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「家がなくなったから祖母を預かってほしい」普段は冠婚葬祭にも来ない親戚からのお願い。預かって感じた違和感

  • 2026.7.2
「家がなくなったから祖母を預かってほしい」普段は冠婚葬祭にも来ない親戚からのお願い。預かって感じた違和感

十年ぶりの電話

私の家の電話が鳴った。

表示されていたのは、もう何年も連絡を取っていない遠い親族の名前だった。

「家がなくなったから祖母を預かってほしい」

挨拶もそこそこに、用件だけが告げられた。

聞けば住んでいた家が火事で燃えてしまい、しばらく身を寄せる先がないのだという。

祖母を心配する気持ちはもちろんあった。

緊急時だ、断る理由なんてない。私はその場で受け入れる返事をした。

けれど電話を切ったあと、胸の奥に小さな引っかかりが残った。その親族とは家も離れていて、普段は連絡の一本もない。

法事でも年始でも、顔を合わせることはほとんどなかった相手だ。

(困った時だけ、こうして頼ってくるんだ)

そう思ってしまった自分が、少し嫌だった。それでも祖母を玄関で迎え、布団を整え、しばらくの暮らしの支度を黙々と進めた。

困っている人を放っておけない性分なのは、自分でも分かっていた。

祖母自身は穏やかな人で、預かること自体に不満があったわけではない。

気持ちが晴れないのは、その後ろにいる頼んできた相手の振る舞いのほうだった。

礼も詫びも、なかった

数日が過ぎても、頼んできた親族からは礼の一言もなかった。

祖母の薬代も食費も、滞在にかかる細々したお金も、当然のように私の側が負担していた。

もともと、冠婚葬祭でもこちらに何かを包んでくれたためしのない家だった。私の親族の間でも、その振る舞いはたびたび話題に上っていた。

「困った時だけ、よく頼れるよね」

私の母も、電話口でそうこぼした。緊急時なのだから助け合うのは当たり前。

頭ではそう分かっているのに、割り切れない気持ちがずっとくすぶり続けた。

ある日、滞在の段取りについて確認の電話を入れたときも、返ってきたのはお願いばかりだった。

「ついでにこれも、お願いできる?」

こちらの都合を尋ねる言葉も、申し訳なさそうな響きも、そこにはなかった。

受話器を置いたあと、私はしばらく天井を見上げていた。

結局、祖母が落ち着き先を見つけて出ていくまで、あちらから歩み寄ってくる気配はとうとうなかった。

最後まで、お礼の品も、ねぎらいの一言もなかった。

一連の出来事のあと、私はその親族と、自然に距離を取るようになった。誰かと決定的に揉めたわけではない。

ただ、連絡の頻度がさらに減っていっただけだ。

頼りたいのなら、普段から少しずつでも顔を合わせて、関係を育てておくべきだったのだと思う。緊急の時だけ差し出される手は、どうしても素直には握れなかった。

割り切れないまま、薄れていく縁を、私は黙って見送るしかなかった。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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