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彼と共有する買い物メモに、「彼女に言わないこと」の一行が紛れていた

  • 2026.7.2
ハウコレ

問いかけても、返ってくるのは同じ言葉ばかりでした。聞きたいことを言えないまま、彼の横顔をうかがう日が続きます。あの箱を渡される、その日まで。冷蔵庫の卵が残り一つになり、彼と共有している買い物メモを開きました。卵と洗剤を書き足そうとしたとき、見慣れない一行が目に入ります。食材に紛れて、「彼女に言わないこと」とだけ残っていたのです。

食材に紛れていた、一行のメモ

彼が書いたものに間違いありません。私には聞かずに、ひとりで決めようとしている何かがあるのでしょうか。仕事のことか、お金のことか、それとも私たちのこれからか。考えるほど、よくない方へ想像がふくらんでいきます。結局、何も書き足さずにメモを閉じました。

本人には、どうしても聞けなくて

それからの私は、彼の手元ばかり目で追うようになりました。スマホを伏せて置く仕草も、誰かと短く電話して戻ってくる姿も、急に意味を持って見えてきます。ある日、彼は「ちょっと出てくる、すぐ戻る」とだけ言って、上着も羽織らずに出ていきました。戻ってきた彼に、思いきって「最近、何かあった?」と聞いてみます。返ってきたのは「別に、なんもないよ」のひとことで、私は小さくうなずいて話を切り上げました。

誕生日に手渡された、リボンのついた箱

落ち着かない気持ちのまま迎えた、私の誕生日。テーブルに着くと、彼がリボンのかかった箱をそっと差し出しました。「これ、ずっと渡したくて」。包みを開けると、前にお店で一度だけ欲しいと言った靴が入っています。サイズも、私がいつも選ぶものとぴったりでした。あの一行は、これを内緒で用意するためのものだったのかもしれない。張りつめていたものが、ようやく緩んだ気がしました。

そして...

今になって思えば、あの一行を見つけてすぐ本人に確かめればよかったのかもしれません。ひとりで悪い方へ気持ちを引っぱっていた時間が、少しもったいなく感じます。隠されていた理由が、うれしいものだったのだから。

(20代女性・会社員)

本人記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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