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安田章大主演で名作フランス映画『髪結いの亭主』を日本初舞台化 石黒麻衣が脚本・演出を担当

  • 2026.6.30
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PARCO PRODUCE 2026『髪結いの亭主』安田章大撮りおろしビジュアル

安田章大が主演を務める舞台『髪結いの亭主』が、9月28日より新国立劇場 小劇場ほかで上演されることが決定した。脚本・演出は石黒麻衣が手がける。

【写真】安田章大、中村映里子ら舞台『髪結いの亭主』キャスト組写真

1990年に公開されたパトリス・ルコント監督の代表作『髪結いの亭主』は、一人の男の純粋で偏愛的な恋心を描いたフランス映画の傑作。少年時代から「髪結いの女性と結婚すること」に憧れ続けた主人公は、大人になって理容師の女性と出会い、夢だった結婚生活を実現する。

平穏で満ち足りた日々のなかで、愛することの歓びと儚さをユーモアと官能性を交えながら詩情豊かに映し出した本作は、恋愛映画の枠を超えた普遍的な愛の物語として世界中で高い評価を獲得。フランス映画界最高峰の映画賞である第16回セザール賞では、作品賞、監督賞、主演男優賞を含む7部門にノミネートされた。

1991年の日本公開時には、ミニシアター文化が最盛期を迎えるなかで大きな話題を呼び、熱狂的な支持を獲得。ハリウッド映画とは一線を画す繊細な感情表現や洗練された映像美で、多くの映画ファンを魅了した。

このたび、公開から30年以上を経た今なお、90年代のミニシアターブームを代表する名作として語り継がれる本作が、日本で初めて舞台化される。脚本・演出を手がけるのは、第33回読売演劇大賞優秀演出家賞を受賞した新進気鋭の劇作家・演出家、石黒麻衣。2025年に上演した劇団普通の『秘密』『季節』での演出が高く評価され、現代演劇界で存在感を高めている。

石黒が主宰する劇団普通は、家族やきょうだい、友人といった身近な人間関係を題材に、独自の会話の間と身体性によって生み出される緊張感あふれる作品を特徴としている。何気ない日常のやり取りの中に潜む人間の本質を鋭く描き出す作風は、多くの観客や演劇関係者から高い評価を獲得。近年は、出身地である茨城県の方言を用いた全編方言芝居にも取り組み、茨城弁ならではのリズムや響きを生かした独自の演劇表現で注目を集めている。

主演を務めるのは、SUPER EIGHTの安田章大。演者として舞台に立つだけでなく、一人の観客としても数多くの演劇に触れ、作品への深い理解に裏打ちされた感性と表現力を武器に、『閃光ばなし』『あのよこのよ』『アリババ』『愛の乞食』『音楽劇 ポルノスター』など数々の舞台作品に出演している。

共演には、中村映里子、丸山智己、占部房子、村木仁ら実力派俳優陣が集結。繊細な人間模様を描く本作を、確かな演技力で支える。

本作は、原作映画から大胆にアレンジし、物語の舞台を1950年代の茨城県にある小さな理容室へと移して描かれる。戦後復興の活気に満ち、人々が慌ただしく行き交う時代を背景に、不自由のない環境で育ちながらも社会の抑圧や厭世観を抱える有閑階級の主人公が、理容師として自立し、自らの力で人生を切り拓く一人の女性と出会うことで自由を見出していく。

戦後の茨城県の小さな理容室を舞台に、石黒ならではの茨城弁を織り交ぜながら、静けさのなかに激情を秘めた男女の愛と官能の物語を鮮やかに紡ぎ出す。これはささやかな退廃なのか、それともささやかな自由なのか。理容室という小さな楽園に憧憬を抱き、孤独と欲望の狭間で揺れ動く主人公を、安田がどのように繊細かつ鮮烈に体現するのか、期待が高まる。

PARCO PRODUCE 2026『髪結いの亭主』は、東京公演を新国立劇場 小劇場にて9月28日~10月25日、広島公演をJMSアステールプラザ 大ホールにて11月5日~6日、大阪公演を森ノ宮ピロティホールにて11月12日~20日上演。

※石黒麻衣、安田章大ほかのコメント全文は以下の通り。

<コメント全文>

■原作映画『髪結いの亭主』監督・脚本:パトリス・ルコント

30年以上前、この映画を制作しようと考えたとき、これは非常に私的で内面的な作品になるとわかっていました。心の奥底では、この物語に誰も興味を持ってくれないのではないかと不安でした。というのも、ごく単純で、かつ儚いラブストーリーだからです。

ところが、映画が公開されるとそれなりの成功を収めました。私は安堵し、嬉しく思いました。

しかし、何よりも私を幸せにしてくれたのは、この映画が多くの国で配給され、国際的な成功を収めたことです。その中には日本も含まれていました。当時、私は新作映画の撮影中で、映画『髪結いの亭主』の日本公開に同行できませんでした。しかし、この映画が放つ輝く感情が、日本の皆様の心に触れることはわかっていました。心より愛してやまない日本の皆様に深く感謝申し上げます。

脚本の執筆中、私は舞台化することを一切考えていませんでした。ひとつの場、理容室という特別な場所、登場人物も少ないというお芝居にはうってつけの条件であるにもかかわらずです。フランスでは、何度か舞台化の試みが検討されましたが、どれも実現には至りませんでした。

今日、『髪結いの亭主』が日本で新たな命を吹き込まれることを知り、私はこの上ない喜びに満たされています。なぜなら、私が表現したかったことを最も深く理解し、共感してくださったのは日本の皆様でした。

私は、この舞台が成功を収めることを確信しております。そして映画の感動がもう一度もたらされ、分かち合われることになるでしょう。

■脚本・演出:石黒麻衣

“パトリス・ルコント監督の『髪結いの亭主』を舞台にする。その戯曲を書き、演出を自分がする。しかも茨城弁で!”このことが決まった時、胸が高鳴るのを感じました。

何故ならこれは私にとって全く新たな挑戦だったからです。そして同時に、この作品が持つ静かで密やかな、しかしそこに内包された切実な感情に、普段私が作っている茨城弁の作品に通ずるものがあると感じ取ったからです。海外の映画に、日本の地方の家族を描く劇団普通の作品との共通点を見つけたことは新鮮な驚きでした。

そして、主演の安田章大さん。初めてお目に掛かった時、私の作品に対し丁寧で熱意溢れるご様子でお話されていたことが強く印象に残っています。深い洞察力と探究心、素晴らしい俳優であることは言うまでもなく、さらに、時折り見せる憂いのある表情がこの滲み出るような感情を体現してくれる存在になることを確信しました。新しいこと、これまで自身が積み上げて来たこと、そして安田さんの持つ魅力、それらが融合した、想像を超えるものが生まれる予感がしています。

■安田章大

2023年、劇団普通『写真』のフライヤーに興味を持ち、観劇に行きました。とても好きな演劇スタイルでした。理由は明確でした。

「何気ない日常のやり取りの中に潜む人間の本質がいつも見え隠れしている。何が本音で、何が嘘なのか区別がつきにくい特徴が人という生き物にはある。適当に相槌を打つ時もあれば、傾聴して相槌を打つ時もある、なのに、その状態を見たり聴いたりしている第三者、あるいはその2人を取り巻く受け取り手は間違って理解することがある。人間はいかに愚か且つ、愛おしいか。その不完全な人間関係、会話、態話、が物心ついた頃には僕は軽妙に感じていたのでした」。

それらが劇団普通にはありました。終演後お声をかけさせていただき、お話をさせていただきました。そして、現在に繋がっています。

名作『髪結いの亭主』が1950年代に茨城にて存在するとどうなるのか。石黒さんを筆頭に、キャスト、スタッフ全員で揉み、内包された言葉にし難いものをお届けします。

中村さんとは、内側を向け合い、互いの心理に寄り添いたいです。相手が在るから僕が在れる。僕が在るから相手が在れる。

望ましい形です。舞台『髪結いの亭主』を通じてご自身に内包されているあらゆる感覚に耳を傾けてみてくださいませ。

■中村映里子

愛と官能の物語でありながら、どこかとても軽やかで奇妙な品と美しさに包まれた名作を、茨城弁で舞台化。さらなるユーモアを交え、石黒麻衣さんが新たなコンセプトを掲げ創造する『髪結いの亭主』に参加させていただけることを、とても嬉しく光栄に思います。

主演の安田章大さんとは初共演ですが、豊かな表現力の中に瑞々しい感性や人間力のしなやかさを感じております。"幸福で退屈な結婚生活"の時間や夫婦関係を、安田さんと共にどのように探求していけるのか、今からとても楽しみです。特異な愛の形態の中に、どんな感情や思考が湧き上がるのか…石黒さんの脚本と演出に込められた知性や感覚を、しっかりと自分の実感や感触にして、丁寧に演じられたらと思います。

私自身、舞台出演は12年ぶりとなります。素晴らしいキャスト・スタッフの皆様の力をいただきながら、邁進してまいります。

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