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自閉症の25歳息子を育てる母の気付き 定型発達の2歳児と接して分かった「行動と心の明確な違い」

  • 2026.7.5
自閉症の息子を育てる母が、定型発達の子と接して得た気付きとは?(画像はイメージ)
自閉症の息子を育てる母が、定型発達の子と接して得た気付きとは?(画像はイメージ)

私には、25歳になる知的障害を伴う自閉症の息子がいます。2歳3カ月のときに、正式に診断を受けました。

現在、ファミリーサポートの援助会員として一定の時間、幼い子を預かっています。定型発達のお子さんを0歳の頃から預かり、2歳になりました。自閉症の息子が赤ちゃんだった頃との違いを感じています。

例えば、第1子が定型発達児だった場合、2人目を育ててみて上の子と比べながら「あれ、なんか性格や個性では片づけられないものがあるぞ、おかしい」と発達の凹凸の気付きは早いかもしれません。

しかし、第1子が自閉症だった場合、「0歳ってこんなものかな」と思ってしまい気付きが遅くなるかもしれません。その後、第2子を産んでみてその子が定型発達児だった場合、2人目を育ててみて、上の子が通常の発達の赤ちゃんではなかったことが改めて分かることもあります。今回は定型発達の子と息子の幼い頃の違いについて、紹介します。

息子にはなかった定型発達の0歳の子の行動

例えば、息子が0歳の時、次のような行動が見られませんでした。

【母に対して示さなかった行動】・指さしをする。(取ってほしい玩具などを指す)・言葉は話せないが、表情で訴えてくる。・手の甲を相手に向けている逆さバイバイではなく、正しい方法でバイバイをする。・親が迎えにきたら、嬉しそうに近寄る。・名前を呼ぶと反応する。・私が手を広げると「抱っこしてほしい」のポーズをとり、手を広げる。・抱っこすると大人に体を預けてくる。(カチコチでなく、柔らかい)・手をつなぐことができる。・オムツ替えや靴を履くとき、足を出すなど協力してくれる。・テレビの子ども番組の踊りをまねする。・大人のまねをする。・絵本に載っている食べ物をつまんで食べさせると、口を開ける。

【他人に対して示さなかった行動】・知らない人を警戒する。人見知りをする。・知っている人に笑いかける。・名前を呼ぶと振り向く。・散歩のとき、よその子がいると関心を持つ(喜んだり、怖がったり、どちらかの反応を示す)・他の子が使っている玩具に興味を示す。・よその子や兄弟姉妹に玩具を取られて、泣く。・大人から離れると、不安げな表情をする。

もちろん項目が当てはまらないからといって、自閉症であると決めつけることはありません。また、0歳だと医師から「まだ診断はできません。2歳過ぎたら連れてきてください」と言われてしまいます。

息子にはなかった定型発達の2歳の子の行動

定型発達の2歳の子は、次のような行動を示します。

■魔のイヤイヤ期がある預かっている2歳の子に私が「靴下を履こう」と言ったら、「いや!」と返事をし、「だったら裸足でいよう」と言っても嫌、命令されることが嫌な様子です。でもこれも立派な会話です。

息子の場合はイヤイヤ期がありませんでしたが、理由も分からず世の中すべてが嫌で、自傷を伴うパニックになる毎日。これが小学校低学年まで続きました。

■大人の表情を読み取る目の前の2歳児は開けてはならない戸棚を開けようとしたとき、私が「あれ?あららら?」といつもと違う低い声、いつもと違うゆっくりした話し方で伝えると、「やってしまった」という顔つきをします。相手の声のトーンや顔の表情を読みとる能力をすでに持っています。

一方、息子は成人した今でも相手が拒否の素振りをしているのに、しつこくしてしまい、相手から嫌がられることがあります。

発達障害の人は大人になっても、「検討しておきます」の字面だけとらえて、行動してしまう傾向にあります。その場の空気、相手の声のトーンや顔つきを見て、断りなのか歓迎なのか判断できないため、トラブルが起こります。

■ごっこ遊びができるままごとの道具を本物にみたててお皿に置き、食べる振りをすることができます。見立てて遊ぶことができるのは、想像力が発達している証拠です。

また、息子はなかなか人形やぬいぐるみを擬人化できず「餌やる」と幼い頃、言っていました。

■人のまねをする友達が石を投げていたらまねをします。友達が砂場で遊んでいると同じようにやりたがります。良いことも悪いこともまねします。これは他人がしていることに興味関心があるからです。言葉も人のまねをしてドンドン増えていっています。

■泣きまねをする大人に構って欲しくて時々“カマッテちゃん”に変身する子。転んで1分以上経って痛みは引いているのにも関わらず、大人の気を引くために、泣きまねをします。涙が出ていないことで私は泣きまねだと分かります。

■質問に的確に答える「これ、だあれ?」と私自身を指さして聞くとかわいい声で「たていしゃん」(立石さんの意味)と答えてくれます。

息子は小学生になっても「これ、だあれ?」と私が自分の顔を指して聞いても、「お母さん」ではなく「鼻」と答えていました。

最近もタクシーに乗ったとき、運転手から「僕のお名前は?」と聞かれ、息子は「鈴木太郎」と、運転手のネームプレートに書かれた名前をそのまま読んでいました。

相手の立場になって話を理解することができないので、その場にあった答えができません。家を出るとき、「行ってきます」ではなく、「行ってらっしゃい」と言いながらドアを開けて出ていきます。

成長している息子

息子は幼い頃、逆さバイバイすらしませんでした。逆さバイバイする子は、人に関心があるので間違った向きですがまねできます。

成人した息子は逆さバイバイではなく、ハイタッチを求めると、手のひらを私の手のひらに打ち付けてくれます。

また、私が「行ってらっしゃい」と言うと、「行ってらっしゃい」と言い出かけます。本人は「行ってきます」の意味で言っています。「間違っているけれども人のまねをしている点では成長しているのかな」と思います。

目の前の2歳の子と比べて、いまだに比べる病に侵されている私ですが、息子はよくお手伝いしてくれます。

例えば、トイレットペーパーがなくなったら、新しいものに取り換えてくれます。次に使う人の身になれているのかパターン化しているのか、とにかく替えてくれます。新聞を取りに行くなど、決められた家事は文句を言わずにやります。

私も自閉症児を育てる親として見る視点を習得し、成長しているのかもしれませんね。

子育て本著者・講演家 立石美津子

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