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不倫相手を「セカンドパートナー」と言い張る夫…身勝手な理屈で壊されていく夫婦関係と、決別を描いた価値観崩壊ドラマ【書評】

  • 2026.6.30

【漫画】本編を読む

『夫、セカンドパートナーつくってました』(リアコミ:原作、しろいぬしろ:漫画/KADOKAWA)は、夫婦関係の価値観崩壊ドラマである。「不倫」を「セカンドパートナー」という言葉に言い換えてその行為を正当化する夫に苦しめられる妻の姿を生々しく描いている。

主人公・山口実花は、ある日、夫・広輝のスマホに表示された「姫」という人物からの不在着信を目にしたことをきっかけに違和感を抱き始める。そしてスマホの中身を確認すると、そこには見知らぬ女性との親密なメッセージやツーショット写真が並んでいた。当然、実花は浮気を疑う。しかし問い詰められた広輝は、悪びれるどころか「浮気じゃない、セカンドパートナーだ」と言い放つ。しかも、「体の関係はないから問題ない」と本気で主張してくるのだ。

夫が自分の狂った価値観をそれなりに理論立てて説明しようとするところが恐ろしい。「恋愛感情とは違う」「精神的な支え」「夫婦だけでは埋められない部分」……。現実でも耳にするようになった「セカンドパートナー論」を持ち出し、自分の行動を正当化する。

そして、その「理屈」に傷つけられる実花の描写も非常に生々しい。もし単なる浮気ならばある意味で話はシンプルだ。しかし、悪いことをしている自覚がない相手と向き合うとなるとそうはいかない。価値観が根本からズレている人間と夫婦でいることの地獄が描かれる。

多様な価値観が受け入れられる社会となったが、この夫の言い分は本当に当事者全員の合意の上に成り立っているのか。本作はその点にも鋭く切り込んでいく。「セカンドパートナー」というどこか聞こえがいい言葉の裏側にある身勝手さと孤独、そして夫婦の価値観の断絶にスポットを当てた、現代社会ならではの作品である。

文=ヒルダ・フランクリン

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