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生きているのに“死んでいる”!? 名門お嬢様学校のヤバすぎる禁忌に触れる、絶叫必至の学園ホラー『猫ノ目ゆうかは語るべからず』【書評】

  • 2026.6.29
猫ノ目ゆうかは語るべからず 原作:綾里けいし、漫画:伊勢海老ボイル/白泉社
猫ノ目ゆうかは語るべからず 原作:綾里けいし、漫画:伊勢海老ボイル/白泉社

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暑さが増してきたこの時期に恋しくなるのが、良質な冷えをもたらしてくれるホラー作品だ。せっかく読むなら、ストーリーもしっかり楽しめる作品に触れたい。そう思っている方におすすめしたいのが『猫ノ目ゆうかは語るべからず』(原作:綾里けいし、漫画:伊勢海老ボイル/白泉社)である。

本作の舞台は、名門お嬢様学校「聖凛女学園」。学校を舞台にしているが、いわゆる“学校の怪談”とは一味違う怪奇譚が展開される。

生きているのに“死んでいる”と言われている「猫ノ目ゆうか」とは

聖凛女学園には、複数の禁忌がある。「上級生の不興を招いてはならない」「学園の噂を語ってはいけない」などのさまざまな禁忌の中でも、生徒たちが特に厳守しているのが「猫ノ目ゆうかに関わってはならない」という禁忌だ。

財閥の娘である猫ノ目ゆうかは、才色兼備で非の打ち所がない。しかし、学園の生徒からはなぜか、“死んでいる”と言われている謎多き人物である。

生きているのに、なぜ、“死んでいる”と言われているのか――。疑問を抱いた編入生の辻羽澪(つじうら・みお)は、猫ノ目ゆうかに強く惹かれるようになっていった。

そんなある日、澪は上級生の不審な飛び降り自死に遭遇する。この死は、学園に潜む怪異がもたらしたもの――。猫ノ目ゆうかは澪にそう話し、学園に隠された秘密も打ち明けた。なんと、聖凛女学園では怪異と生者が共存しており、猫ノ目ゆうかは両者の間に立つ“調停者”だというのだ。

学園に潜む謎や猫ノ目ゆうかについて、もっと知りたい――。そう思うようになった澪は、猫ノ目ゆうかに関する情報を収集。名前を出すだけで生徒が露骨な抵抗感を示す中で唯一、得られたのは、猫ノ目ゆうかが深夜0時に図書室に出現する本を調べていたという情報だった。

興味を持った澪は、深夜0時に図書館へ。しかし、そこで彼女は恐ろしすぎる怪異に遭遇…。危機迫る中で助けてくれたのは、やはり猫ノ目ゆうかだった。

その後、ひょんなことから澪は猫ノ目ゆうかの相棒に。彼女をサポートしながら、学園に隠された恐ろしい秘密へ迫っていく――。

画力たっぷり、没入感を味わえるホラー漫画

本作は、作者の画力の高さに驚かされもするホラー漫画である。かわいらしい絵柄が突然、恐怖を前面に押し出した絵になる描き分け力は圧巻。読者は心の準備をする間もなく、恐怖に呑み込まれてしまう。まるで、上質なホラー映画を視聴しているかのような没入感があった。

そして、なんといっても魅力的なのが、猫ノ目ゆうかというキャラクターだ。猫ノ目ゆうかには、謎が多い。彼女が“死んでいる”と言われているのには、どうやら元調停者として活躍していた双子の妹の存在が関係しているようだ。

双子の妹とは一体どんな人物で、猫ノ目ゆうかの身には何が起きたのか。次々と疑問が湧き上がり、ページをめくる手が止まらなくなる。

なお、猫ノ目ゆうかには中性的な魅力もある。同性の筆者もドキっとさせられるシーンが多く、作中では頬を赤らめる澪の姿も描かれていた。ライトな百合要素を楽しみたい人にもおすすめしたい作品だ。

飄飄としている猫ノ目ゆうかと、自分の気持ちにまっすぐな澪。正反対な性格だからこそ、ふたりのやりとりは軽快で面白い。ぜひ、ふたりの会話も楽しみつつ、予想できない怪異にゾクゾクしてほしい。

文=古川諭香

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