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色も生き方も、自分らしく重ねる。ミシェル・リーのスタイル流儀

  • 2026.7.1
OMI TANAKA

ファッションや文化の発信源であるニューヨークで活躍する、自立した女性たちのファッションやライフスタイルを紹介する連載。Vol.10は、クリエイティブ・コンサルタントのミシェル・リーをフィーチャーする。

<a href="https://www.instagram.com/himichelleli/" target="_blank">ミシェル・リー(Michelle Li)</a>/アメリカ・インディアナ州出身。高校卒業後、パーソンズ美術大学への進学を機にニューヨークへ移住。メディアやブランドでの勤務を経て、2026年にフリーランスとして独立。マンハッタン在住。 OMI TANAKA

ミシェルは、ファッション&カルチャーライターとしてキャリアをスタートし、現在はブランドコンサルティングやコンテンツ制作に携わるほか、自身のSubstack『Good Fantasy』を運営し、多面的に活動している。色彩豊かなワードローブ、ヴィンテージへの愛、そして創作することへの考え方など、彼女の暮らしとスタイルをマンハッタンのアパートメントで聞いた。

*Substackとは、個人のメルマガや記事、動画の配信サービス。好きなクリエイターとサブスク型で密につながれるコミュニティが特徴的。

 

誰も知らない街で始まったニューヨーク

お気に入りのシューズが整然と並ぶクローゼット。マラソンに向けてトレーニング中ということもあり、スニーカーがたくさん。 OMI TANAKA

── パーソンズに進学するためにニューヨークに来られましたが、当初からいろいろなファッションの仕事をされていたそうですね。

インディアナ出身なので、大都市で暮らすのが初めてで、人の多さや街のエネルギーに圧倒されていました。最初の数年は本当に友達がいなくて。だから大学に通いながら、放課後はPRや雑誌のインターン、スタイリストのアシスタントなど、とにかく仕事ばかりしていました。忙しくしているほうが気が紛れたんです。でも今は、ニューヨークのペースにも慣れて、自分らしく過ごせるようになりました。

── 大学卒業後はどのようなお仕事に?

ライターとしてキャリアをスタートしました。ファッションやショッピングの記事を書くことが多かったのですが、次第にスタイリングや撮影にも携わるようになって、そこでストーリーテリングに強く惹かれるようになりました。

その後、トリー バーチでインフルエンサー施策やソーシャルコンテンツを担当し、ブランド側が何を求めているかを学びました。例えば、新しいバッグをローンチする時も、ただバッグを持って写真を撮るだけではなく、「どうすればその人の生活に自然に溶け込んで見えるか」を考えます。そういうストーリー作りがすごく面白かったですね。

アートブックや写真集など、インスピレーション源でもある本たち。 OMI TANAKA

── 現在はフリーランスとして活動されていますが、どんなお仕事をされているのですか?

いくつかのブランドのコンサルティングをしながら、自分のSubstack『Good Fantasy』でヴィンテージやパーソナルスタイルなど、自分が本当に好きなものについて発信しています。また、インフルエンサーとして活動することも。ブランド側で働いていた経験があるからこそ、個人として仕事をしながらも、ブランドが求めていることを理解できる。今までの経験がすべて繋がっている気がします。

── 今、ニューヨークの好きなところは?

毎日、何が起こるか分からないところ。良くも悪くもですが(笑)。不安になるときがあっても、今日は何かおもしろいことが起きるかも、って思えるんです。

私らしいカラフルなスタイルのつくり方

JW アンダーソン(JW ANDERSON)のドレスは、『Teen Vogue』で働き始めた頃に初めて自分で買った、大切なデザイナーズアイテム。華やかな存在感がありながら、どこかユーモアも感じさせる一着で、特別なシーンに袖を通すそう。 OMI TANAKA

── ご自身のInstagramやSubstackでは、大胆な色合わせのコーディネートを披露していますが、ファッションのルールはありますか?

カラフルで、実用的であること。服を着るときは細かいところまでこだわります。毎日自転車に乗るし、よく歩くので、見た目だけじゃなく動ける服であることが大切。でも同時に、服で気分を上げたいので、色やプリント、レイヤードを楽しむようにしています。

── 毎日のコーディネートはどのように考えていますか?

まず「今日はこれを着たい」というアイテムをひとつ決めて、そこからいろんな組み合わせを試します。だから朝の終わりには、いつもクローゼットの中はぐちゃぐちゃ(笑)。毎日少し違うものを着て、新鮮な気分でいたいんです。

ミュウミュウの2021年春夏コレクションのトラックジャケットは、彼女のスタイル観を大きく変えた特別な一着。お気に入りすぎて後にグリーンも買い足したとか。 OMI TANAKA

── スタイルアイコンは誰ですか?

ミウッチャ・プラダです。遊び心があって、若々しくて、それでいて知的。彼女のファッションへの向き合い方にとても刺激を受けています。

── ショッピングはどこですることが多いですか?

オンラインが多いですね。特にオンラインのヴィンテージサイト、『ザ・リアルリアル(The RealReal)』や『ヴェスティエール コレクティブ(Vestiaire Collective)』、『ポッシュマーク(Poshmark)』をよくチェックしています。欲しいものは何年もかけて探しますね。実店舗では、ローワー・イースト・サイドにあるララ コレジ(Lara Koleji)や194 ヴィンテージ(194 Vintage)のセレクションが素晴らしく、見ているだけで楽しめます。

光沢のあるサテン地で仕立てられたヴィンテージのプラダのミニスカートは、何年も探し続けてようやく見つけたお気に入り。 OMI TANAKA

── クローゼットの中から、背中を押してくれるファッションアイテムを見せてください。

ひとつはミュウミュウのトラックジャケット。この2021年春夏コレクションは私のスタイル観を大きく変えました。スポーティだけどフェミニン、かわいいけど洗練されている、みたいなバランスがまさに自分の理想だったんです。

もうひとつはプラダのグリーンスカート。2003年春夏コレクションのもので、5年近く探し続けてようやく見つけた念願の一着です。少し厚みのあるサテン素材と深みのあるグリーンに惹かれ、これぞプラダと思えるアイテムです。

クリエイティビティは余白から生まれる

自然光とともに過ごす窓際のスペース。トップはララ コレジで買ったコム デ ギャルソン(COMME des GARÇONS)のヴィンテージ。 OMI TANAKA

── ご自身のビジュアルの世界観や感性にインスピレーションを与えているものは何ですか?

今、ヨゼフ・アルバースのカラーセオリーのクラスに通っています。毎週、色の組み合わせを学んだり、色鉛筆で絵を描いたりしているんですが、完全に自分のための時間。今の時代って、何かをするとすぐSNSに載せたり、仕事に繋げなきゃって考えてしまいがちですよね。でも、誰にも見せないまま終わるものもあっていい。そういう時間こそが、結果的に自分の感性を育ててくれる気がします。

── 家の中で最も気に入っているスペースは?

窓際のスペースがお気に入り。本を読んだり、ぼーっとしたり、気づくとほとんどここで過ごしています。ファイヤーエスケープ(ニューヨークのベランダに設置された非常階段)に出て外の空気を吸ったり、木が季節ごとに少しずつ色づいていくのを眺める時間も好きですね。

タイのストリートで購入した犬モチーフのスツール。 OMI TANAKA

── お気に入りのオブジェや家具について教えてください。

タイで見つけた犬のスツールは自分らしいアイテムでお気に入り。ストリートで売られていたんですが、かわいすぎて、見た瞬間に「絶対に連れて帰りたい」って即決(笑)。

── 家はクリエイティビティやメンタルにどんな影響を与えますか?

家はどこよりも落ち着ける場所。ニューヨークは外に出るだけで刺激が多いので、心地いい気分でいられる空間づくりを心がけています。

自分らしくいるためのセルフケア

現在愛用しているのは、ニューヨーク発のファラ ホミディ(FARA HOMIDI)のリップやアイライナー、そしてLA発ロア(LORE)の香水など。ミニマルなメイクを好み、肌には必要最低限しかのせないのが彼女の定番スタイル。 OMI TANAKA

── ピンクヘアはずっとミシェルさんのシグネチャーでもありましたね。あの変化にどんな理由が?

5年くらいピンクヘアにしていたのですが、トリー バーチで働き始めるタイミングで黒髪に戻しました。ピンクって私にとってすごくニュートラルな色なんですよね。黒よりもピンクのほうが何にでも合うと思うくらい(笑)。

── お気に入りのビューティアイテムを見せてください。

普段のメイクはミニマル派。乾燥肌なので肌に塗るのは最低限で、普段はリップライナーとアイライナーくらい。あと、香水が大好きで、旅行に必ず一本持っていきます。その香りをあとで嗅ぐと、その時の記憶が一気に蘇るので。

── ニューヨークは刺激的である一方、エネルギーを使う街でもあります。どうやって心のバランスを取っていますか?

運動です。ランニングやジム、ウォーキングは欠かせません。最近は走るときに音楽も聴かなくなりました。音楽を変えようとしてスマホを見ると、そのままSNSを見始めてしまうので。なるべくスマホから離れる時間を意識しています。

小さな幸せと次なるステージ

ファイヤーエスケープに腰掛け、街の景色を眺めるひととき。ニューヨークらしい空気を感じられる、お気に入りの場所のひとつ。 OMI TANAKA

── 理想のニューヨークの1日を教えてください。

朝7時半くらいに起きて、ランニングかジムに行って、そのあとパンケーキを食べる。パンケーキが大好きなんです。その後は川沿いを散歩したり、公園でピクニックしたり。夜は映画館へ行って、アイスを食べて、10時半にはベッドに入る。それが私的な平和な1日です。

── ニューヨークに住みながらも、自然との繋がりを大切にしている印象があります。

毎年、誕生日にロサンゼルスにいる家族とハイキングやキャンプに行くのが恒例になっています。父がハイキング好きで、小さい頃からよく連れて行ってくれました。自然の中で過ごす時間はとても大切で、また来年も家族で山に行ける、って思うだけで頑張れます。

プラダ(PRADA)やシャネル(CHANEL)のデコラティブなシューズがお気に入り。なかでも、フラワーモチーフに目がないという。 OMI TANAKA

── ニューヨークで何度も通ってしまうお気に入りの場所は?

レヴェリー ランチョネット(Revelie Luncheonette)はよく行くレストランです。アメリカンダイナーのような雰囲気で、ごはんが本当に美味しい。おすすめはレモンパンケーキです。ワイルドエア(Wildair)やジ・オデオン(The Odeon)は、ちょっと特別な夜に行きたくなる場所です。

── これから挑戦したいことや夢はありますか?

いつかTシャツを作ってみたいです。ヴィンテージTシャツに、自分で色を組み合わせてプリントして、ラインストーンをつけたりして。あと、映画の現場でも働きたいですね。iPhone撮影でもフィルム撮影でも、映画の裏側でコンテンツを作る仕事にすごく興味があります。そしてもちろん、Substack『Good Fantasy』ももっと育てたい。文章を書くことも、写真を撮ることも、コンテンツを作ることも、全部純粋に楽しいんです。

Text & Coordination: Maki Saijo

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