たちが仲良く楽しく過ごす「秘訣」

改めて、「きょうだいが仲良く過ごすための秘訣」を尋ねると、こんな答えが返ってきました。

しらたまさん:「秘訣になるかはわかりませんが、とにかく母親である私自身が楽しそうに過ごし、家がのんびりくつろげる雰囲気になるように漂わせること。それだけは、いつも意識しています」

親が完璧な役割を演じようとしたり、子供に理想を押し付けたりしない。ただ、母親が笑顔で、家が一番安心できる場所であれば、子供たちはそれぞれのペースで、自分の足でしっかりと育っていくのです。

【お役立ちデータ】絵本でひもとく子育てのヒント 福音館書店「兄弟・姉妹の本」 わが子の兄弟姉妹関係や、それぞれの接し方に悩む親は多いのではないでしょうか。そんな日々のヒントとして、数々の名作を世に送り出してきた福音館書店の特設ページ「兄弟・姉妹の本」がおすすめです。サイトでは、兄弟・姉妹を題材にした絵本が多数紹介されており、親世代にとってもどこか懐かしいお気に入りの一冊に出会うことができます。きょうだいでワクワクする冒険を楽しむ『もりのへなそうる』、お姉さんの責任感と妹への愛情が描かれた『あさえとちいさいいもうと』、賑やかな日常が愛らしい『ピクルスとふたごのいもうと』などが並びます。

ライターコメント

こんなにしっかりしたお兄ちゃんがいたら、ついつい全力で頼り切ってしまいそうです。しかし、しらたまさんは長男を「お兄ちゃん」という役割に閉じ込めず、一人の人間として対等に向き合い、「お兄ちゃんだから」という言葉も使わなかったそうです。また、「母親自身が楽しそうに過ごす」というのも、言うのは簡単ですが、仕事と育児に追われる日々の中で実践するのは並大抵のことではありません。肩の力を抜きつつも、ブレない軸を持つしらたまさんのしなやかな強さが印象的でした。

<ライタープロフィル>ゆんち

2004年に産経新聞社へ入社。静岡、仙台での事件取材を経て、東京社会部では厚生労働省を担当、派遣労働問題などの社会課題を深く掘り下げる。また、特異なキャリアとして法廷画家を兼務し、数多くの法廷画を手掛けてきた。その後、産経新聞社が発行していたタブロイド紙「SANKEI EX」にてブランド、旅、食をテーマとした執筆活動を展開。南アフリカやオーストラリアなど世界各国を取材で巡るほか、臨時特派員として南太平洋のキリバス共和国への駐在経験も持つ。J-WAVE「TOKYO MORNING RADIO」にて、週1回おすすめニュースを3年間にわたり担当。

現在は2児の母となり、これまでの取材経験に加え、教育、健康、ライフハックへと関心の幅を広げている。「趣味を仕事に!」をモットーとする自称「脱力系ライター」。釣り、温泉、グルメ、そして海を眺めてぼーっと過ごす時間を愛する旅人でもある。長年、酒と旅と釣りを友としてきたが、現在は期間限定で禁酒中。新商品から旅、ファッション、グルメまで、自身のアンテナに触れたトピックを独自の視点で発信している。

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