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20代のカップルのトラブルで通報…元警察官が「今でも忘れられない」と語る出来事に「警察官は事件を処理するだけじゃない」

  • 2026.7.28
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出典:photoAC ※画像はイメージです。

元警察官ライターのりょうせいです。

警察官として勤務していた頃、酒に酔った20代の男女トラブルに対応したことがありました。事情を聞く中で涙を流した女性へ、筆者は自身の経験を交えながら言葉をかけたところ、最後に返ってきたのは感謝の言葉でした。今でも忘れられない出来事を紹介します。

カップルのトラブルで通報

警察官として勤務していた頃、酒に酔った20代の男女カップルのトラブルで通報を受けたことがありました。

現場へ到着すると、男性が別れ話を切り出したことがきっかけで、女性が感情的になり、男性の服をつかむなどしていました。

幸い、男性に事件化を望む意思はなく、双方から事情を聞いた結果、検挙には至りませんでした。

その後、女性から詳しく事情を聞くことに。

女性は、過去に浮気をされたことや、何度も別れ話を持ちかけられていたことなど、胸の内に抱えていた思いを少しずつ話し始めました。

「自分も別れたい気持ちはある。でも悔しいんです」

その言葉が今でも印象に残っています。

女性は相手への怒りだけではなく、自分の気持ちをどう整理すればいいのか分からず苦しんでいるように見えました。

自分自身の経験を伝えた

女性の話を聞いているうちに、私自身の過去を思い出しました。

実は私も、恋人との別れで大きく落ち込んだ経験があります。

当時は悔しくて、「別れなければよかったと思われるくらい魅力的な人間になろう」と決め、その思いを自分自身を成長させる力へ変えようと努力しました。

その経験を女性へ伝えた上で、私はこう話しました。

「悔しい気持ちはすごく分かります。でも、その悔しさを相手へぶつけても何も変わりません。暴力ではなく、自分自身を成長させるための努力へ変えてみませんか」

すると女性は何度もうなずきながら、大粒の涙を流しました。

本来、個人的な経験を語ることは、警察官の業務の枠を超えていたかもしれません。すべてのケースでこれが正解だとは思っていません。しかし、どうすれば彼女の苦しみを和らげられるかと考えたとき、思わず出た言葉でした。

しばらくすると落ち着きを取り戻し、男性と私たち警察官へ「すみませんでした」と謝罪しました。

帰り際には、「本当にありがとうございました。スッキリしましたし、自分の行いを反省することができました」と話してくれたことを今でも覚えています。

その後、私が知る限り、この女性に関する同様のトラブルで対応することはありませんでした。

警察官は事件を処理するだけではない

もちろん、私の言葉だけで人生が変わったとは思っていません。

それでも、この出来事を通して改めて感じたことがあります。

警察官の仕事は、事件やトラブルを適切に処理することです。

しかし、それだけではありません。

時には相手の話を真剣に聞き、その人の気持ちに寄り添いながら言葉をかけることで、自分自身を見つめ直すきっかけになることもあります。

もちろん、すべての人が同じように受け止めてくれるわけではありません。

それでも、涙を流しながら「ありがとうございました」と伝えてくれたあの女性とのやり取りは、警察官として10年間勤務した中でも、忘れることのできない出来事の1つです。

話を聞き、寄り添うこと。警察官としての使命を感じた出来事

今回の出来事から、私は警察官として業務にあたる中で以下の点を意識するようになりました。

  • 相手の行動だけではなく、その背景にある思いへ耳を傾けることも大切
  • 自分の経験が、誰かの背中を押すきっかけになることもある
  • 警察官の仕事は、事件を処理するだけではなく、人に寄り添う場面もある
  • 真剣に話を聞くことが、相手が自分自身を見つめ直すきっかけになる場合もある

相手を変えようとするのではなく、まずは話を聞き、寄り添うこと。

その積み重ねが、人の気持ちを少しだけ前向きにすることもあるのだと、この出来事を通して学びました。元警察官となった今でも教訓になっています。


※プライバシー保護の観点から、事実関係を損なわない範囲で一部状況や設定を変更して構成しています。

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